昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

ポエム ~焦燥編~ (tears)

2024-04-01 20:45:42 | 

夢を見た。
夢であって欲しいと思った。
そしてなによりも 現実であってくれ! 
いくど祈ったことだろう。

亜紀子は ぼくをあふざけり笑うように
見も知らぬおとこの胸に 抱かれていた。
          一糸まとわぬ姿で。

どんなに 苛だったことか!
どんなに 悦びにみちたことか!

蜜は くだけた。
どれほどに腹だたしかったか。
いくど 叫びの慟哭をおさえたことか。

戯れに触れられたほゝへの
柔かいくちびるの感触
過ぎ去ったこと……

ぼくはなにも言わずに背を向け
      そして……涙した
            そして目を閉じた
            ――――敵前逃亡


(背景と解説)
欺瞞です。
いや、矛盾、かな? 
自分の心に巣くう、幼児の――悪魔の心です。

幼児って、悪魔だと思いませんか?
残酷なまでに、自己チューだと思いませんか?
でもでも、天使でもあるんですよね。
にっこりと微笑みかけられると、すべてを許してしまうんですよね。



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