ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

23-6 兵士は将来の夢を語らない方がいいのか?

2021年07月06日 | 第23話 才能開花



 お国に残留組の3人には、
戦場で隊列を組む時の行進曲や
戦闘時に戦意を高める効果音などを演奏する
チャンスはありません。

 とはいえ、フィクションの世界では、
兵士が将来の夢を語ると死ぬ確率がアップします。
2人の先輩は大丈夫なんでしょうか?

 プロヴァンスのある村の広場には、
ナポレオンが活躍した時代の戦いで
太鼓を叩いていた、ある実在の兵士の像が
現在でも立っているそうです。

 マルセルは軍隊にいた頃、
「ハナちゃん」La Fleur と呼ばれていました。
楽隊自体が町の人全体や近隣地域の人達からも
アイドルグループのような人気ぶり。
年少者で可憐な姿のマルセルは、
楽隊の「花」として、
とりわけ人気者だったのです。

 その事でマルセルは、
英国のマライア・バートラム准男爵令嬢が、
自宅のマンスフィールドパークで
ある小説を読む時代になっても、
「自分はその登場人物のモデルなのだ」と自慢し、
フルートでは懐メロ吹いて、
周りから呆れられる事となるのです。