天台宗 東明寺 たより

北九州市天台宗東明寺住職のおたより

年の瀬にあたりご挨拶

2019-12-25 22:06:15 | 日記
今年の23日は平日でした。中には天皇誕生日と勘違いした方もいらっしゃったようですね。

これまで23日の天皇誕生日に28日を早めて納めの不動講を勤めていましたので、今年もそのまま23日に致しました。

ご多忙の中お参り下さり有難うございました。


最近寒い日が続きます。皆さんより頭がスースーしますので温かいニットをかぶっては寒さをしのいでいます。



皆様年越しの準備にお忙しい事と思います。

そんな中個人的には、さまざまなお笑い番組を見ては大笑いして過ごすのがここ最近の定番です。

笑門来福ですね。一年の間には色々な事が有りますが、笑って嫌なことを

吹き飛ばしましょう。


皆さんにとって今年はどんな年だったでしょうか?良き一年でしたか?余り良くなかったですか?

それでも今こうして年の瀬を迎えつつ無事に過ごせていることを何より感謝したい所です。


今年一年大変お世話になりました。どうぞ良き年をお迎えください。

来年また笑顔でお会い致しましょう。              合掌
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ローマ教皇来日

2019-12-04 15:05:57 | 日記
 今年も残す所あとひと月ほどになりました。師走となり慌ただしくなってまいりますが、如何お過ごしでしょうか。
インフルエンザの流行が今年は早まっているということですので、皆様お気を付けてお過ごしください。

 さて先月ローマ法王(以前はそのような名称)の来日、今回から教皇と統一されて呼ばれたようです。
確か前回の来日ではローマ法王ヨハネ・パウロ2世と聞いた覚えがあります。今回来日されたフランシスコ教皇は82歳ということですが、お元気ですね。4日間の滞在で長崎、広島と足を運ばれ、東京ドームでは5万人のミサを行うというすごく過密スケジュールのようでした。

 第266代ローマ教皇、ローマカトリック教会のトップですから、世界の信者の崇拝を受け人気もあり、東京ドームの入場場面はまるでアイドルのコンサートのように感じられました。オフィシャルグッズも飛ぶように売れ、品切れ状態になり、SNSツイッターではフォロワー数は英語はもとよりアラビヤ語、フランス語など9言語で発信されその数は4900万人。トランプ大統領が5200万人ぐらいのようです。
 因みに自撮りにも気さくに応じて下さるそうです。

 こんな話をすると我住職も教皇のにわか信者かファンになったのかしらと思われるかもしれませんが、
ローマ教皇とは実は天台宗とも関係は深いんですよ。

 38年ぶりの来日、前回は1981年2月、昭和56年だったそうです。

 1981年、ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世が初めて来日し、日本の宗教代表者と懇談の折、我が宗祖伝教大師最澄上人のお言葉を引用され、
「宗教協力には、日本の偉大なる教師最澄の言葉を用いるならば、『己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり』の精神が最も大切である」と述べられたことに関係がはじまります。
 つまり、伝教大師の「忘己利他」という宗教的精神が万国共通のものであると同時に、宗教として大変意義ある教えであることを訴えて下さいました。

 そのお言葉を直にお聞きになって当時の山田惠諦253世天台座主猊下は「伝教大師のお名前とお言葉が出てきて、その時は感銘で体の震えがとまらなかった」と、申されていたということです。
 その後、山田座主猊下は、ヨハネパウロ2世が引用された伝教大師の「己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり」のご精神を世界中の人々に知っていただかなくてはならない、世界平和という世界の各宗教の共通する目標に向かって、宗教協力を一層推進しなければならないと、日本はもとより世界の宗教者を比叡山に招く計画を立てて発表されました。

 山田座主猊下は、伝教大師の開かれた比叡山こそ、世界の宗教者が宗教の垣根を越えて平和を祈るのにふさわしい場所であると考え「比叡山宗教サミット」開催を発願され、1987年8月4日、その実現を見ました。
 比叡山宗教サミット「世界平和祈りの集い」8月4日に行われ「祈ることから平和は始まる」を合言葉に世界の諸宗教代表者が比叡山へ集い、自らが信仰する宗教の垣根を越えて恒久平和実現のため共に祈りを現在も捧げています。

 山家学生式の中に
 「国宝とは何物ぞ、宝とは道心なり。道心ある人を名づけて国宝と為(な)す。 故に古人言(いわ)く、径寸十枚、これ国宝にあらず。一隅を照らす、これすなわち国宝なりと。
 古哲また言く、能く言て行うこと能わざるは国の師なり。能く行いて言うこと能わざるは国の用 なり。能く行い能く言うは国の宝なり。三品(さんぼん)の内、ただ言うこと能わず行うこと能わざるを 国の賊と為す。
 すなわち道心ある仏子、西には菩薩と称し、東には君子と号す。悪事を己に向かえ好事を他に与え、 己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり。」

 今回のローマ教皇の来日の中でお話になった言葉は、宗教の違いはあれどその根本精神は万国共通のものであることを改めて感じました。だからこそ心打つお言葉であったと思います。
 宗教の違いはあれどその目標とするところは同じだと思います。それぞれの立場で教えを守りお伝えしていきたいと思います。
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