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オタクを検定する時代

2005年08月06日 20時31分10秒 | 世情雑感(社会情勢)
 現在、日本で最もステータスある人々は何者であろうか?
 ホリエモンのようなIT企業の経営者や経営コンサルタントと言った「勝ち組」と呼ばれる人々だろうか?残念ながら、彼らではない。
 意外かも知れないが、オタクと呼ばれる人々である。
 無論、オタクといっても単純に定義付ける事は難しい。本人はオタクと思っていなくても、周囲はオタクと考える人もいるし、その逆もまたあるからだ。しかし、オタクの注目度は鰻登りだ。日本政府は、アニメや漫画等の存在が世界から認められており世界に対して誇り行くべき存在であるという妄言を吐くに至っているのである。このような世情から生まれてきた典型例が、インターネットの巨大掲示板「2ちゃんねる」から登場した一大ムーブメント「電車男」だろう。書籍、漫画、映画に留まらずついに民放の夜9時代のドラマとして登場した。「電車男」については現実に存在しているオタクと呼ばれている人の実態を描いていないと指摘されているし、「電車男」のようなパターン化されたオタクというものが極めて稀有な存在であるのは事実である。何故ならば、オタクとは極めて雑多な手段であるからである。つまり、極論をしてしまえば誰でもがオタクになりうる。一般では漫画、ゲーム、アニメ、アイドル、パソコン等へ傾注する人々がオタクとして解釈されているが、オタクの構成要素は好きな事に関して時間と費用を惜しまないと言う点にあり、この点を勘案するならば車好きも野球好きも、料理好きもオタク足りえる要素を有しているのである。NHKの人気番組「プロジェクトX」を見ていれば分かるが、日本人とは好きな事に関して徹底にのめり込む習性がある国民なのである。
 そんな鵺のようなオタクをはっきりと定義づけしてより確固たるステータス(或いは差別化)しようとしているのが8月5日にビブロスが発行する雑誌「マガジンエルフィックス」に収録された「第1回全国統一オタク検定試験」である。この試験の内容は新聞や雑誌にも取り上げられているし、ビブロスのHPには模擬問題が掲載されている。確かに内容を一瞥すると、素人には何を言っているのか分からない問題である。単なる漫画を読んでいるだけやゲームをやっているだけでは分からない。例えば、ゲーム機という存在やコミケ(コミックマーケット:年に二回お台場で開催される世界最大の同人誌即売会)の持つ社会的特質と言うものを含めて把握していなければ回答するのは難しいだろう。ビブロスはこの試験を雑誌の企画という段階から本物の試験へとしようとしているとも伝えられる。つまり、試験化されればこの試験を通過したものこそが真のオタクエリートという立場になれるのである。しかしながら、必ずしもこのステータスを手に入れられる人間は少数派かも知れない。オタクとは好きな事には傾注するが、他の事には人並みの関心しか有していないからである。つまり、ゲーム機については詳しくても、パソコンには詳しくないというオタクは結構存在しているのである(例えば美少女ゲームファンにとってのパソコンは道具にしか過ぎないので、自作に関する問題等は解けないだろう)。つまり、この試験は真のオタクエリートを選ぶかも知れないが、オタクというステータスを一般人が得る為の格好の道具になると言う事である(つまり、勉強しさえすれば試験は受かるのである)。
 無論、このBlogを読まれている方は疑問に思うかも知れない。誰がオタクという称号を得たいのかと。たが、思い返して頂きたい。現在の日本においてオタクはステータスなのである・・・。

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