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ネットワーク坐禅会・その6…コロナ問題と経済・仏教経済学に学ぶ

ネットワーク坐禅会・その6

                                                   …コロナ問題と経済・仏教経済学に学ぶ 

コロナによる緊急事態宣言の発令により、営業や外出が制限され、経済の混乱が心配されます。マルクス理論による計画経済に限界が生じ、世界的に自由、資本主義経済の流れになっていますが、目先の便利さ、豊かさ、自分中心の利益優先による弊害は、自らの破綻をも招く危険があります。

 民主的自由性を重んじれば、私利私欲のずるがしこさの強いもの勝ちの一面があります。これを抑える強権を発すれば、人権の侵害として民主主義に逆行する恐れがあります。今の日本社会は、かつての教訓から、このような強要する発令には慎重にならざるを得ないで、「自粛をお願いする」という形のジレンマ、ある種の性善説、良心にゆだねる、自発的な「万民幸福への行動」を期待するに留まっているのです。巷では、「生ぬるい」「もっと厳しく」という声が上がる昨今です。

 資本主義経済に代わる第3の経済理論として絶対資本主義・新自由主義と言われていますがなかなか定着しないように思います。自由性を保ちながらの公共の利益を模索する道こそこれからの目指す道とも言えます。多くの国でこの度のコロナ対策として、強い規制をかけている国がみられます。韓国では、個人の動きが不特定多数に共有され、感染拡大を防ぐ公共の福祉への試みが進められています。わが国ではなかなか難しいことです。

 我が国に馴染みやすいとすれば、仏教経済学の考え方かも知れません。この理論は、イギリス経済学者、シューマッハーによって、1966年に提唱された経済学で、仏教の理念をもとにしています。日本においても70年ほど前に駒沢大学内に「駒澤大学仏教経済研究所」が設立され、現在に至っています。

 この仏教経済学は、簡素(少欲知足・無執着)と非暴力(慈悲)を基本とし、最小資源で最大幸福を得ることを目的とし、経済として、自利だけではなく利他も目的とする利他共に利益を得ることを目指すものです。著名なところでは、アップルコンピュータの産みの親、スティーブジョブスもこの考え方に依るものと言われています。スマートホンの急速な普及の背景に、実は仏教思想が関係していることはあまり知られていません。

 ただ、この仏教経済理論も提唱されてから半世紀を超えていますが、なかなか浸透しません。むしろ個人化、孤立化の波に押され、心の密化、秘密主義が蔓延してきています。このコロナ危機こそ、この経済理念に学び、共に救われる慈悲の精神の輪を広げ、経済を活性化させていきたいものです。

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