天台宗 東明寺 たより

北九州市天台宗東明寺住職のおたより

心ほっこりいい話

2016-09-30 19:58:01 | 日記
これは9月28日の不動講にてお話しした内容の抜粋です。

今日は「心ほっこりいい話」をお聞き頂きたいと思います。そんなタイトルの番組コーナーを昨日めんたいワイドでやってましたので、拝借しました。


 ほぼ毎日車に乗りますが、ある日いつものように車を止めて降りようとした時に、ふと少し先を見ると大きなゴミ

袋が対向車線の真ん中に飛んで転がって落ちていました。台風の近づいた風の強い日でしたから、プラスチック

かペットボトルの袋だったと思います。対向車の進行を邪魔する位置に落ちていました。


 それを何気なく見ていると、その横を一人の登校中の中学生の男子が通り過ぎようとしていました。その時彼

は、ごく自然に歩道から車道に降りて、ゴミを拾って反対側の集積場に運んで、又元来た道に戻って登校して

行きました。


 思わず心の中で拍手を送りました。「ニヤリ・ホット」しました。


その時あなたならどうする?そのまま進行方向で走っていたら、やり過ごした思います。正直止まらなかったと思

います。対向車線を走っていたら・・・どうしたでしょうか?止まって降りてゴミを拾ったでしょうか?それとも

避けて走って行ったでしょうか?わかりません。自問自答しています。


 朝日新聞の天声人語の記事に、ある社会福祉法人の心得が紹介されていました。

 それは毎日の業務の中で、プラス面を職場の皆で共有することで、職場で忙しくても関係が良くなくても微笑み

合う余裕を取り戻そうとするものでした。


 「ヒヤリ・ハット」というと、事故を未然に防ぐための心得として、提唱されています。命を預かる医療現場や危険

な業種で特に気を付けられていることであったと思います。ハインリッヒの法則によれば、一件の重大なトラブル・

災害の裏には、29の軽微なミス、そして300件のヒヤリ・ハットがあるとされています。


 「ヒヤリ・ハット」の姿勢で注意深く心がけながら、同僚でも夫婦や親子でも一緒の時間を過ごせば心が和むよう

な出来事は訪れる。「ニヤリ・ホット」することを共有することは、距離が近くなるチャンスです。


 毎日が流れ作業のように過ぎると、感動はなくなりつまらないものになってしまいます。ですからこそ「ニヤリ・

ホット」の精神で日常のほんの小さな感動や微笑ましいこと嬉しいことを見出し、周りのみんなと共有し共感する

ことはとても大切なことだと思われます。


 一人の少年の行動が、一人のおじさんに感動を与えてくれました。その感動を皆さんと共有したくお話を聴いて頂きました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする