昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第二部~(八十四) 逢いにお出でって

2014-04-13 13:01:32 | 小説
(二)

「そんなこと、できません! 大丈夫です、もう。
今度かかってきたら、言い返してやりますから。

口惜しかったら会社にお出でなさい、って。
お姫さまに逢いにお出でって、優しく言ってやります」

「そんなこと言って、ほんとに来たらどうするんだよ」
「えっ、えっ、どうしよう、どうしましょう」
掛け合い漫才が始まり、どっと笑いが起きた。

「こらこら。そんな時は、男どもが撃退しろ。
女性を守ってやれない男なんて、金輪際、嫁さんをもらえないぞ!」

武蔵が突っ込むと、笑いが更に大きくなった。

「そうなんだけどさ、内の男どもはみんな、華奢(きゃしゃ)だもんね。
守ってもらえそうにないわ。やっぱりあたし達女が、一致団結して撃退しましょう。

でも、小夜子さまはだめ。
お姫さまは、奥の院に居てもらわなくちゃ」


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