そしてその翌夜のことでございますが、娘がわたくしの肩や腰をもんでくれました。
勿論、はじめてのことでございます。
「急にどうした?」と問いただしても、
「いいから、いいから」と、笑うだけでございます。
妻の部屋から出てきて、すぐのことでございました。
もっともその折りのわたくしには、そのことの詮索よりも……。
娘は、わたしの腰にまたがり、足のふくらはぎ・足首をもんでくれました。
親孝行のつもりかもしれません。
しかしわたしにとっては、……。
娘と分かってはいても、暖かく柔らかいお尻の感触が悩ましいのでございます。
娘は、薄いパジャマ姿でございました。
お風呂上がりのせいもあるのでございましょうか、少し汗ばんでいたのでしょう、湿り気を感じました。
若い女の体臭とでも申しましょうか、なんともその。
ぷーん、と
良い匂いでございます、ぐふふ。
申し訳ございません。
娘でございます、分かっております。
分かってはいるのでございますが、ムクムクと、またしても。
わたくしはこの一年の間、女性との接触がまったくありませんでした。
いえいえ、性欲がなかったわけではありません。
むしろ若い頃よりも、ある意味では高ぶることが多くなっておりました。
ひとり、恥ずかしい話ではございますが、自慰にふけったことも一度や二度のことではございません。
いいえ、実はこれからなのでございます。
そろそろお気づきになられた方もおいでになるかもしれませんな。
他の方には、まだ内緒にしてくださいよ。
謎の紐解きの面白さが失われてしまいますからな。
その後も、何やかやと娘はわたくしの世話をやいてくれます。
妻は目を細めて、そう冷ややかな目でそんなわたしたちを見ております。
その頃には床上げも済んでおります。
そして朝食の用意もしておりました。
は? ぐふふ、いえいえご心配なく。
娘はわたしと一緒を選んでおります。
妻はそそくさと部屋に戻っていきます。
小憎たらしいことに、娘にはにっこりと微笑みかけながらも、わたくしとは目を合わせようとしません。
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