Graceful Distortion

ゲイの管理人が発信する平々凡々な日々の出来事&映画その他興味のある事

見殺しにした罪

2006-03-04 12:07:47 | Weblog
ひっさびさの映画紹介。

別に映画を観ていなかった訳ではなく・・・・。大して面白い映画に
出会えなかっただけだったんです・・・。

今回紹介する映画は「ホテル・ルワンダ」

物語は・・・・

ルワンダの首都キガリにあるベルギー系高級ホテル、ミル・
コリン・ホテルで働く支配人ポール。有能な彼は常にお客への
サービスを怠らず、お客を満足させる事にやりがいを感じて
いた。しかし国は不穏な雰囲気に。長い間争っていたルワンダ
国内にいる多数派民族フツ族と少数派民族ツチ族の関係が再び
激化しつつあったからだ。そんな民族間の緊張の中、フツ族の
大統領がツチ族により暗殺され、内戦が再勃発。やがてフツ族に
よるツチ族への大虐殺が始まった。ポールはフツ族だが、彼の
奥さんはツチ族。やがて、魔の手はポールの家族へと伸びて
いく・・・。

まあこんなところです。

この作品、アカデミー賞ノミネート初め世界中の映画祭などで
賞を獲得しているにも関わらず、日本での配給先が見つからず、
このままオクラ入りしそうになりました。そこで、「ホテル・
ルワンダ」が観たいという映画ファンが立ち上がり署名運動を
開始、ようやく日本公開にこぎつけました。

主役のドン・チードルはお調子者役や参謀役など、どちらかと
言えば脇を固める実力派俳優でしたが、今回は主役に大抜擢。
見事に実在の人物ポール・ルセサバギナを演じ世界各国の
映画賞にノミネートされました。また自衛以外の軍事介入を
禁じられ、虐殺を目の前に何も出来ないというジレンマに
陥りながらも、欧米各国が見捨てる中必死でツチ族を守る
国連平和維持軍の大佐にニック・ノルティ。ルワンダの虐殺を
世界に配信するジャーナリストにホアンキン・フェニックス。
フランス在住のホテル社長役にジャン・レノがカメオ出演など、
低予算映画にも関わらず作品の意義を汲み取りかなり安い
ギャラで出演しています。

この問題を含め、民族間の争いは複雑で、この映画にはその
部分が描かれていない、という批判も一部からあるようですが、
真正面から事実をある意味シンプルに描き、アフリカには価値が
ないとして見捨てた欧米諸国に無関心の罪を訴えるには十分な作品。

ラストに流れる主題歌「ワイクリフ・ジーン/ミリオン・ヴォイセズ」
が胸に刺さる。