アイデアル

日曜に女房と出かけたとき、梅雨どきの雨をあまく見たのがいけなかった。

駅に降り立ったすぐあと、にわかに暗くなったかと思ったらポツポツと降り出してきた。幸いなことに駅近くに100円ショップがあり、そこで傘を調達することに。100円ショップとはいえ傘の種類も豊富だ。

ビニール傘の透明なものだけを想像していたが、赤に黄色、青、それに折り畳み傘まである。

どう考えても100円では作れないものばかりだが、海外の工場で大量生産されたものであろう。
同じ青の傘を2本買って気がつく、先端が私のは金属、女房のは青のプラスチック。

友人夫婦に後ろから冷やかされた「あら、おそろいね～♪」

いえいえおそろいではないのですよ、微妙に違うのですよ、と傘の先端を見せてあげた。

ひとむかしの透明ビニール傘は、粉がふってありビニールがくっつかないようになっていたが時間を置くと効果もなく厄介なものでした。
最近はビニールの質が違うのだろう、くっつくこともなくなった。100円傘とはいえ品質は確実に上がっている。

ところで傘のメーカー、アイデアルが9日に倒産した。ピーク時の売り上げが24億円、最近は5億円まで落ち込んでいたらしい。
傘が使い捨てのジャンルに入ってから久しく、時代の流れから取り残されてしまったのだろうか。

（植木等の何である～）アイデアルの記憶を引き継ぐものとしてはちょっぴり悲しい。

あまりにも安く手に入るものは、非常に低く評価される。すべて高価でありさえすれば、価値を持つことになる。
トーマス・ペイン　「コモンセンス」