スーパーマーケットに花が咲き

スーパーの　フロア

響きわたる

店内の　あちら　こちらから


“　いらっしゃいませ　”　“　いらっしゃいませ　”　“　いらっしゃいませ　”

“　ありがとうございました　”　“　ありがとうございました　”　“　ありがとうございました　”

と

リズムよく　コダマする

明るく　聞こえる　その　声は

まるで

花びらが　ぱっと　ぱっと　一個づつ

開いていく　ようだよ


ひとつ　ひとつの

その声の　出どころを　確かめる

カタチの違う　たくさんの

あなたから

生まれていたのですね


聞こえる声のなか

あなたの　輝きが　のっていて

わたしのハートまで　届いたよ


リズムの　声の風　心地よく

スーパーの中を

漂って

愛の音を　奏でてる

水と日差しをうけとって

空の下


枯れたような　道にある草


水を　あげる


やわらかな　日差しを　注いで


ゆっくりと　みてるから


ほ～ら　もう　だいじょうぶ


新しい　芽よ　


すくすくと　出ておいで


土の　下には


大きな　太い　ねっこが


隠れてた


かたい土で　見えなかったね


みつけたから


だいじょうぶ


ずっと　きみ　待ってたんだよ


もっと　もっと


澄んだ　お水と　やわらかな　温か日差し


もらってね


からからの　きみ


ぐんぐんと　吸い込んで


大きく　大きく


なるんだよ

シャボンの香り

誇り　高く　


愛に　咲き乱れる　草花


たくさんの　シャボンのような


細かな光を放つ


鈴の音が


あたりに　ふわり漂うの


やわらかな　泡たちが


プチン　プチンと　われていき


愛の香りに　包まれる


やわらかな　ハート


ほら　よろこんで


たちまちに


自然に　ひとつに


なっている

広がるきみ

一本　一本


絡まることなく


整然といる　きみたち


じーーっと　みて


おどろいたんだ


一枚　一枚　の


存在感が


とても　素敵で


おどろくよ


深い色に　とろけちゃう


壁に　へばりつく


不思議な　きみ


表面から　


光を　受け取り


ほそい葉脈を　とおして　


水を　吸いこんで


輝きを　増す


どんどんと　


増している


みずみずしい　エネルギーが


気持ちよく


広がって


みどり色に　もっと　もっと


広がって

見てくれよ

風が 吹いて


倒れたんだ


なぜって 向かい風が


辛かったんだ


なにか おかしいか


その 姿


隠す必要が あるのか


堂々と


倒れてやる


情けない姿を


見てくれよ


何も 言わず


目を そらさずに


しっかりと


見てくれよ

わたぼうし

なんのとりえも無い


わたぼうし


そこに　なぜ


いるのかい


薄茶色の　きみ


ちいさな　ふわふわが


染みてくる


目の中に


目の奥に


ささやかな　愛が


じーん　とくる


おなじ　愛


だからさ


じーん　としちゃうね

光

高い樹木の中


風に揺れ


零れてくる


きみが　あったかい


きらきらと　眩しいきみ


隙間から　


ぼくをみて


スマイルカーテン


なびいてる


肌にふれる　きみ


どこに居たって


隠れた　つもりでも


ぼくから


離れない


離れられない


きみの色に


なるだけだ

緑の愛

ひと休みの雨空の


隙間から


ピカリと光が　覗いてる


やわらかな　眼差しに


うっとり


たくさんの雨たちを


根っこから


ぐんぐんと　すい込んだ


葉っぱクン


中央分離のブロックは


きゅうくつだよと


にょきにょきと　のびていて


生きている


うすい葉脈から


きみの　息が聞こえるよ


強く


たくましく


いのちの葉っぱ


きみは　優しいね


ぼくは　きみが


大好きだよ


両手を広げて　光る空へ


緑の愛を


おくってる

しわしわの花

風に　ゆらゆらと揺られ


咲いてる花が　しぼんでる


昨日　会ったとき


ぼくを　きらきらと見ていたね


微笑んで　いたのだけれど


しわしわに　なっちゃった


きみは　とても美しい


ちゃんと　見ているよ


あふれる　光る　エネルギー


ずっと　送り続けてる


強かった　きみの優しさ


弱い　儚い　愛おしい


今のきみ


風にのり　ほわんと光る


ぼくの中に


溶けてった

輝く草に

ｇｒｅｅｎ に輝く　


ちいさな　草に　なるとき


優しい大きな　空さんや


朗らかにっこり　太陽さんに


さわやか楽しい　風さんが


ぼくを　必ず　見てくれる


よかったな　草くんで


うれしいな　草に生まれて


誰にも


なににも


邪魔されず


これから　起きていくことさえ


気にすることは


ないのだから


空の広さに　包まれて


太陽のあったかさに　包まれて


風のさわやかさに　包まれて


ただ　ただ


包まれているだけ


だから　ぼくは　


キラリ輝く　草に


なるよ