天台宗 東明寺 たより

北九州市天台宗東明寺住職のおたより

11月訃報

2021-11-30 21:07:20 | 日記
今月は相次いで訃報が届きました。
ご冥福をお祈り申し上げます。

11月22日には第257世天台座主森川宏映大僧正がご遷化されました。
6月の伝教大師1200年大遠忌法要などを無事にお勤めになられました。
世寿97歳でいらっしゃいました。

第258世天台座主には西の比叡山と呼ばれる書写山円教寺の大樹孝啓探題大僧正が上任
されました。
円教寺はトム・クルーズのラストサムライを始めとして映画やドラマのロケ地でもあります。

11月9日には瀬戸内寂聴さんが亡くなられました。大正11年生まれ。世寿100歳。
つい最近までテレビの番組に出演され、まだまだ精力的に執筆活動に励んでいらっしゃる
ご様子でした。

売れっ子作家でありながら、漠然とした不安の中で出家を志されます。
当時作家仲間で中尊寺の管主でもあった今東光(法名春聴)師に相談し、寂聴として得度されました。
「出離者は寂なるか梵音を聴く」に由来するそうです。

個人的には2度ほどお顔を拝見したことがあります。
1度は比叡山行院の時、お供養の差し入れの折行院生に対して「しっかりと修行に勤めてください」と
励ましのお言葉がありました。

法話の中で色々なお言葉を残されていますが、それはご自身の人生の経験によるもので、それが多くの方々に
共感を呼びました。

墓石には「愛した 書いた 祈った」と彫られたそうです。
ご人生そのままの言葉のようです。
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角大師!疫病退散

2021-11-04 19:24:26 | 日記
先日のお参りの際仏壇に角大師の描かれた日本盛のカップ酒がお供えしてあり思わず目に留まりました。

どうやら6月頃から疫病退散を願い、不動明王、薬師如来、牛頭天王、鍾馗と古くから疫病退散にご利益が

ある仏さまをラベルにデザインし販売されたらしい。

特に角大師は平安時代に疫病が流行した時に鬼の姿となり、疫病を追い払い人々は疫病から免れたといわれ

玄関先に貼る魔よけのお札として広く伝わっている。

 江戸時代の川柳に「門松に かくれ顔なり 角大師」とある。

正月三日のご命日にちなんで「元三大師」と呼ばれるが、法名は良源といい「慈恵」の諡号を賜ったので

慈恵大師良源とお呼びします。

おみくじの元祖でもあり、定心坊(たくあん漬け)の元祖ともいわれています。

 「山の坊さん 何喰うて暮らす ゆばのつけ焼き 定心坊」

又第十八代の天台座主として、焼失した比叡山の堂塔伽藍の復興、学問の興隆、僧風の刷新など尽力され

「比叡山中興の祖」と仰がれています。

 永観二年 疫病が蔓延した時、元三大師様のお姿が鬼の姿に変わられ、そのお姿を映しとったのが

 角大師のお姿であり、それをお札に刷って家の戸口に貼り付ければ疫病が退散し、このお札をがあれば

 病魔は怖れて寄り付かないというご利益のある霊験あらたかな護符です。

世界中で新型コロナウイルスが蔓延し、多くの方々が不安な日々を過ごしています。一人一人が予防に努め

助け合っていくことで、どなた様にも神仏のご加護により安心が得られ、ご利益が届くことを祈念申し上げます。

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