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お寺の現在

今、お寺はどうなっているのでしょうか。また、これからどうなっていくのか、どう考えて行くべきか。。。そんな視点からの研修会が昨夜、U寺様を会場に行われました。
 
主催は、所属教区の教化部ですが、近隣の勉強会グループにも呼びかけ、「明日の寺院」を目指す多くの熱心な僧侶が集いました。名付けて「教区オープン研修会」。
                    
形式はパネルディスカッションで行われ、教区教化部長T師の挨拶の後、始めにO師による現在の寺院の状況分析をお話しいただきました。内容は6項目。
 1.宗門のすがた・・・大都市の空洞化、町村の過疎化。。。
 2.後継者・寺族(ささえる)問題
 3.布教教化・檀徒(つたえる)関係
 4.檀信徒・地域社会(つながる)関係[以上、宗門調査報告参照]
 5.宗教・寺院離れ[参考-週間ダイヤモンド1.25]
 6.寺院・僧侶への不満と期待[同上        ]

続いて私から、各地の宗門寺院の実情について、写真映像とともに見聞した各地の様子を紹介させていただきました。
 1.格差の急速な加速・・・地方の過疎化と都市部の過密
 2.教化活動への取り組み
     活発な教区護持会の活動・・・多くの地区
     行事綿密な法要の実施・・・北海道寺院の特色
     新しい布教教化への試み・・・住職の姿勢に拠る
 3.檀信徒・社会との関わりと問題点
     根強い仏事供養としての存在価値と信仰心の空洞化
     生きる活力としての存在価値と一過性との葛藤
     社会的な貢献としての存在価値と経済性の問題

最後にK師から、社会と関わる仏教(エンゲージド・ブッデズム)について提言されました。
 1.一般人が寺に求めるニーズ
 2.行動する仏教・・・ティクナットハンの思想とアジアの現状
 3.海外で活躍する宗門寺院と僧侶の紹介
 4.行動から実践へ・・・出家僧の世俗的役割
 5.日本における諸活動の紹介
 6.まとめ・・・継続できる社会貢献活動への模索、市民対話の仏教へ

といった内容でした。司会は、宗務庁総合研究所教化研修部に勤務のS師。参加者は30名ほど。発表のあとは、個人を対象にすべきか家なのか、住職の僧・俗の意識の持ち方は?、僧侶間の議論から市民対話へ・・・・など、いくつかの意見交換、質疑応答が展開され、大変有意義な研修であったと思います。
変革の時代の中、同行の仲間同士、危機意識が共有できることは嬉しいことです。

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コメント
 
 
 
アカデミー賞 (zazen256)
2009-02-26 03:48:35
 映画「おくりびと」がアカデミー賞を受賞したことは、人は誰もが、死に別れということを重要視しているからだと思います。
 親族や知人の「死」に出会ったとき、人々は何か引継ぎの感情を抱くものだと思います。
 「死顔」とか「死者への思い出」というものは、参列者に強烈な印象を与えていると思います。
 法事への参列者は、和尚様方の読経の声に導かれて、厳粛な気持ちになります。

 「おくりびと」という映画に力づけられながら、「仏教」に対する見直し機運が広がることを願っています。
 法事は文化の伝承の場であり、人間としての「引継ぎの場」であると私は思っています。
 その伝承が正しく行われれば、世の中は確実に良くなると思うのです。

 
 
 
→zazen256さん (tera)
2009-02-27 08:03:40
ご無沙汰しておりました。コメント有り難うございます。
>法事は文化の伝承の場であり、人間としての「引継ぎの場」
あたたかい見解を提示いただき、勇気づけられる想いです。私も葬送の場で、亡くなっていかれる方が親族知人に対して、身をもって正に命がけで、世の無常と縁起の理を示しているということを強く感じます。
お釈迦様も法灯明自灯明の教えの中で、引き継いでいく「永遠の命」を説かれています。

この伝承の重要性が他人事の死(この現象を3人称の死というのだそうですが・・・)として、形骸化したり省略されていくことは残念なことです。

「おくりびと」効果で、見直されるといいですね。
 
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