とんとんのヒトリゴト

のんびり成長中のムスメの成長記録と趣味や日々の徒然話など。

ドキュメンタリー映画「普通に生きる」

2012-12-31 | 映画・ドラマ
元々映画が好きなので、今年もちょこちょこ見に行っていましたが、その中でも特に考えさせられた作品についてご紹介。
一つは、ドキュメンタリー映画「普通に生きる
HPに書かれたイントロダクションをちょっとご紹介・・・

静岡県富士市にある 生活介護事業所でら~とは、
『どんなに重い障害を持っていても、本人もその家族も普通に生きてゆける社会をめざす』
という理念のもと、親たちの努力で、ゼロから立ち上げた重症心身障害児者のための通所施設です。
重症児の多くは、嚥下障害、呼吸障害等のため、日常的な介護として
経管栄養、痰の吸引、酸素吸入等の医療的ケアを必要としています。
そのため、でら~とには生活支援員の他に看護師も常勤し、毎日、それぞれの障害や個性に
合わせたプログラムで日中活動を支援しています。
利用者は多くの人や地域との関わりの中で、社会性を身につけ、
誰からも介護を受けられるように成長してゆきます。
そして親たちも、法制度の改革の波に揉まれつつも行政に働きかけ、
自分たちのニーズにあった制度や施設づくりを行い続けてきました。

いずれは親も子もそれぞれの人生を明るく送れる地域社会づくりを目指して、
『福祉の受け手から担い手となる』発想が、親たちの新しい未来を切り拓いてきました。
映画は、2つ目の施設建設計画が持ち上がった頃からの5年間を追います。


ぶーちゃんも確かに「重度の知的障害児」ではありますが、この映画で描かれている「重症児」というのは、
医療ケアが必要なお子さんたちを指しています。
私自身、医療ケアという物がどんな物かは一応知ってはいますが、自分の目で見たことは一度もないのが正直なところです。

障害の種別が違えば、悩みや抱える問題は違う。
確かにそうなのかもしれません。
でも、この映画の中に出てくる印象的な言葉・・・

「もし私に何かあったら、この子はどうなるの?」

この叫びは、どの親もきっと共通にもつ物だと私は思っていました。
だからこそこの映画に興味を持ったし、絶対見に行こうと思って足を運びました。

映画を見始めて、実はすぐに泣いちゃいました。
ってか、泣きっぱなしでした。
医療ケアを受ける子が「成人式」を迎えることの難しさ、そしてぶーちゃん達以上に卒業後の選択肢が少ないという現実。
「普通に生きる」というタイトルの意味に込められた親の願い。
それは私が知らないことばかりで、胸がとても痛かった。
そして、子ども達のために親が動き理想の施設を目指して頑張る姿に感動もしたし、尊敬の念を抱いた。

ラストシーンは、重心児の子ども達が自立のために家を離れ、それをきっかけに親が自分たちの夢を果たすべく
一歩を踏み出すシーンで終わっていた。

親は親、子は子。
私も頭では分かっているけれど、どうしてもぶーちゃんを中心にした生活になり、
「ぶーちゃんがいるから出来ない」と諦めている部分がどこかにある。
それ以上に、親である自分がぶーちゃんのために動かないで、いったい誰がやるのかって思ってしまう所もあったんです。

だからこそ、ぶーちゃんにとって良かれと思う事は何でも頑張る。
そう思ってここ数年ぶーちゃんに関係することだけを中心にして走り続けてきました。
でもその結果、必要以上にいろいろな物を背負い込んでしまったみたいで・・・ちょっと気持ちが疲れてきていました。
いつもならその疲れも「ぶーちゃんのため」の一言で踏ん張れたんだけれど、それも厳しい部分があって・・・。

そんな私にとってこのラストシーンは、とても印象に残る物でした。
「普通に」は生きられないぶーちゃんも、いつの日か「普通に」親である私たちの元を離れていく時がくるのだろうか?
そして、そうやって私の元から離れたら、私ももうぶーちゃんが一番でない生活を送っても許されるのかなぁ?
そんな風に考えてしまったんです。

そんな日が来る様に準備するのが親である私たちのつとめであるとは思うけれど、まだ想像がつきませんよ~。

そんな風に考えたのと同時に、もう一つ思ったのは「この映画の親のように私はがんばれない」って事かな。
福祉の受け手から担い手に・・・というのは本当に良くわかる。
理想とする物は待っているだけではやってこない。
そのジレンマは私もいろいろなところで感じるだけに、痛いほど良くわかるんですよ。
でも、じゃぁこの映画の方達と同じように自分の理想を形にするだけのパワーが
自分の中にあるか・・・と言われると、多分ない。少なくとも今はない。

私は、一生懸命やっているつもりなんです。
でも、まだそれ以上に頑張らないとその理想には近づけないのかなぁ??
悩ましいところです・・・。

と、こんな風に色々な事を考えさせられたドキュメンタリー映画でした。

で、もう一本も同じくドキュメンタリー映画。
「ちづる」って映画です。こちらは自閉症の妹さんを兄がカメラで撮影した物で、
これもまたいろいろ考えさせられましたよ~。
これについては次回のエントリーで。

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