都立に入る!

模試の偏差値で受けられる併願優遇とは

[2019年11月13日 更新]
結論から言うと、都内の私立高校の一部ではVもぎやWもぎの偏差値を見せれば単願推薦や併願優遇の合格確約がもらえる。
今回はこの私立高校入試の闇についてお話する。
東京都内のみに絞った話であり、埼玉県などの私立高校については深く踏み込まない。

また今回の内容は公然の秘密であり、中学校の先生は知らないことになっているので、中学校の三者面談で話しても無駄だということは理解いただきたい。

◆かつては単願推薦と併願推薦があった
たしか2008年度までだったと記憶しているが「併願推薦」または「B推薦」という制度が都内の私立高校にあった。
都立高校が第一志望だが私立高校にすべり止めとして合格しておく制度である。

現在の「併願優遇」に似ているが、いちばんの違いは「1月のうちに併願校に合格しておける」ということである。

毎年、都内の私立高校の推薦入試は1月22日から始まる。
この推薦入試、現在では「単願推薦=推薦入試」と考えてもよい。しかし当時は併願校として私立高校を1月に受験できたのである。
これにより都立高校一般試験の受験生は、1月中にすべり止め校を確保できた。
そこから1ヶ月弱は都立高校入試のためだけの勉強に専念できたのである。

入学金の納入は、都立高校の合格発表後なので保護者にとってもありがたい制度だった。

他校よりも生徒を集めねばならない私立高校は、この併願推薦で多くの合格者を出した。
結果として「受けやすい高校」「受かりやすい高校」に受験者が集まるようになっていく。
例えば豊島学院は2008年に商業科・機械科を募集停止し、普通科を3コースにしている。偏差値のはばを45~60程度に広げた上に普通科の定員を増やすことで受験生が集まりやすいようにした。
「都立高校の併願校として受けやすい私立」としてのポジションを取りにいったのである。

しかし、この制度には圧力がかかり是正された。
都立高校を第一志望とする場合、東京都の私立高校を併願推薦としては受けられない。
替わりに2月10日以降の私立一般入試日に併願優遇という制度に統一した。これが現在の制度である。

この1月の併願推薦、埼玉県や千葉県の私立高校なら都立高校第一志望であっても受けられる。今でもだ。
どうしても1月に併願校の合格を確保したい子は、埼玉や千葉の私立高校を受けるようになった。
私立中受験に似ているとも言えよう。

都内私立高校の併願優遇を廃止し、誰が得をしたか。
ここまで書けば、小学生でも想像できるだろう。


この時の併願推薦の合格基準は以下の2つ。どちらかを満たせばよかった。
1. 中3の2学期通知表(内申点)の点数。3科(国数英)または5科(国数英社理)または全9教科の点数
2. 中3の2学期に受けたVもぎやWもぎの偏差値。

「1」は現在でも公になっている方法なので今回は省く。
私立高校受験では換算内申ではなく、そのまま数字を足した点数で判断する。
素(そ)内申という。

◆Vもぎで2度、いい偏差値を取ればよかった
「2」については併願推薦を実施するほとんどの私立高校で行われていただろう。
もちろん全校を確認したわけではないが、私の周りでは一部の上位校を除けばそうだった。
内申点が足りなくても

多くの場合は
・9~12月に受けたVもぎ、Wもぎ、北辰テスト(埼玉県最大規模の模試)の偏差値を見る
・3教科偏差値、5教科偏差値のよい方を見る
 ・よかった2回の偏差値を見る 
 例:「2回平均55以上」なら、53と57でOK。「2回とも55以上」なら53と57はNG。
といった条件がある。
たくさんVもぎを受けた方が、いい結果が出るチャンスが増えるので有利になる。
4ヶ月で8回受けるような猛者もいた。

併願推薦の廃止と同時に、模試の偏差値での推薦合格も締め付けが厳しくなった。
表向きは、偏差値を利用して(=通知表の点を利用しないで)の単願推薦や併願優遇での合格確約は消滅した。

◆この制度は現存する
模試の偏差値を利用しての合格確約、今でも一部の高校には残っている。
残念ながらホームページや高校説明会では一切、公表をしていない。
つまり普通の中学生やその親が、偏差値での合格基準の有無やその数字を知ることは難しい。

ではどうすればいいか。
通っている塾に相談するのがいちばんいい。
直接、私立高校に行って個別相談をすれば、内申点が併願優遇の基準に届いてない場合に教えてくれるケースもある。
(例: 偏差値〇〇以上を2回取ってくださいね!)

あくまで「内申点では基準に届かない場合の救済措置」であり、内申点がよいのなら関係ない話だ。


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この場合のみ、以下で相談を受け付けている。

私も自分の塾のことがあり、それほど多くの相談には乗れないので、そこはご理解いただきたい。
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