2024年 6月版 Top500 が公開
今回意外だったのはORNL/HPE (Cray)/AMDのEl Capitanが登場しなかったことで、それ以外は実に順当な結果となった。ただ、ランキング自体は順当なものの話題はAI(という言葉は漠然としているので機械学習とか深層学習という言葉の方が適切に思えるが…)に話題を攫われているので、HPL(High-Performance Linpack)の存在意義がより一層怪しく感じられる気もするが…
今回のランキングでは、恐らく動作周波数を落としているという意味ではフルスペックではないが、ANL/Intel/HPEのAuroraが2023年11月のランキングから約2倍に構成を拡大して(ハードウェア構成的には)フルスペックでのランクインとなった。下の表はTop500からノード数・CPU数・GPU数を逆算して纏めたものだが、ノード数・CPU数・GPU数が昨年Intelが2023年5月に発表していた予定の構成と一致していることが判る(参考)。
HPC | Nodes | Total CPU | Total GPU | Rmax (PFlop/s) | Rpeak (PFlop/s) | Rmax/Rpeak |
---|---|---|---|---|---|---|
Frontier (2023.11) | 8,631 | 17,262 | 34,524 | 1,194.00 | 1,679.82 | 71.08 % |
Frontier (2024.06) | 8,631 | 17,262 | 34,524 | 1,206.00 | 1,714.81 | 70.33 % |
Aurora (2023.11) | 5,439 | 10,878 | 32,634 | 585.34 | 1,059.33 | 55.26 % |
Aurora (2024.05) | 10,624 | 21,248 | 63,744 | 1,012.00 | 1,980.01 | 51.11 % |
Aurora (Planned) | 10,624 | 21,248 | 63,744 | ? | 2,069.19 | ? |
今回の結果は、Argonne National LaboratoryとIntelとしてはある意味で予定通りだったのではと勘ぐってしまう。国民の税金を5億ドル費やしたフラッグシップHPCの一台でFP64精度で2 EFLOPS超を公約していたシステム・初登場時1位を獲るべきシステムが(とはいえIntelが遅延による違約金3億ドルを支払ったで実質2億ドル+2年超の遅延だが…)、実際には2024年に登場し2年前に登場した6億ドル・1.2 EFLOPSのシステムに及ばないなどというのは冗談でも笑えないからで、だからこそ、あえて50%程度の不完全な構成で2023年11月に登場させ、批難を分散させたのではないか?という推測は穿った見方が過ぎるだろうか。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます