最近、道端にレコード落ちてないねぇ

最近は道端でレコードを拾うことはなくなった。

だいぶ前は粗大ごみとしてレコードが通りに落ちていた。
だいたいワラダメジなんだけど。

30年前くらいの新婚時代に、根津界隈で呑んで帰る途中、根津一丁目交差点を上野桜木方面に向かい緩やかな坂道を歩いていると、重そうな荷物を運んでいる上品なおばあちゃんとすれ違う。
すれ違いざま持っていた段ボールを落としてしまったので、拾って運ぶのを手伝ってあげた。
落とした拍子にガムテープが剥がれてLPレコードの束が見えた。
おばあちゃんと話をすると、夜のうちに粗大ごみを出そうと運んでいるとのこと。
酔っていたのでおばあちゃんに、「そのレコード捨てるならいただけますか？」と聞くと、
「どうぞどうぞお持ちください。でも重いですよ。あとひと箱あるし」。「松任谷由実とかニューミュージックが好きで。あとは普通の歌謡曲よ。お兄さんの趣味じゃないでしょうけど。でも、今聞いても素敵な曲多いのよ。」
家まで近いし、当時はジム通いもしていたのでトレーニングがてら段ボール2箱抱えて持ち帰った。
家で段ボールを開けると、荒井由実時代からのユーミンがコンプリート。大貫妙子も、山下達郎も結構あったな。でもキャンディーズやアグネスチャンとか要らない歌謡曲もいっぱい。
今でも大切に聴いている。
それから同じタイトルを何枚も抜き続けているので、もはやどれがおばあちゃんに貰ったレコードなのか見分けがつかないけど(笑)。

東京は栃木の田舎と違って良いレコードが落ちている。
今となっては栃木のほうがいい和モノが東京よりも眠っていることも多い。


でも、ここ10年くらいは道端に落ちてるレコードを拾ったことが無い。


今でも粗大ごみの日にはゴミ置き場をついつい見てしまう。
自転車屋の「サイクル」の看板に反応して、リサイクルショップかと思い2度見したりする癖も未だに治らない。

そんな乞食のようなもの欲しそうな眼付きで、デスクワークをこなし就業。


外呑みしない日は決まって白菜と豚肉の鍋。蟹クリームコロッケも忘れない。
会社帰りに食材とチューハイを買いに近所のスーパーに。

隣接のブックオフ宇都宮今泉店も覗いてみる。


ジャンクとともに夢も無くなった売り場をペラペラ。

●荒井由実【12月の雨】EP
クズレコの中でキラッと光った。
山下達郎と大貫妙子がコーラスで参加している。
ブログ冒頭で書いた根津で会った上品なおばあちゃんを思い出した。


家に帰る途中、いつものホームレスおばあちゃんが、自販機のおつりを漁っていた。
俺と同じ目をしていた。