Tomotubby’s Travel Blog

Tomotubby と Pet の奇妙な旅 Blog。
でもホントに旅 Blog なんだろうか?

東京で味わう昔の東京 (墨田区横網, not 横綱)

2006-12-08 | 「東京で味わう」シリーズ
前回に続いて荒木さん、ただし今回はアラーキー、荒木経惟。

両国の東京都江戸東京博物館で、荒木経惟の写真家人生を振り返る大個展「東京人生」が開催されていることを知って行ってきました。近くの東京都現代美術館でやっている大竹伸朗 「全景 1955-2006」にも足を伸ばしたかったんですが、こちらの展示物の分量は4tトラック×25台=100t相当と凄まじく多く、観るのに時間がかかりそうなので断念、日を改めました。

Tomotubby が丸い黒サングラスと髭がトレードマークの荒木さんに初めて会ったのは高校時代、紀ノ国屋書店のサイン会においてですが、紙に名前と「写真家に一言」を書いて渡すと、荒木さんがサインとともにアドリブでいろんな絵を描いてくれるのでした。 Tomotubby の買った写真集には、荒木さんのサインと「アラキ・カルティエ=ブレッソン」と書かれた横に大きく、それはもう、親にも見せられないような凄いモノが描かれています。

展示会場の江戸東京博物館ですが、中へ入るのは今回が初めてです。建物の脇を何度か通ったことがありますが、建物のせいか突風が凄かったような記憶があります。建物は菊竹清訓のデザインですが、高床式というか、柱四本で上屋を支える構造が、四足の猪か豚のようなケモノを連想させます(そういえば来年の干支は猪)。これこそが日本有数の豚皮皮革工業地域のある墨田区のシンボル。という「黒い噂」も前に聞いたことがあります。先入観を持って見れば、展示会場に上がるエスカレータは、隅田川を向いた豚の下腹から垂れ下がる内臓のようにも見え、その切り口から赤い血が流れているようにも見えます。都市伝説?


両国駅プラットホームから見える威容

昔ながらの両国駅のすぐ近くに

でっかーい豚

腹の下にもぐると、向こうに見えるは両国国技館

脇腹から延びるエスカレータ

真紅の血が...

まず1階でチケットを買いましたが、企画展だとばかり思っていた荒木さんの「東京人生」展は常設展示の一部として開催されているようで、エレベータで6階に行くように言われました。荒木経惟の写真家人生自体が東京の歴史となったということみたい。常設展示場の5階6階が吹き抜けになっていました。建物の中に建物がある入れ子構造です。またしても。前に取り上げた「台場小香港」とも似ています。ここにこんな巨大空間があるとは思いもよりませんでした(展示品の搬入の方は大変だろうな)。

関東大震災で倒壊した浅草凌雲閣、通称十二階が再現されているのが興味深かったです。これは浅草に再建できないものでしょうか。石原都知事殿。あと個人的に面白かったのは、風船爆弾の展示。第二次戦争中に和紙と糊で作った気球に爆弾を載せて、ジェット気流でアメリカ大陸まで運んで爆撃し(ようとし)た日本軍の秘密兵器(アメリカ国内にはこの爆弾によって死んだ人がいるそうです)。陸軍登戸研究所(現・明治大学生田キャンパス)で開発され、当時の両国国技館において、学徒動員された女子学生により飛行テストが行われていたそうです。


高校生女子が人力車に乗ってはしゃいでました

浅草凌雲閣、和服姿の女性が現れて、なんだか大正時代にタイムスリップしたみたい

昔の東京の街をさ迷いながら、ようやく目的の写真展「東京人生」に辿り着きました。まあ、それも一興。



写真展は常設展示場へのリピーターの呼び込みが目的なんでしょうけど、「東京人生」の他にも荒木さんの写真の展示があって、これらが広い館内に散らばっているのが、わかりにくかったです。せめて案内図くらいくれないものか。Tomotubby は「中村座」のスペースで行われていた展示に気づかず、見損ねてしまいました。荒木さんの写真については次回に取り上げます。

つづく