助手 「日産デイズと三菱のeKワゴンが新しくなりましたね。」
所長 「みたいじゃな。まだ写真でしか見とらんが。」
助手 「日産が開発して三菱が製造ってコトになって、プラットフォーム、エンジン、CVTまですべて新規でつくったみたいですね。」
所長 「ま、三菱の財政状況じゃったら、とても刷新出来んかったじゃろうし、良かったんじゃないか。日産にしてもいつまでも昔の三菱の使いまわしじゃ軽に参入した意味がないしの。」
助手 「でしょうね。ただせっかく新しくつくったのに、これと言って競合相手に対してアドバンテージが感じられないのが残念な感じですね。」
所長 「うーん、難しいところじゃな。」
助手 「諸元を調べてみたんですが、排気量やサイズの決まってる軽の場合、室内のサイズをどこまで広げられるかと、車両重量を軽く、出力、トルクを上げて、あとやっぱり燃費ですね。それと装備と価格なんかが重要になってくると思うんですけど、どれも何とかライバルに追いついたって感じで、正直言って最新型でこれなら、ライバルが進化すればすぐに置いていかれるような気がするんですけどね。」
所長 「ま、今の軽は行くトコまで行っとる気がするし、そんなに大幅に進化させるコトは難しいんじゃないかのぉ。それにダイハツにしてもスズキにしても長年積み上げてきたモンじゃし、そう簡単にひっくり返せるとは思えんがの。」
助手 「でもその状況を見事にひっくり返したのがホンダのNボックスじゃないですか。燃費や価格なんかの不利な点もありますけど、室内の広さとパワフルなエンジン、コンパクトカーと比べても遜色ない乗り味と品質、装備、あとデザインの良さですかね、すっかり軽のスタンダートとして日本の景色を塗り替えてしまいましたしね。」
所長 「まぁ、そうなんじゃけど、Nボックスにしても簡単につくれたワケじゃないじゃろ。トゥデイで軽自動車に復活してから、ライフやゼストなんかで散々苦汁を味わって、ようやく作り出せたモンじゃろうしの。」
助手 「まぁ、そうですね。」
所長 「ま、今の日産と三菱で出来るコトと言ったら、やっぱりプロパイロットとかeパワーの採用なんじゃないかのぉ。」
助手 「プロパイロットは採用されましたね。軽にまでいるかって意見もありますけど、強力な武器には違いないですからね。」
所長 「ワシはどうかと思うが、これからの時代はこういう装備が販売を左右するようになるんじゃろうな。」
助手 「ですね。eパワーについては設定はありませんけど、もし追加されるようなコトがあったら、一気に勢力図を書き換える可能性がありますよね。ノートの例もありますし。」
所長 「日産、三菱と言ったらどっちも電気自動車にチカラを入れとるメーカーじゃし、今後の展開として期待は出来るかもしれんの。ま、i-MiEVみたいに普及する価格にはまらんかったらダメなんじゃが。」
助手 「言えてますね。あとデザインですけど、どう思います。」
所長 「うーん、先代のデイズ/eKワゴンのデザインの方がよかったように思えるの。」
助手 「ですよね。新しいのは背の高さを消化できてないように思えるんですよ。特にフロントのライトが薄いんでやたらとライトの下が間延びして見ますし。」
所長 「サイドのラインも先代の方が明確で上手かったと思うの。」
助手 「フローティングさせたリアピラーの処理もありきたりな感じがしますしね。正直、一から開発したにしては期待外れもいいトコですね。」
所長 「その中で評価できるのが、三菱のeKクロスじゃな。」
助手 「デリカD:5ばりの電気シェーバー顔ですね。」
所長 「ワシは好きじゃないんじゃが、正直、やられたって思ったわ。」
助手 「どういう意味です。」
所長 「eKクロスの顔を見たあとに日産のハイウェイスターを見たら、標準車かと見紛うぐらい個性を感じられんじゃろ。」
助手 「確かに、ハイウェイスターは今どきのカスタムのギラギラした顔つきに比べたら大人しく感じますよね。でもあれは日産の共通のVモーショングリルですからね。」
所長 「今の市場の反応を見る限り、あのVモーショングリルを標準顔にして、ハイウェイスターはもっと個性的な顔にした方がよかったと思うんじゃ。」
助手 「確かにそんな気がしますね。」
所長 「その点、三菱は上手いコトやったと思うんじゃ。先にデリカで世間の注目を集めておいて、eKクロスにつなげるなんて今までの三菱からしたら考えられんほどの策士ぶりじゃ。」
助手 「デリカのマイチェンにはびっくりしましたよね。まさかデリカにあのギラギラ顔を採用するなんて愚行をよく承認されたモンだと思います。」
所長 「確かにデリカがこれまで辿ってきた歴史を考えても、あの顔はないわな。」
助手 「ですよね。デリカと言ったら世界でも類を見ない、多人数乗車のオフローダーじゃないですか。買ってるユーザーもあんなアルファードみたいなオラオラ顔なんて誰も望んでませんよ。」
所長 「じゃからこそ、ダイナミックシールドのミニバンへの転用としてあの顔のインパクトはデカいんじゃ。」
助手 「どういうコトですか。」
所長 「考えてもみい、今のデリカが出たのっていつじゃ。欲しいモンはとっくに買っとるじゃろ。中には現行モデルから現行モデルに乗り替えとるモンもおるらしいしの。」
助手 「だからこそデリカのユーザーを大事にしないといけないんじゃないですか。」
所長 「三菱の台所事情がよかったら、とっくにモデルチェンジさせとるクルマじゃ。その長いモデルレンジの最後にパァっと派手に羽目を外すのもアリじゃと思うんじゃ。間違ってアルファードなんかのユーザーが拾えるかもしれんしの。」
助手 「いやいやそれはないと思いますよ。」
所長 「ま、デリカに関しては消費者の目を引かせれば成功じゃと思うんじゃ。前のまま販売しとっても台数はしれとるんじゃし、ダメもとで変えてもリスクは少ないじゃろ。それをどう他のクルマに展開していくかってコトになるんじゃが、eKクロスを見とる限り、デリカが変わったときほどの嫌悪感は感じんし、これならアリって気になるんじゃないかのぉ。」
助手 「うーん、確かにデリカよりもeKクロスが先に発売されていたら、あの顔を見てもっと嫌悪感があったかもしれませんね。リスクの少ないデリカで耐性を付けて本命のeKクロスって流れの今回は大成功かもしれませんね。」
所長 「じゃろ。しかしあの縦型のヘッドライトは反則じゃと思うんじゃが。」
助手 「反則ですか。」
所長 「クルマのデザインを顔に見立てる必要はないんじゃが、目のあるべきトコになかって、頬っぺたに目が付いとるって感じじゃろ。」
助手 「上のポジションランプが目って感じですよね。でも日産のジュークのライトも似たような感じでしたけどね。」
所長 「ポジションランプからグリルに一体感があるのに、ヘッドライトはそこから完全に外れとるじゃろ。見ててなんか落ち着かんのじゃが。ま、それもそのうち見慣れてくるのかもしれんが。」
助手 「かもしれませんね。」
所長 「けど日産のデイズより面白いのは間違いないし、ここは三菱の販売に期待じゃな。」
助手 「ですね。あと先代の燃費偽装や日産のゴーン会長の逮捕とここんトコ、逆風が吹いてますけど販売への影響が気になりますね。」
所長 「ゴーンさんが逮捕されてからもノートの販売は絶好調じゃし、今のところあんまり影響は感じんの。元々、外国からやって来た社長にいい感情は持っとらんかったじゃろうし、今回の件でかえって日産に同情票が集まる結果になっとるのかもしれんの。」
参考資料
日産DAYZ(日産自動車株式会社)
三菱 eKワゴン(三菱自動車工業株式会社)
三菱eKクロス(三菱自動車工業株式会社)
三菱デリカD:5(三菱自動車工業株式会社)
日産デイズ(轟クルマ文化研究所)
所長 「みたいじゃな。まだ写真でしか見とらんが。」
助手 「日産が開発して三菱が製造ってコトになって、プラットフォーム、エンジン、CVTまですべて新規でつくったみたいですね。」
所長 「ま、三菱の財政状況じゃったら、とても刷新出来んかったじゃろうし、良かったんじゃないか。日産にしてもいつまでも昔の三菱の使いまわしじゃ軽に参入した意味がないしの。」
助手 「でしょうね。ただせっかく新しくつくったのに、これと言って競合相手に対してアドバンテージが感じられないのが残念な感じですね。」
所長 「うーん、難しいところじゃな。」
助手 「諸元を調べてみたんですが、排気量やサイズの決まってる軽の場合、室内のサイズをどこまで広げられるかと、車両重量を軽く、出力、トルクを上げて、あとやっぱり燃費ですね。それと装備と価格なんかが重要になってくると思うんですけど、どれも何とかライバルに追いついたって感じで、正直言って最新型でこれなら、ライバルが進化すればすぐに置いていかれるような気がするんですけどね。」
所長 「ま、今の軽は行くトコまで行っとる気がするし、そんなに大幅に進化させるコトは難しいんじゃないかのぉ。それにダイハツにしてもスズキにしても長年積み上げてきたモンじゃし、そう簡単にひっくり返せるとは思えんがの。」
助手 「でもその状況を見事にひっくり返したのがホンダのNボックスじゃないですか。燃費や価格なんかの不利な点もありますけど、室内の広さとパワフルなエンジン、コンパクトカーと比べても遜色ない乗り味と品質、装備、あとデザインの良さですかね、すっかり軽のスタンダートとして日本の景色を塗り替えてしまいましたしね。」
所長 「まぁ、そうなんじゃけど、Nボックスにしても簡単につくれたワケじゃないじゃろ。トゥデイで軽自動車に復活してから、ライフやゼストなんかで散々苦汁を味わって、ようやく作り出せたモンじゃろうしの。」
助手 「まぁ、そうですね。」
所長 「ま、今の日産と三菱で出来るコトと言ったら、やっぱりプロパイロットとかeパワーの採用なんじゃないかのぉ。」
助手 「プロパイロットは採用されましたね。軽にまでいるかって意見もありますけど、強力な武器には違いないですからね。」
所長 「ワシはどうかと思うが、これからの時代はこういう装備が販売を左右するようになるんじゃろうな。」
助手 「ですね。eパワーについては設定はありませんけど、もし追加されるようなコトがあったら、一気に勢力図を書き換える可能性がありますよね。ノートの例もありますし。」
所長 「日産、三菱と言ったらどっちも電気自動車にチカラを入れとるメーカーじゃし、今後の展開として期待は出来るかもしれんの。ま、i-MiEVみたいに普及する価格にはまらんかったらダメなんじゃが。」
助手 「言えてますね。あとデザインですけど、どう思います。」
所長 「うーん、先代のデイズ/eKワゴンのデザインの方がよかったように思えるの。」
助手 「ですよね。新しいのは背の高さを消化できてないように思えるんですよ。特にフロントのライトが薄いんでやたらとライトの下が間延びして見ますし。」
所長 「サイドのラインも先代の方が明確で上手かったと思うの。」
助手 「フローティングさせたリアピラーの処理もありきたりな感じがしますしね。正直、一から開発したにしては期待外れもいいトコですね。」
所長 「その中で評価できるのが、三菱のeKクロスじゃな。」
助手 「デリカD:5ばりの電気シェーバー顔ですね。」
所長 「ワシは好きじゃないんじゃが、正直、やられたって思ったわ。」
助手 「どういう意味です。」
所長 「eKクロスの顔を見たあとに日産のハイウェイスターを見たら、標準車かと見紛うぐらい個性を感じられんじゃろ。」
助手 「確かに、ハイウェイスターは今どきのカスタムのギラギラした顔つきに比べたら大人しく感じますよね。でもあれは日産の共通のVモーショングリルですからね。」
所長 「今の市場の反応を見る限り、あのVモーショングリルを標準顔にして、ハイウェイスターはもっと個性的な顔にした方がよかったと思うんじゃ。」
助手 「確かにそんな気がしますね。」
所長 「その点、三菱は上手いコトやったと思うんじゃ。先にデリカで世間の注目を集めておいて、eKクロスにつなげるなんて今までの三菱からしたら考えられんほどの策士ぶりじゃ。」
助手 「デリカのマイチェンにはびっくりしましたよね。まさかデリカにあのギラギラ顔を採用するなんて愚行をよく承認されたモンだと思います。」
所長 「確かにデリカがこれまで辿ってきた歴史を考えても、あの顔はないわな。」
助手 「ですよね。デリカと言ったら世界でも類を見ない、多人数乗車のオフローダーじゃないですか。買ってるユーザーもあんなアルファードみたいなオラオラ顔なんて誰も望んでませんよ。」
所長 「じゃからこそ、ダイナミックシールドのミニバンへの転用としてあの顔のインパクトはデカいんじゃ。」
助手 「どういうコトですか。」
所長 「考えてもみい、今のデリカが出たのっていつじゃ。欲しいモンはとっくに買っとるじゃろ。中には現行モデルから現行モデルに乗り替えとるモンもおるらしいしの。」
助手 「だからこそデリカのユーザーを大事にしないといけないんじゃないですか。」
所長 「三菱の台所事情がよかったら、とっくにモデルチェンジさせとるクルマじゃ。その長いモデルレンジの最後にパァっと派手に羽目を外すのもアリじゃと思うんじゃ。間違ってアルファードなんかのユーザーが拾えるかもしれんしの。」
助手 「いやいやそれはないと思いますよ。」
所長 「ま、デリカに関しては消費者の目を引かせれば成功じゃと思うんじゃ。前のまま販売しとっても台数はしれとるんじゃし、ダメもとで変えてもリスクは少ないじゃろ。それをどう他のクルマに展開していくかってコトになるんじゃが、eKクロスを見とる限り、デリカが変わったときほどの嫌悪感は感じんし、これならアリって気になるんじゃないかのぉ。」
助手 「うーん、確かにデリカよりもeKクロスが先に発売されていたら、あの顔を見てもっと嫌悪感があったかもしれませんね。リスクの少ないデリカで耐性を付けて本命のeKクロスって流れの今回は大成功かもしれませんね。」
所長 「じゃろ。しかしあの縦型のヘッドライトは反則じゃと思うんじゃが。」
助手 「反則ですか。」
所長 「クルマのデザインを顔に見立てる必要はないんじゃが、目のあるべきトコになかって、頬っぺたに目が付いとるって感じじゃろ。」
助手 「上のポジションランプが目って感じですよね。でも日産のジュークのライトも似たような感じでしたけどね。」
所長 「ポジションランプからグリルに一体感があるのに、ヘッドライトはそこから完全に外れとるじゃろ。見ててなんか落ち着かんのじゃが。ま、それもそのうち見慣れてくるのかもしれんが。」
助手 「かもしれませんね。」
所長 「けど日産のデイズより面白いのは間違いないし、ここは三菱の販売に期待じゃな。」
助手 「ですね。あと先代の燃費偽装や日産のゴーン会長の逮捕とここんトコ、逆風が吹いてますけど販売への影響が気になりますね。」
所長 「ゴーンさんが逮捕されてからもノートの販売は絶好調じゃし、今のところあんまり影響は感じんの。元々、外国からやって来た社長にいい感情は持っとらんかったじゃろうし、今回の件でかえって日産に同情票が集まる結果になっとるのかもしれんの。」
参考資料
日産DAYZ(日産自動車株式会社)
三菱 eKワゴン(三菱自動車工業株式会社)
三菱eKクロス(三菱自動車工業株式会社)
三菱デリカD:5(三菱自動車工業株式会社)
日産デイズ(轟クルマ文化研究所)
軽自動車が世界で売れるようになったら、面白いんですが、各国・各メーカーの思惑が交差して、現在の軽自動車とは違うモノになりそうな気も。
ガラパゴスと言っても毎年のように台数を増やしていますし、これはこれでいいのかもしれませんね。
日本も世界もハッピーだと思うけどなあ
いつまでも、こんなガラパゴスやっててもジリ貧でしょうに
eKクロスがいいというより、デイズハイウェイスターが酷すぎるような気もしますが。
初代eKワゴン、いいですよね。いつの時代もああいうシンプルなクルマは売れると思うんですが、数を追うと今のように似たようなのばっかりになってしまうんでしょうね。
初代ekみたいなプレーンなものは受け入れられない時代だと思うとちと寂しいきもしますが。