“プライド”とは、誇りや自尊心のことである。ただ、自分には良いプライドと悪いプライドがある。悪いプライドとはプライドと呼べないものであり、早く捨てた方が人生を楽しく過ごすことができると思う。
人生は楽しまなければ損だし、苦しむために生きるなんて無意味だと思う。どうせ生きるなら、どうせ仕事をしなければならないならば、楽しく生き楽しく仕事をすべきだと思う。
身体障害者になって思うのであるが、仕事ができるということは幸せなことである。仕事は楽しいものではなく、生きていくためにどうしてもやらねばならないものだろう。ただ、どうせやらねばならないならば、楽しくやった方が良いし、その方が業績も上がるだろう。
知人に財務省の官僚だった人がいる。彼は50歳の時に脳出血を罹患しタダの人になったが、それからがすごい。彼は誇りと尊厳をもって人間らしく、自分らしく生きられる社会を創り出したいと考え活動している。すなわち、身障者の立場からの気づきにより、人間らしい人生を歩みはじめているのである。
人間は、知行合一でなければならないのである。知行合一とは、知識と行為は一体であること、本当の知識は実践を伴わなければいけないということである。そして人間は、体力、知力、行動力を持つことだろう。頭でっかちではいけないし、行動力も必要だろう。もちろん、その前提としての知識も必要で、何事もバランスが大切ということだろう。
だから、“晴天を衝け”の渋沢栄一や坂本龍馬のように、良知の人にならなければならない。良い組織や良い国を作るためには、良いリーダーに恵まれることが必要である。アメリカで言えば、リンカーンやケネディー大統領、南アフリカでは若くして反アパルトヘイト運動に身を投じたマンデラ大統領が当たるだろう。
現在の日本に良いリーダーが出てきてくれるのを期待するのは、私だけではないだろう。3年前、当時の夕張市長“現北海道知事 鈴木直道氏”の講演を帯広畜産大学で聞いたことがある。彼はいろいろと事情があり苦学生であったが、法政大学二部を卒業し東京都庁に入っている。夕張市役所の時には、東京都庁時代に比べて給料が半分に減っただろう。彼が道民に慕われるのは、苦労人で下から目線で物事を見るからである。
新型コロナ禍にあって政治家には、“国民のための政治”をしてもらいたい。そして公僕には、良いプライドを持って仕事をしてもらいたい。どんな仕事にも役割というものがあるので、各自が粛々と役割を発揮すれば、新型コロナ禍の克服は可能であると思っている。
「十勝の活性化を考える会」会員