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Tomotubby’s Travel Blog

Tomotubby と Pet の奇妙な旅 Blog。
でもホントに旅 Blog なんだろうか?

直島銭湯の「蛸と海女」

2010-01-19 | Japan 非日常生活 遠征篇
鶉屋さんのつぶやきの中に大竹伸朗が香川県の直島に作った銭湯「I♥湯」のことが出ていて反応してしまった。

直島は長年に亘って三菱の銅精錬所が島内最大の産業で、そこから排出された亜硫酸ガスで木は枯れて今なお殺伐としている。かつては釣り客以外に観光客が訪れるような場所ではなかった。唯一の例外は、建築学科の学生が町役場など石井和紘設計の建築を目当てに訪れるくらいだった。

ところが1980年代にベネッセがその地に美術館を作り「直島文化村」を謳う。その後、ベネッセの文化活動は美術館に収まらず、直島島内の至るところへ広がることになる。2004年には文化村は「ベネッセアートサイト直島」と名を改めており、今や直島は美術ファンの巡礼地と化した感がある。

大竹伸朗は1994年に「アウト・オブ・バウンズ 海景のなかの現代美術展」に90年に発表済みの「シップヤード・ワークス」を出展、これが美術館に収蔵されて以来、2001年のスタンダード展で「落合商店」、02年に個展、06年スタンダード展2で「はいしゃ」「舌上夢/ボッコン覗」と、直島を制作・発表の場としてきた。直島銭湯「I♥湯」もこの延長の仕事であるが、「落合商店」や「はいしゃ」が古民家を用いたのと違って、更地に銭湯を建設するというもの。つまり銭湯が丸ごと新作。

「I♥湯」の様子は、雑誌「papyrus」の2009年10月号で詳しく取り上げられていた。銭湯というとまず巨大な彩色ペンキ絵を思いつくが、大竹はその代わりに白地に藍色の描線の巨大な(4.4m×2.0m)タイル絵を描いた。題材はうれしいことに「海女」。直島は「龍宮玉取姫」伝説の舞台にも近いのである。女湯と男湯に海女を題材にした別の絵が描かれていて、一方には中央に「大蛸」が描かれている(海女より蛸が主役のようにも見える)。女湯と男湯は定期的に入れ替えられるので、両方を体験することもできるらしい。



さらにうれしいことにタイル絵の下のガラス張りの向こうは温室になっていて、百種を超えるサボテンと、百種を超える観葉植物が育てられている。(ということで、前回の記事とはサボテン繋がりでもある)

荒菅沢で諦める

2009-10-21 | Japan 非日常生活 遠征篇
荒菅沢に着いてから、ホテルで作ってもらったおにぎりを頬張りながら、雨飾山に登るか止めるか、ひとしきり考えました。結論は既に明白なのですが。結論づけるのを先送りにするのは悪い癖です。



おにぎりを食べ終えたところで既に時間は正午を迎えようとしていました。バス停を8時20分に出発したとして、食事時間を入れてここまで3時間40分もかかっています。バスの最終便16時52分に乗るべくバス停にたどり着くには、残すところあと4時間50分。仮に荒菅沢からバス停まで下りの復路に3時間をかけたとして、荒菅沢と山頂の往復は1時間50分で済まさなければなりません。この数字自体は無謀なものではないように思えるのですが、今日は特別です。登山客が多く、ロープや梯子を使って登る箇所もある山頂への道は大渋滞が予想されるのです。最終バスに乗り遅れるリスクを考えれば、登頂を諦めて、ここからもと来た道を戻った方がいいのでしょう。結論が出たところで、皮肉なことに空に晴れ間が見えてきて、今まで見えなかった雨飾山の頂が霧の中から浮かび上がってきました。

荒菅沢へ 霧の中の紅葉

2009-10-20 | Japan 非日常生活 遠征篇


雨飾山の登山道には登山口から頂上まで400m毎に「1/11」~「11/11」の標識が計11箇所につけられていて、時間配分に役立つのですが、「2/11」の標識がちょうど大海湿原が終わったところ、「3/11」が急な坂の半ばで遠くに滝が望めるところでした。最初の急坂を登りきると道は緩やかになり、高木のブナの集まった、広場のような「ブナ平」に着きます。ここが「4/11」の標識がある場所です。この辺りは天気がよければ木漏れ日が気持ちいいだろうな。と思いつつ、先を急ぎます。「ブナ平」からは、泥濘るんで歩きづらい坂を進みます。ブナは保水力の強い木と聞いたことがありますが、足元には苔や羊歯も目立ち、さもありなんと思いました。いくらか進むとブナ林を抜けて、尾根の突き当たりに出ました。この辺りが登山のちょうど中間地点になるのでしょうか。ここでいきなり視界が開けます。目の前は谷で、雨飾山を含めて山々の頂は霧に霞んでいるのですが、それはもう紅葉が見事でありました。しばらくここで眺めに見惚れていました。待てども霧が晴れて頂が見えるどころか、霧はどんどん立ち込めていきます。



谷には水が流れているのが見え、そこが話に聞いていた荒菅沢(あらすげざわ)であることが判りました。多くの登山客が沢べりで休憩しています。時計を見ると既に11時を回っており、恐らくお弁当を開いている人も多いでしょう。ひとまず荒菅沢に向かうことにしました。沢に下りる途中で「6/11」の標識を見つけました。

果たして雨飾山登頂はできるんだろうか?

2009-10-19 | Japan 非日常生活 遠征篇
雨飾山には小谷村営バスに乗って向かうことにしました。このバスは、JR南小谷駅と雨飾荘の間を一日6往復するもので所要は41分。終点の雨飾荘の一つ手前には、小谷温泉山田旅館という効能あらたかな湯の湧く歴史ある温泉宿があり、バスは専らこの宿への足として利用されているようでした。

朝7時40分南小谷駅発の始発便に乗り、終点の雨飾荘バス停に着いたのが8時21分。この時間は登山をするには、必ずしも早い時間ではありません。雨飾山に限って言えば、既に遅すぎるくらいなのです。なにしろ終点のバス停から登山口までは舗装道路のなだらかな上り坂が続いており、1時間足らずも歩かなければならないのです。登山口から山頂までの所要時間を3時間と見積もっても、バス停からは片道4時間、山頂での滞在を極力少なくしても往復8時間もかかってしまいます。つまり8時20分にヨーイドンで、8時間後にゴールインしたらとしたら16時20分。これに対してバスの最終便が16時52分と、時間に余裕がないのです。

登山口から50mくらい続いた大海湿原を抜けて、午前10時前、小雨がぱらつく中、最初の急坂を登り始めました。雨飾山はところどころ急坂が続く箇所があり、昨日雨が降ったのか足元に露出した粘土が泥濘るんでいて登りにくかったです (それ以上に下りにくいのですが)。ここで早くも下山する登山者と鉢合わせしました。細い山道で下山者と遭遇する場合、どちらかが道の脇に寄って道を譲らないといけません。こちらから立ち止まって山頂の様子を聞いてみました。

彼らは早朝より新潟県糸魚川側から登って来たそうですが、雨飾山頂は雪が舞い、かなり寒かったらしいです。よって、すぐさま長野県側に向かって下山を始めたそうです。今日は連休の中日ということもあり年配のグループ登山者が多く、頂上からの下山途上ではそのようなグループとすれ違うことばかりで、下山には予想外に時間がかかってしまったそうです。この話を聞いた際に、私は頂上まで登りきるのは容易ではないことを思い知りました。グループ登山では他にも、山道に長い行列ができ、ペースの一番遅い人がグループのみならず後続者の進行の律速になるケースもよくあります。ドラム、バッファ、ロープ...

一週間前の雨飾山での事件

2009-10-15 | Japan 非日常生活 遠征篇
世田谷区下馬5丁目26-23で元・財務大臣の中川昭一氏が不遇の死を遂げた頃、そんなことが起こっているとは露知らず、私は同区上馬2丁目38-10でタコ料理を食べていた。ここまでは前回書いたが、続きがある。

翌日、TVをつけると中川氏のことで持ちきりだった。死因のこと、朦朧会見のこと、鈴木宗男との確執のこと... このニュースの陰に隠れてあまり報じられなかったのは、同日、現・宮内庁式部官長原口幸市氏が登山中に死亡したというニュースだった。偶然にも北朝鮮拉致問題に絡んで尽力されたお二人が相次いで亡くなられたわけなのだが、私は原口氏のニュースを聞いて「ぎょっ」とした。原口氏のことではない。彼が登山をして死に至った山が「雨飾山」だったことだ。

「雨飾山(あまかざりやま)」は新潟県糸魚川市と長野県北安曇郡小谷村の県境にある標高 1963mの山で、深田久弥氏の選んだ日本百名山の一つにも数えられる登山ファンには人気の山。実は、私が紅葉の盛りが過ぎた「栂池自然園」の代わりに目的地として目星をつけたのが、何を隠そうこの雨飾山だったのである...

Abstract Sunset Clouds

2009-10-13 | Japan 非日常生活 遠征篇


白馬駅からバスを乗り継いで着いたのは栂池高原でした。流石に高原だけあって、夕方になるとかなり寒いです。栂池には、大学生のときにスキー旅行で来て以来ですが、雪がないと印象が全く異なり、別の街に来たようです。この連休が終わると、スキーシーズンまでオフシーズンに入るらしく、観光客が去った後の街は閑散としていて、営業していない店やホテルも多く、正直かなり寂しく感じられます。



夕食までに時間があったので、厚着してホテルの屋上に出てみました。高い建物がないせいか、空が広く感じられます。北アルプスの山々は影になり、雲が淡いオレンジもしくはピンクに染まって、そこにセピア色の暗い雲がかかって、抽象画のような風情になっています。先日観た松本陽子さんの絵を思わせます。



雲の写真を縦にすると、どことなく抽象表現主義の画家、マーク・ロスコの初期の作品のようにも見えます。夕焼けが綺麗だと、翌日は晴れといいますが、暗雲がかかっているので雨が降るのかもしれません。とにかく晴れるといいなっ。

誤算!栂池自然園で落葉始まる

2009-10-12 | Japan 非日常生活 遠征篇
写真はバスの終点、見ての通り、JR大糸線白馬駅。白馬岳は「しろうまだけ」なのに、こちらは「はくばえき」と読むのかややこしい。

以下、おまけ

白馬に乗る将軍様。動画があったはずだけど、見当たらない。

白馬村近辺にはなぜか焼肉料理店が多いような気がした。そういえば韓国版「花より男子」に出演した新人女優チャン・ジャヨン(張子妍)が自殺して、彼女に性接待を強要していた事務所社長が逃亡先の日本で潜伏していたのが白馬村のペンションだった。彼は逮捕されて強制送還されたが、容疑は立証できず不起訴となったらしい。

実は、今回の旅行の目的地は、当初の予定では「栂池自然園」なのでした。昨年の三連休にJR主催の「駅からハイキング」というイベントに参加して志賀高原に紅葉を観に行ったのですが、そのとき同時に栂池高原を訪れるコースもあって、栂池自然園の写真が載せられていたのでした。秋晴れの下、雄大な北アルプスを背景に、赤(ナナカマド)・黄(ダケカンバ)・緑(オオシラビソ)に染まる湿原の贅沢な色づかい。よぉし、来年はここに行くぞぉ。と決意して早くからホテルを、それもアルプスの見える部屋を予約していたのでした。

ところが大誤算でした。連休の天気予報はまずまずというのに、今年の栂池自然園の紅葉は昨年より色づくのが一週間以上早く、連休前にして見頃は過ぎて落ち始めているそうなのです。背景の白馬三山は頭に雪を頂き、自然園の湿原にまで雪が降ったそうなのです。ホテルの窓から見える景色が雪のアルプスというのもまたオツなものなんですが...

よって宿泊地はそのままにして、目的地を急遽大幅に変更することにしました。うまくいくのか、ちと心配。

おまけ
ホテルでテレビを見ていたら「イサン」という韓国のTVドラマの主演男優が「イ・ソジン」という「うがい薬」のような名前で笑ってしまった。

長野駅、三時だけど虹

2009-10-10 | Japan 非日常生活 遠征篇
長野駅に着いたら3時15分前だった。これから乗るバスは3時発なので、速やかに乗り換えなければならない。が、こんなときに限って駅で「信州デスティネーションキャンペーン」のイベントをやっておるではないか。人集りができているのは、音楽隊が昭和の懐メロを演奏しているのだった。私としては、新登場のユルキャラ、かぶりものをした緑の熊「アルクマ」のかぶりものを一目見てみたいところだが、そんなことをしてはいられない。バス停に急がねば。あと10分。バスは去年も乗ったからバス停には一直線に行けた。だがしかし、乗るバスが見つからない。おねえさんに聞いたところ、そのバスの乗り場は駅の反対側らしい。時間がない。再び楽隊の前を素通りして、東口の一番遠い乗り場にバスを発見。3時ジャスト。空には虹が出ていた。

以下、画像追加

「アルクマ」 かぶりものはリンゴに限らない。



「緑の熊」というと、↓こういうのを思い出すのだった。



因みに「あるく熊」というと、↓こういうのだ。