ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

26-9 惑わす女達

2022年12月15日 | 第26話 婿になった修道士



 ノアイラさんは
情緒的に理解を示す方から攻めて来ました。
その上で
「…でもね、貴族の誰もが悪い人じゃ無いと
思うの」

 リュシエンヌお嬢も
「私もそう思う」

 そして二人で
「だから…ねぇ…」

 ―とかいう方へ
話を持って行こうとして
いたんだろうと思われます。

 ところが、ハリソンさんに
肩スカされ、二人で
 「💢はぁ?!」
となってしまいました。

 デノワ氏、愛妻と愛娘の姿に
「お客だからって、
そういう〈おもてなし〉する?」
と正直思っています。

 この母娘、もう以前から
これと見た男性客に必要以上に接近して
親しくなろうとする事を繰り返していました。
(ノアイラさんは前編21話で
ハリソンさんを気品があると絶賛していて、
ここではつま先を押し付けた後、
二人がかりでベタベタ触っている)
 
 しかし、デノワ氏は
婿の立場、母娘の一枚岩の団結、
そして修道志願者時代に身に付いた
聖フランソワ様の教えの一つである
「忍耐の心」もあって、
強硬な態度には出られず、
されど「貞潔及び姦淫の危機」
を招きかねない接近に、
これまた聖者様の禁じ事に抵触するのでは?
…と心もそぞろなのでした。

🍁 続きは来週。



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