松田敏子フラワーデザイン・徒然ローズガーデン

予定より長生きしている今を憂いながら、怒りながら、笑いながら楽しむ。

NHNアーカイブス 名作ドラマ 「冬構え」

2009-09-26 13:00:23 | 芸術鑑賞・文学・音楽・映画など
山田太一さんの「老い」をテーマに書いたドラマ。(1985年)

人生を四季にたとえ、やがて誰もが迎える「冬」、老いとどう向き合っていくかを、笠智衆さんが切々と演じる。


年老いた老人は全財産を現金にし、晩秋の東北地方へと旅に出る。
途中、知り合った上品な老女に仄かな愛情を抱いたり、死の床にある友人を見舞ったりするが、旅の目的は、実は死に場所探し。

貧しいけれど将来に夢を持つ若い板前のカップルに出会い、高額の現金を渡して海に身をなげようとする。

妻に先立たれ、自分が元気な今は家族に「おじいちゃん!おじいちゃん!!」と良くしてもらえ、いい関係でいられる。
これが、病床に臥したり老人として手がかかるようになると、そんな関係もうって変わり、ギクシャクした悲しいものになっていくのが目に見えるという。
そうはなりたくない。

自殺なんて命の尊厳を損なう許されないことと分っているが、齢80にもなるとそれも許されるだろうと・・・。

ラストシーンに救われた気がした。

ドラマ終了後、山田太一さんのインタビューあり。
一人ではどうにもできない。何かいい策はないかと模索した。

藤原釜足演ずる若い板前の祖父(家族は皆出稼ぎに出ていて一人暮らしの、知らない人には口をきかない老人)が、
「わしには死んだりしたらいけない!とは言えない・・・どうだ・・・しばらくここに居たら!?・・・こう見えても慣れたら、しゃべるよ。」とニッコリ。

思いがけない心底からの暖かい言葉に、ひとすじの光を見たのは主人公だけではなかっただろう。

懐かしい小沢栄太郎さん、沢村貞子さんも出演。






コメント (2)
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