東武鉄道の30歳代の運転手さんが長男(3)を約4分間、運転室に入れて乗務したとして、同社が懲戒解雇(退職金が支給されるクビ)を決めたことに対して、同社に「処分が厳しすぎる」などと抗議するEメールや電話での抗議が400件以上もあったそうです。こうした抗議にも拘わらず、同社は「重大な規則違反で懲戒解雇の方針は変えない」とコメントしているとのこと、寄せられた抗議のその大半は「けじめが必要なのはわかるが解雇は厳しすぎるのではないか」「子どもが成長して後にもの心つかないうちに自分のせいで父親が職を失ったと知ればショックを受けるのではないか」など、解雇の取り消しを求めるものだったという。東武鉄道で行っている不祥事の際の処分は、懲戒解雇、職級降格、停職、減給、けん責の5種類、どういう行為をしたら、どういう処分になるかという明確な運用規定はなかったという。寝坊で運転するはずの電車に間に合わなかった場合は、減給やけん責などと、ケースバイケースで決めているらしい。最近では伊勢崎線竹ノ塚駅近くで発生したの重大な踏み切り事故で起訴された踏み切り保安係や引込み線の車止めを超えて民家に突っ込んだ回送列車の運転士が懲戒解雇されています。
「子どもが成長した後に、もの心つかないうちに自分のせいで父親が職を失ったと知ればショックを受けるのではないか!」というお母さん達の声も決して分からないと云う訳ではありませんが、「重大事故が発生していなかったからいいものの。もし、重大事故が発生していたらどうするつもりだった?」と聞かれたら問答に窮するように、電車はたくさんの命を乗せて走っている重要な公共の乗り物であり、その運転手さんの手にはたくさんの人たちの未来がかかっています。ケースとしては違うかもしれませんが、JR福知山線の事故のこともあるので、それを考えると、子供がかわいそうだからと云う言葉だけでは片付けられないものがありますね。みなさんはどう思われますか?
参考:運転士・車掌の仕事 - そうてつキッズ
運転士のしごと - 密着ルポ。JR西日本
Green Park さん(電車画像)
2.1によって、重大事故が起きる可能性はどのくらいか。
この2点が明確になっていないため、「処分が重すぎる」という意見が出るのだと思います。
しかしこの場合、泣いている子供をなだめるなりして母親に渡すことで電車が遅れた場合、車内アナウンスで「子供が乗務室に入り込んだため…」とは言えないですよね。とはいえ、先頭車両の乗客には状況が丸見えなわけですから、運行遅れによるクレームが会社に来れば、それはそれで「重大な服務規程違反」ととらえられるかも知れない。いずれにしても待っているのは解雇ですね。
奥さんや子供を責めるわけにもいかないし、せめて、良い再就職先が見つかるよう祈りましょう。