私は、行政機関に「○○さんがいますか?」と電話することがある。その応対には、以下のように返答されることが多い。
①○○さんは、不在です。
②○○さんは、出張で不在です。
③○○さんは、休暇で不在です。
④○○さんは、リモートワークで不在です。
⑤○○さんは、会議中で不在です。
⑥○○さんは、いま接客中です。
⑦○○さんは、他の電話に出ていますので、又、電話をください。
⑧○○さんは外勤中で夕方に戻る予定ですので、又、電話ください。
私はいつも思うのであるが、①~⑥の返答は非正規職員の人が多いのではないだろうか。私が期待しているのは⑦や⑧の対応であるが、私たち住民には、「正規職員」と「非正規職員」の区別は出来ないのである。従って、行政機関の職員は、サービス精神を持ってやらなければならないのである。
「市役所職員の給料を上げてくれ !」と、地域住民はいうそうである。2007年に財政破綻した夕張市のことである。税収8億円に対して、借入返済額は26億円。歴史上、世界のどの国も体験したことがない人口減少時代に突入した日本は、約40年後には、4,600万人もの人口が減る厳しい未来が待っているので、自治体職員には、「ためらい、たらいまわし、他人事」を改めてもらいたいと思っている。
憲法第十四条には、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」と書かれている。
住民にとって自治体職員は、教育・福祉・警察などの分野と現業部門を除くと、ほとんどその姿を実際に見る機会がない。そのために一人の対応の職員像が、あたかも全員の職員像にされることが多い。
多くの自治体職員が地域社会の公益のために努力を重ね、高い貢献をして来たにもかかわらず、住民からは決して高い評価を与えられていない。むしろ何かあれば、すべてが行政の責任として批判されることが多い。自治体職員の立場から見れば、それはどこか不条理で公平性を欠いており、真面目な職員ほど無力感になりやすい状況になっているのではないだろうか。
しかし、住民の側に立ってみれば、世界が目まぐるしく変化し仕事や生活の環境が激変している中で、本当に税金の納めがいのある地方行政であるか否かは切実な問題である。住民の視点からみれば、自治体職員は単に従来の事務を忠実に処理するだけではなく、社会の変化に対応する行政のあり方を積極的に追求することが求められているのである。
今後の自治体行政は、自治体そのものが合併で姿を消したり、公務員としての身分が流動化したり、自治体行政の公共性が民間委託に置き換わるなど、現実化する可能性が強い。日本は借金大国であるので、公務員のあるべき姿が問われているのである。
「十勝の活性化を考える会」会員