アウディ Q5

所長　「またアウディから新しいのが出たようじゃな。」

助手　「えーと、どれのことですかね。」

所長　「ほらっ、Q5とかいうクロスオーバーじゃ。そんなこともわからんでよくワシの助手が務まるのぉ。」

助手　「いやいやもちろん知ってますよ。ただタイミング的にA5のスポーツバックかも、と思っただけです。」

所長　「そう言えば、そんなのも出たらしいの。」

助手　「本国の発売が9月ということですし、まだ出てるわけでもないんですけどね。」

所長　「それにしてもここんトコ、アウディの新車攻勢は凄まじいモンがあるのぉ。ホンの十数年前は80/90と100/200のふた型しかなかったのにな。」

助手　「言えてますね。ま、そのお陰で毎年毎年売上げも伸び続けてますし、戦略としては大成功なんでしょうね。」

所長　「ま、成功かどうかはこの不況を乗り切ってからじゃないとなんとも言えんけどな。」

助手　「かつてのマツダのように急激な拡大路線で失敗した例もありますしね。」

所長　「ま、マツダのようにおんなじクラスに似たようなクルマを何台も投入しとるわけじゃないけどな。」

助手　「そうですね。で、何の話でしたっけ、・・・あっ、そうそうQ5でしたね。」

所長　「Q7の弟版というか、A4のSUVって感じじゃな。」

助手　「そんな感じですね。アウディらしくスマートにまとめてきましたね。」

所長　「じゃな。」

助手　「その分、A4のアバントやオールロードクワトロなんかとキャラクターがカブってるような気もしますけど。」

所長　「うーん、どうなんじゃろう。ベンツのGLKやX3は結構泥臭い格好をしとるんじゃが、正直この手のクルマを買う層のニーズはどっちよりなんじゃろうな。アウディとしては都会的なイメージで行きたいんじゃろうけど。」

助手　「でもそうなるとSUVの魅力を訴えにくくなるんじゃないですかね。やっぱりこの手のクルマに求めるのはSUVならではワイルドなところだと思いますけどね。」

所長　「もしくはスカイラインのクロスオーバーやマツダのCX-7のようにスポーツカーっぽいクルマにするか、じゃな。」

助手　「その方がアウディの持ち味を出せるかもしれませんね。」

所長　「どうじゃろうな。最近はスポーツカーも積極的にやっとるようじゃけど、多くのヒトにとってアウディのイメージってやっぱり端正なフォルムのセダンやワゴンなんじゃと思うんじゃが。」

助手　「それは、そうかもしれませんね。」

所長　「そう考えると今度のQ5って意外にアウディの真骨頂なんじゃないかと思えるんじゃ。」

助手　「真骨頂、ですか。」

所長　「アウディって、ラリーに最初に四駆を持ち込んだメーカーだということは知っとるじゃろ。」

助手　「もちろん知ってますよ。アウディと言えばクワトロでしょ。」

所長　「じゃな。で、そのクワトロシステムを武器にして、ベンツやBMWに匹敵するプレミアムメーカーとしての地位を確立してきたんじゃ。」

助手　「ですね。」

所長　「で、ここんとこの流行で各メーカーからSUVやクロスオーバーがどんどん増殖しとるんじゃが、最初は北米向けが中心じゃったらデカいクラスじゃったわけじゃ。そこにアウディが投入したのがQ7じゃな。」

助手　「トゥアレグやカイエンの兄弟車ですね。」

所長　「で、その流行が世界各地に広まって小さいクラスの需要が出てきたんじゃ。」

助手　「はい。」

所長　「で、満を持して投入したのがQ5なわけじゃ。」

助手　「それはわかりますけど、どうして真骨頂なんですか。」

所長　「ん、そんなモン決まっとるじゃろ。アウディの得意とするクワトロを中心にして、アウディの最多量販が望めるA4のクラスじゃし、それにクロスオーバーじゃったらアウディのスタイリッシュなフォルムがそのまま生かせるじゃろうが。」

助手　「あっ、そうですね。」

所長　「言ってみればこのクラスってアウディのためにあるようなモンじゃろ。」

助手　「それは言い過ぎでしょ。」

所長　「そうかぁ。ワシに言わせれば今までアウディがこの手のクルマを出しとらんかった方が不思議なくらいじゃ。」

助手　「うーん・・・。」

所長　「ま、出た時期が悪いかったんじゃが、このクルマ、ひょっとすると大化けするかもしれんぞ。」

助手　「確かにアウディの要素が全部詰まってますしね。A4のアバントよりも支持されるかもしれませんね。」

所長　「それどころか、アウディの大黒柱がA4からQ5に移るような気がするんじゃが。」

助手　「いくらなんでもそれはないと思いますけどね。」


参考資料
アウディ Q5（アウディ ジャパン 株式会社）
アウディ A4（轟クルマ文化研究所）
アウディ A5スポーツバック（『goo自動車&バイク』エヌ・ティ・ティ レゾナント株式会社）

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