快読日記

日々の読書記録

「レジより愛をこめて~レジノ星子~」曽根富美子

2015年03月21日 | 漫画とそれに関するもの
《☆☆ 3/12読了 講談社 2015年刊 【漫画】 そね・ふみこ》

曽根富美子がスーパーのレジ打ちをしているってことより、仕事がない、持ち込みがみんなボツになってるっていうことに愕然とした。
だって、曽根富美子だよ!!
どんだけ名作を書いてると思ってるんだ!
そこらへんの愚にもつかない漫画家ならともかく、こういう人が仕事できないなんて、どういうことだ!
なんだか嫌になる。

気を取り直して内容を紹介すると、計算や段取りといった実務的な能力がいまひとつ(そこがおもしろいんですが)な当人と、周りのパートたちの仕事に対する打ち込みっぷりにはちょっと胸を打たれました。
どんな職業でも真剣に取り組んで、技術を磨き、経験を積んでいくと、イキイキと働ける。
当たり前といえばそれまでですが、その大事なことをたまに忘れちゃう自分を思い出す。

スーパーに来るお客さんたちに接しながら彼らの人生に思いを馳せ、そして自身を省みて、“私は私だ。私だって幸せだ。”とかみしめるような場面がちらちらとあって、激しく共感してしまいました。

ギャグっぽい作品のせいか、絵柄も今までと違っていて、それはそれで新鮮でした。
でも、やっぱり本業で活躍してほしいよー!
新作読みたいです。

/「レジより愛をこめて~レジノ星子~」曽根富美子