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上海燃えゆ

2004年12月15日 15時34分07秒 | 世情雑感(サブカルチュア)
 中国の経済発展と共に上海と言う街がクローズアップされて来ていると言えるだろう。上海は今や北京以上に中国を象徴する都市と言っても過言ではない(上海は戦前は欧米の租界が広がっており、アジアにおける一大商業都市だった子を考えれば再認識が正しいのかも知れない)。このような背景があるからかは分からないが、上海を「壊滅」させる作品と言うものを最近は多く見るようになった。例えば、毎週土曜日夕刻に放送されている「機動戦士ガンダムSEED Destiny」ではユニウスセブンの破片の落下によって上海が消滅しているし、現在全国公開中の映画「ゴジラファイナルウォーズ」においても怪獣アンギラスが上海市内を破壊し尽くす。ここで指摘できる点は、目立つ建造物がある都市は映画やアニメにおいて「破壊」し易いと言う事だろう。そのような視点で考えるならば上海にあり最も注目される建物は、1995年1月1日に完成したオリエンタルパールタワー(468メートル)だろう。上海を睥睨するかのように立つこのタワーは先に指摘した二作品においても上海を示す象徴として登場している。「ガンダムSEED Destiny」では破片が激突する瞬間にタワーの姿が中央に描かれているし、「ゴジラファイナルウォーズ」では地球防衛軍の空中戦艦「火龍」がタワーに激突している。このような描写は上海と言う都市が、重要であると日本人に認知されてきた事の現れであるとも言えるのではないだろうか。今までの映画やアニメにおいて破壊される都市は日本の都市であるか、欧米の都市であった。機動戦士ガンダムシリーズでもコロニーが落ちたのはシドニーとダブリンという西欧に属する都市である(「逆襲のシャア」ではチベットのラサに小惑星落としが成功しているが)。しかし、中国の経済成長は中国の存在感を増大させている。そして上海にあるのは歴史と言うよりも商業都市としてのイメージである。そして歴史的建造物というものは現代文明を象徴する存在であるとは言い難い。このような映画やアニメにおいて重要なのは現代の科学文明が破壊される部分が重要だからである。このように考えていくならば、今後も上海は「燃え」続ける事になるだろう。

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