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Tomotubby’s Travel Blog

Tomotubby と Pet の奇妙な旅 Blog。
でもホントに旅 Blog なんだろうか?

二つのマティス美術館 (Cambresis & Nice)

2004-10-21 | Henri Matisse 特集
マティスのコレクションを質量共に所有している美術館を三つ上げるとすれば、今回上野での展覧会に出展された作品のうちの多くを持つパリのポンピドゥーセンター・国立近代美術館、ニューヨーク近代美術館(MOMA)、サンクトペテルスブルクのエルミタージュ美術館になると思います。

これらに比べると規模は小さく、コレクションの数も少ないのですが、フランスに二ヶ所、特徴ある「マティス美術館」が、マティスゆかりの地にあります。

ひとつは、マティス生誕の地、パリの北方に位置するカンブレジの町外れ (村はずれと言った方がいいかも) にあります。所蔵作品はマティスが町に寄贈したものが中心で、3年前、これらを用いて、軽井沢メルシャン美術館において企画展が行なわれました。

もうひとつの美術館はマティスの愛した南仏コートダジュール、ニースの高台にあります。マティスは1917年以降、冬をニースで過ごすようになり、1920年代は「ニース時代」と呼ばれています。地中海を望むホテルの室内や、「オダリスク」の題で裸婦を描くのがこの時期です。

フランス国内に限れば、ポンピドゥーセンター、ニース、カンブレジが、マティスの三大コレクションではないかと思います。


カトー=カンブレジのマティス美術館のリーフレット

リーフレットの館内の写真で、奥に見える絵は、タヒチ島パペーテの海を描いた「タヒチⅡ」ですが、この絵のヴァージョンといえる「タヒチの窓」という絵がニースの方のマティス美術館にもあります。また前方の裸婦坐像は、(今、上野に来ている)フィラデルフィア美術館にあるものと同型の彫刻です。

マティスの「ルーマニアのブラウス」が秋田にあった!!

2004-10-20 | Henri Matisse 特集
一番好きなマティスの作品はどれですか?と聞かれたら、Tomotubby は迷わず、パリ4区のポンピドゥーセンター・国立近代美術館に常設展示されている「ルーマニアのブラウス」と答えます。どんな絵かというと、下のような絵です。


パリの「ルーマニアのブラウス」

マティスの絵は、観る人を幸せにしてくれます。戦争や病気のときでさえ、マティスは観る人の気分を暗くするような絵は一枚たりとも描かなかったのです。そして古今東西数ある芸術作品の中で、この絵ほどTomotubby を幸せな気分にしてくれる絵はないのです。赤いバックに映える模様入りの、お姫様が着るような白いブラウス、そして青いスカート、素朴な表情、しなやかな指の曲線。

夜間も開館しているポンピドゥーセンターに暗くなってから行って、誰もいない展示室でこの絵を30分くらい眺めていたこともあります。その場を立ち去るときは、もう二度と彼女に会えないかもしれない。と、とても寂しい気持ちになります。

だが、しかし、今、はるばるパリまで出かけなくとも、東京でこの絵が見れるのです。上野の国立西洋美術館に、彼女は来ているのです。



Tomotubby は、別の機会に友人に頼んで、写真撮影禁止のポンピドゥーセンターで、「ルーマニアのブラウス」と一緒に写真を写してもらいました。目敏い係員の人に見つかって「Non Photo SVP」とか言われてひどく怒られましたが、いい記念になりました(大混雑の上野では到底無理でしょう)。

何年か前に、この写真を知人に見せたところ「私、秋田でこの絵を見たことがある」とのたまうのです。「そんな、馬鹿な...」Tomotubby は、国内で行われたマティスの展覧会のカタログは殆ど、以下のように、生まれる前のものまで古本屋さんで手に入れて持っています。

2004年 マティス展 Processus/Variations (国立西洋美術館)
2000~01年 ル・カトー=カンブレジ、マティス美術館コレクション マティス、その原点 (メルシャン軽井沢美術館~兵庫県立近代美術館)
2000~01年 アンリ・マティス マティスとモデルたち(東武美術館~北九州市立美術館~山形美術館~高松市美術館)
1996年 コーン・コレクション展(伊勢丹美術館~大阪市立美術館)
1994年 バーンズ・コレクション展(国立西洋美術館)
1993年 特集展示マティス(ブリヂストン美術館)
1991年 マチス展(新宿・伊勢丹美術館~山口県立美術館~心斎橋・大丸アート・ミュージアム~横浜・そごう美術館)
1987~88年 マチス展(名古屋市美術館~ひろしま美術館~笠間日動美術館)
1981年 マチス展(東京国立近代美術館~京都国立近代美術館)
1951年 アンリ・マチス展(東京国立博物館表慶館)

Tomotubby の記憶が正しければ「ルーマニアのブラウス」は、それまでに日本では未公開の筈です(1997年、木場の現代美術館に来ていたそうです)。そして、県全体で人口百万人そこそこの文化後進地域(失礼)の秋田において、マティスの展覧会が開かれたことなど聞いたことはありません。しかし、知人は「確かに県立美術館で見たことがある」それも「何回も見た」と言い張るのでした。

ずっとこのことが気になっていた Tomotubby に秋田へ行く機会が訪れました。何の因果か、2月の連休、鉛色の空、積雪の中を何度もこけそうになり、平野政吉美術館(昔の県立近代美術館)に向かいました。あまり期待していなかったのですが、藤田嗣治のコレクションは一見の価値ありでした。

確かに美術館の3階の片隅に「ルーマニアのブラウス」はありました。どんな絵かというと、下のような絵です。


秋田の「ルーマニアのブラウス」

しかし、パリで見たものとは明らかに色が違います。色褪せているというか、まるでボール紙に描いた絵のようなのです。ま、まさか贋作。しかし贋作にしては、色がひどすぎる。いくら文化後進県といえど、だまされている秋田県人が可愛そう。ん なわけはなく、リトグラフ(版画)だったのでありました。(秋田県人さん、ごめんなさい)

マティス展 (国立西洋美術館)

2004-09-25 | Henri Matisse 特集
先日、上野の国立西洋美術館で始まった「マティス展」に行ってきました。パリのポンピドゥーセンターのコレクションが中心で、国内で行なわれる大規模な「マティス展」としては、国立近代美術館で20年以上前に行なわれたもの以来だそうです。今回興味深かったのは、画家の作品がよくある年代順に並べられていなかった点です。作品どうしを関連づけ、同じ主題で描かれた異なる技法の作品を並べてみたり、絵画の仕上がるまでの試行錯誤のプロセスを示してみたりしてありました。縦横無尽のアプローチで、ある意味、マティス展・上級篇、マティス・ファンのための展覧会という感じでした。今まで気づかなかった新しいマティスを発見して、 Tomotubby は、改めてマティスの芸術に対する真摯な姿勢を感じました。会期中、もう一度見に行こうと思っています。

マティス展、たのしみ♪

2004-01-12 | Henri Matisse 特集
Tomotubbyはマティスの絵が大好きなので、東京のブリヂストン美術館、茨城の笠間美術館、京都の近代美術館、岡山の大原美術館、鹿児島の岩崎美術館など国内で名作が見られる美術館はあらかた詣でました。
最近、国内でピカソやゴッホの大規模な展覧会が頻繁にあるのに対して、マティスの展覧会は軽井沢メルシャン美術館や池袋の今はなき東武美術館で小規模なものがあったくらいです。あとは上野で開かれたMoMA展のような企画展の会場で(「ダンス」のような)いくつかの絵にお目にかかった程度で、Tomotubbyは年々フラストレーションが溜まっていくのでした。
そういうこともあって、自分で楽しむことを第一目的に、ホムぺでマティス仮想美術館というのを始めました。要は世界の有名どころの美術館でマティスの絵を公開してるところにリンクを貼って、見たい名作を一覧できるようにしたわけです。

お正月に帰省して、実家で購読している読売新聞を見たところ、びっくり。今年の秋(9月10日~12月12日)に上野の西洋美術館で「マティス展」が開催されるとのことです。今年はマティス没後50年、国立美術館での展覧会の開催ははなんと1981年以来23年ぶりらしいです。

実は1994年の初め、つまりちょうど10年前に、西洋美術館でバーンズ・コレクション展があり、未公開のマティスの名作をいくつも見ることができました。この展覧会は印象派の名画がたくさん出展されたこともあって物凄い人気で、開館前から人が並び出し、美術館の前から延びた人の列は、とぐろを巻いて、不忍池まで続いていました(MoMA展終了間近のときも凄かったけど、バーンズ展ほどではなかったでした)。当時、Tomotubbyはこの展覧会を見るためにはるばる上野まで出てきて、そのうえ列に並んで3時間以上も待つはめになりました。正午を過ぎても入場できず、お腹が空いてきたのですが、前後に列に並んでいた自称絵描きのおねえさんと、制服を着た高校生のおねえさんから、お菓子を分けてもらい、楽しくお喋りしたのを覚えています。

東京でバーンズ・コレクション展の開催された一年前に、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で史上最大のマティス回顧展が開かれています。この美術館のマティス・コレクションだけでも世界有数なのに(実際、これを見たとき、Tomotubbyは身震いしたのを覚えています)、その上に世界中から絵が集められ、出展作品は400を超えたそうです。入場するのに時間指定の入場券が必要で、わざわざニューヨークに見に行った人が、満員御礼で入館できず涙を呑んだという話まで聞きました。おそらく世界中からマティスのファンが集まったのでしょう。その規模と人気がうかがい知れます。
Tomotubbyに若しタイムマシンがあれば、1992年のクリスマスにニューヨークに行って、ゆっくり一日かけてこの展覧会を見て、ついでに一度も上らなかった、在りし日の貿易センタービルに上ってきたいと思います。

MoMAで最大規模のマティス展が開かれた後、同じ展覧会がパリのポンピドゥー・センター(国立近代美術館)などにも巡回するという噂が広まりました。ひょっとすると日本にも来るかもしれないという噂まで広まりました。勿論ほんのごく一部の美術ファンの間でですが。
MoMAでの展覧会は冬休みを挟んでいたのですが、受験勉強などが忙しいうえに、旅行資金がなくてニューヨークに行けなかった日本のファンが、これを受けて狂喜した?ともいいます。勿論ほんのごく一部でしょうが、少なくとも年端も行かない Tomotubby は生意気にもその一人でした。
しかし同時に、MoMAでの展覧会が終わって展示された絵はその持ち主に戻されました。このような大規模な展覧会は二度と行われないでしょう。という記事が雑誌に載ったりして、Tomotubby をひどく落胆させました。

そんなある日、Tomotubby は家で購読していた日経新聞の夕刊に、ポンピドゥー・センターでマティス展が開催されるという記事を発見しました(やったー)。しかし出展作品は数ではニューヨーク展には遥かに及ばず、総数で130程度で、(ニース時代以前の)初期作品に絞った充実した展示とも書いてありました(なーんだ、MoMAの1/3かよー)。今度は会期中にゴールデン・ウィークが含まれていることもTomotubby はチェックしました。そして、実現可能性はさておいて、心は既にマティスの待つパリへ飛んでいるのでした。

マティス仮想美術館

2004-01-11 | Henri Matisse 特集
Tomotubby's room からマティスの仮想美術館を移転しました。メンテナンス、サボってたら、リンク切れが結構あります。少しずつ回復させますので、御容赦ください。



Blue Pot and Lemon (1897)Oil on canvas 39x46.5 cmThe State Hermitage Museum
Dishes and Fruit Oil on canvas (1901)51x61.5 cmThe State Hermitage Museum
A Glimpse of Notre Dame in the Late Afternoon (1902)Oil on paper mounted on canvas 72.5 x 54.5 cm (28 1/2 x 21 1/2 in)Albright-Knox Art Gallery Buffalo NY
Carmelina (1903)Oil on canvas 32 x 23 1/4 in (81.3 x 59.0 cm)Museum of Fine Arts Boston
Open Window Collioure (1905)National Gallery of Art Washington
Green Stripe (Madame Matisse)(1905)Oil and tempera on canvas 40.5 x 32.5 cm (15 7/8 x 12 7/8 in)Royal Museum of Fine Arts Copenhagen
Promenade among the Olive Trees (1905-1906)Oil on canvas; 17 1/2 x 21 3/4 in (44.5 x 55.2 cm)Metropolitan Museum of Art New York
The Joy of Life (1905-06)Oil on canvas 175 x 241 cm (69 1/8 x 94 7/8 in)Barnes Foundation Merion PA
Flowers in a Pitcher (1906)Canvas 21 1/2 x 18 inBarnes Foundation Merion PA Photograph by Charalambos Amvrosiou
Boy with Butterfly Net (1906)Oil on canvas 69 3/4 x 45 15/16 in (177.17 x 116.68 cm)Minneapolis Institute of Arts Minnesota
Vase Bottle and Fruit (1906)Oil on canvas 73x92 cmThe State Hermitage Museum
Bouquet (Vase with Two Handles) (1907)Oil on canvas 74x61 cmThe State Hermitage Museum
Madras Rouge (The Red Madras Headress) (1907)Oil on canvas 99.4 x 80.5 cm (39 1/8 x 31 3/4 in)Barnes Foundation Merion PA
Nude. Study (1908)Oil on canvas 60.5x50 cmThe State Hermitage Museum
The Red Room (Harmony in Red) (1908)Oil on canvas 180.5x221 cmThe State Hermitage Museum
A Game of Bowls (1908)Oil on canvas. 115x147 cmThe State Hermitage Museum
Dance (first version) (1909)Oil on canvas 8' 6 1/2 x 12' 9 1/2 (259.7 x 390.1 cm)Museum of Modern Art New York
Still Life with Blue Tablecloth (1909)Oil on canvas 88.5x116 cmThe State Hermitage Museum
The Dance (1909~1910)Oil on canvas 260x391 cmThe State Hermitage Museum
Music (1910)Oil on canvas 260x389 cmThe State Hermitage Museum
Nasturtiums with the Painting Dance (1912)Oil on canvas; H. 75-1/2 W. 45-3/8 in. (191.8 x 115.3 cm)Metropolitan Museum of Art New York
The Moroccan Amido (1912)Oil on canvas 146.5x61.3 cmThe State Hermitage Museum
Bouquet of Flowers on a Veranda (1912)Oil on canvas. 146x97 cmThe State Hermitage Museum
Seated Riffian (1912~1913)Oil on canvas 200 x 160 cm (78 3/4 x 63 in)Barnes Foundation Merion PA
Arab Coffeehouse (1913)Size colours on canvas 176x210 cmThe State Hermitage Museum
Apples (1916)Oil on canvas 116.9 x 88.9 cmThe Art Institute of Chicago
Bathers by a River (1909 1913 and 1916)Oil on canvas 259.7 x 389.9 cmArt Institute of Chicago
The Italian Woman (1916)Oil on canvas 45 15/16 x 35 1/4 inSolomon R. Guggenheim Museum New York
The Music Lesson (1917)Oil on canvas 244.7 x 200.7 cm (96 3/8 x 79 in)Barnes Foundation Merion PA
Seated Figure Tan Room (1918)16 x 13 inBarnes Foundation Merion PA Photograph by Charalambos Amvrosiou
White Plumes (1918)Oil on canvas 28 1/2 x 23 1/8 in (72.39 x 58.74 cm)Minneapolis Institute of Arts Minnesota
Two Figures Reclining in a Landscape (1921)15 x 18 3/8 inBarnes Foundation Merion PA Photograph by Charalambos Amvrosiou
Ballerina (1927)Oil on canvas 65x50 cmThe State Hermitage Museum
Woman with Blue Bodice (1935)Oil on canvas 46.0×33.0cm
Purple Robe and Anemones (1937)Cone Collection Baltimore Museum of Art
La Poesy (1938)Iwasaki Museum Ibusuki
La Musique (1939)Oil on canvas 115.2 x 115.2 cm (45 3/8 x 45 3/8 in)Albright-Knox Art Gallery Buffalo NY
Two Girls in a Yellow and Red Interior (1947)Oil on canvas 61 x 49.8 cm (24 x 19 3/8 in)Barnes Foundation Merion PA
Icarus (1947)Color pochoir; Image: 16-1/2 x 10-1/2 inches (41.9 x 26.cm)Sheet: 16-1/2 x 25.2 inches (41.9 x 64 cm)Metropolitan Museum of Art New York