昭和の恋物語り

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大長編恋愛小説 【ふたまわり:第二部】(三)の5

2011-03-10 19:53:57 | 小説
あの「ブルーシリーズ」は、
この作品のプロローグだったかもしれません。

三部構成の、
大長編です。
どうぞ気長に、
読んでください。
実はこれ、
まだ執筆中なんです。
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立ち並ぶビル群の一角に、
それはあった。
煌々と輝くネオンの看板を、
三人は等しく眩しく見た。
未だバラック建てが多い中、
ここ銀座は異世界だった。
すれ違う人の多くは、
進駐軍の兵士だった。
シャッターの下りた軒先でたむろしている街娼達は、
兵士にしな垂れかかるようにしている。

辺りも憚らずに口を吸いあっている街娼もチラホラ居た。
「あの娘らを、
見ろ。
ウィスキーやらチョコレート欲しさで、
操を売っているんだぞ。
それらを、
俺達は商売してるんだ。」
三人には、
五平が言わんとする意味が理解できなかった。
五平にしてみれば、
戦前の女衒時代が思い出されてしまう。

“未だ、
あの頃の方が良かったかもな。
苦界に落ちるといっても、
日本人が相手だった。
然も、
公娼制度という政府の保護下にあったことだし。”
そんな感傷に襲われた、
五平だった。


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