写真部の女子高生 夢路歩の物語
東京シャッターガール
同名のコミックを原作としたものではあるけれど、
原作を忠実に映像にしたのではなく、
原作のテーマに沿ってつくられたもの。
三人の監督の三つの物語のオムニバス。
「私はシャッターガール」(Director 手塚眞)
夢路歩=夏目あおい 美夏=大西颯季
写真を撮ることが楽しい「歩」、
「美夏」と一緒に街歩き(まち撮り)をしていく。
あるテーマを表現しようとして 止まる。そして
原作コミックの一巻が描いていた世界を映像にしているのがこれ。
このオムニバスのプロローグとしての意味も持っているように見えます。
「写真って何?」(Director コバヤシモトユキ)
夢路歩=田中美麗 春名窓花=西野実見 小森元気=芳村宗次郎
河合美佳子=雲母 湊澄恋=田口夏帆 玉城大樹=清田悠聖
細村顧問=ハービー山口
「夢路」のカメラは「キエフ3」「ローライコードVb」、
スカイツリーができるまでを撮っていた頃は楽しかった。
完成してしまったら、さて、何を撮ったら良いのだろう?
何を撮りたいんだろう?
「見たこともない記憶」「ラブレター」「写真は鏡」
結論、正解がひとつではないテーマを扱うのがこれ。
「荒木経惟」「Stephen Shore」「William Eggleston」等の写真集を使い
そのヒントを探す。そこに「部員」の物語を絡めていく。
その時間の中でなにか方向が見えてくるような気がするお話。
「キエフ3」「ローライコードVb」が出てくるので目立たないが、
最後になぜ30年も前の「Canon A-1」を使う部員がいるのか。
同級生がなぜ「Nikon F」を使うかの伏線に気がつく。
「夢路!お前無茶すんなぁ!」(Director 寺内康太郎)
夢路歩=藤井武美 玉城大樹=大橋典之 小野寺幸治郎=平光航平
写真のこととなると夢中になってまわりが見えなくなる「夢路歩」
今日も「玉城」を振り回す。そして「小野寺」登場。
素敵な展開。
あは その状況では撮らないでしょう。でも撮るんです「夢路歩」。
キャラクター設定は原作コミックの「夢路歩」とは違うけれど、
このオムニバスを閉める良いつくり。
この作品には原作のエピソードがひとつ挿入されています。
そして「筑豊のこどもたち」を見ながら、良い表情と呟かせる伏線。
さて、これを映画としてみると
ストーリーらしいものが希薄。
劇的な展開 ありません。
ぼくとつとしたしゃべり、セリフまわし。
ドラマとしてみたらあれ?。
物語を求めて見る映画ではないです。
でも、まち撮りをしているひとなら
どう撮ろうか、どう撮りたいのか悩んだことがあるひとならば
見るのは悪くない。
それに「夢路」たち 女の子が元気です。
あっ パンフレットを入手することもお勧めします。
「東京シャッターガール」
新潟・市民映画館 シネ・ウインドで9月26日まで上映中。