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ホリエモン、宇宙へ!?

2004年12月16日 21時15分28秒 | 世情雑感(社会情勢)
 プロ野球新規参入を表明し、楽天に敗れたものの次々と画期的なプランを世にぶち上げるライブドアの堀江貴文社長が今度はライブドアによる宇宙進出を公言した。しかも、それを公言したのは我が国の宇宙開発を主導する宇宙航空研究開発機構(JAXA)主催の「宇宙の利用を考えるシンポジウム」においてである(http://www.jaxa.jp/news_topics/hot_topics/index_j.html)。堀江社長は「数年以内に日本初の民間有人ロケットを打ち上げる計画を持っている。ブッシュ米大統領より先に、火星に人を送りたい」と大風呂敷を広げ、米国の民間有人宇宙飛行計画の成功や、ロシアの民間人の宇宙旅行に世界のIT関連企業が資金面で関与している事をしている事を指摘し、「日本の宇宙開発には夢がない。われわれベンチャーが成果を挙げて、市場を開拓したい」と旧態依然の宇宙開発姿勢を示すJAXAを一喝した(http://www.kahoku.co.jp/news/2004/12/2004121601001192.htm)。しかも、ロシアからロケットエンジンを購入する考えを明らかにしたと言う。この計画をどれほど堀江社長が本気で言っているのかは分からないが、今まで日本では衛星利用(通信、放送、衛星写真等)と言う面では民間企業が参入していたが宇宙旅行やロケット打ち上げと言う面ではまったくと言って言うほどJAXA任せであった。無論、これはリスクを最低限にして最大限の収益をあげようと言う日本式資本主義の結果であると言ってしまえばそのままであるが、宇宙開発は国家的事業という見方が強かったのも事実である。その左証が中国の有人宇宙船打ち上げ後に出た日本でも有人宇宙飛行計画をという意見であった。此処での計画は基本的にJAXAが有人宇宙船を打ち上げると言うものだったが、その計画すらまともに纏まらないうちに米国では民間企業スペース・コンポジッツ社が「スペースシップ・ワン」という有人宇宙船による宇宙飛行を成功させてしまった。このように考えるならば、堀江社長がぶちあげた有人宇宙飛行計画もあながち非現実的とは言えない(無論、それをやる意思が本当にあるのかは疑問があるのだが)。日本の宇宙開発がNASDA(宇宙開発事業団)、ISAS(宇宙科学研究所)、NAL(航空宇宙技術研究所)と分かれていたものが独立採算のJAXAへと統合された背景には民間活力を生かした宇宙開発という方向性があったからに他ならない。しかし、現状では開発体制が統合されただけであり(あとは、東京本部が浜松町の世界貿易センタービルから大手町のオアゾに移った位か)、特に新しい事業を始めた訳ではない(無論、H2A6号機の失敗に関する様々な事象が存在している事は理解しなければならない)。日本の宇宙開発は目的をもっていないとしばしば言われている。そして、それは日本の宇宙開発が一流国の証を求めると言う目的だけで行われているからだと言う事もしばしば指摘されるところだ。目的ある宇宙開発、それは日本の場合は如何にして新しいビジネスモデルを宇宙において確立するかにあるだろう。その実効性の有無は別にして有人宇宙飛行計画をぶちがえた堀江社長の今後の動きには注目してみたいところだ。
 

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