
お店で貰った日本語のちらしに書かれていた内容を転載。
「猫鼠麺」の秘密
「猫鼠麺」は彰化の名物料理である。この麺が初めて作られたのは1921年のことであった。考案者の陳木栄はネズミ年生まれで、体が小さく動作がすばしこかったので「子ネズミ」と呼ばれていた。麺を売って生活するようになると、その麺は「鼠麺」と呼ばれた。その後、台湾語で「鼠」を意味する言葉と「猫鼠」を意味する言葉が同じなので、「猫鼠麺」と呼ばれるようになった。「猫鼠麺」の三代目の伝承者陳汝権は、先人が苦心の末に麺を考案したことに思いを馳せ、熱心に麺づくりに取り組んだ。そして「正統な猫鼠麺」の商標を登録して、「猫鼠麺」を提供するのは台湾全土で自分だけであり、他に支店は一切ないことを懸命にアピールした。
「猫鼠麺」はスープ入りの麺で、伝統的な担仔麺(ダンツーメン)の仲間である。柔らかく平らな麺に、豚からだしを取ったスープと肉そぼろを加える。「猫鼠麺」の深い味わいは、食べた人の脳裏からいつまでも離れない。その秘密は念入りに煮詰めてつくるスープにある。陳汝権は、豚足を細かく刻んで火の通った鍋で揚げ、そこに扁魚、ネギ、しょう油などを加えて2時間煮詰め、さらにネギやニンニク、ハマグリからだしをとったスープなどの調味料を加えて1時間煮詰め、独特のスープと肉そぼろを完成させる。もう一つの秘密は火加減だ。スープと肉そぽろは、煮詰めれば煮詰めるほど美味しくなる。味は濃厚だけれども油っぽくなく、とても美味しくて香りが爽やかだ。陳汝権は、伝統的なやり方を守りながら、猫鼠麺、ビーフン、肉そぼろごはん、豚足、そして手作りの「三宝」-「鶏巻」(豚肉と野菜の湯葉巻き揚げ)、「蝦丸」(えび団子)、「香丸」(シイタケ入り団子)-などバラエティーに富んだメニューを提供している。中でも豚足はかなり人気がある。これはまさに祖先伝来の秘伝が詰まった料理だ。まず豚足を熱湯に浸して温めてから、サトウキビを底に敷いた陶器の鍋に移し、ネギ、ニンニク、黒糖、しょう油などの調味料を加えて、火加減に注意しながら3時間煮詰めてようやく完成する。色は赤くて明るく、表面はサクサクして中の肉は滑らかで、香りが良くさっぱりとした美味しさだ。
「猫鼠麺」は彰化を代表する庶民の料理であり、ユニークな味わいがある。長い年月にわたってたくさんの人がこの麺を口にする中で、次第に人々のうわさにのぼり、あちこちに名声が広まっていったのである。
(翻訳 顧雅文教授)

屋外の気温は既に25℃を超えているというのに、後で入店した男性が防寒着を着こんでいる。確かに夜間はかなり冷え込む。バイクに乗っている人は皆このような格好をしていた。