
助手 「プジョーのRCZの発売がいよいよ日本でも始まりましたね。」
所長 「ディーラーに飾ってあるのを見掛けたわ。」
助手 「なかなかカッコいいですよね。」
所長 「じゃな。コンパクトなトコも、スポーツカーらしいデザインもいいのぉ。」
助手 「やっぱり。」
所長 「何がやっぱりなんじゃ。」
助手 「ほらっ、先月プジョーの3008の話をしたときとおんなじコトを言ってるじゃないですか。やっぱりあのとき、RCZの話だと思ってたんでしょ。」
所長 「うん、・・・そうじゃったかのぉ、よぉ覚えとらんが。」
助手 「あのときすでに発表されてましたし、無理もありませんけどね。で、RCZですけど、プジョーで始めて数字以外の名前を付けたクルマだというコトですけど、やっぱり特別な存在だと言うコトなんでしょうね。」
所長 「手法としてはアウディのTTと一緒なんじゃろ。前にも言うたと思うんじゃが、TTはA3をベースにしとるんじゃが、A3クーペとかR3を名乗るよりTTとした方が、車格にとらわれんで済むじゃろ。RCZもコンセプトカーのときは、308RCZと言う名前じゃったんじゃが、それじゃと308の1バリエーションとして見られてしまうし、安っぽくうつるんじゃろうな。」
助手 「そうですね。RCZとしたお陰で純然たるスポーツカーに見えますよね。」
所長 「そういうことじゃ。」
助手 「それにしても日本では壊滅状態の軽量スポーツですけど、向こうでは需要があるんですね。」
所長 「どうなんじゃろうな。ユーノスロードスターが出たあと、各社から出とったんじゃが、残ったのっていわゆるプレミアム・ブランドばっかりじゃろ。」
助手 「そうですね。本家のマツダ以外では、安い価格で楽しめるクルマって、すっかりなくなりましたよね。」
所長 「金持ちの道楽ぐらいにしか需要がないんじゃろうな。」
助手 「これ一台で何もかもこなすのは、厳しそうですし、そうなるとセカンドカーが持てるヒトに限定されてしまいますしね。」
所長 「昔みたいに他を我慢してでも買いたいってモンもおらんのじゃろうな。」
助手 「でもここにきて、フォルクスワーゲンからシロッコが出て、プジョーからRCZ、あとホンダのCR-Zと比較的安いクルマが相次いで出てきましたよね。」
所長 「CR-Zはともかく、400万近くもするクルマが安いとは思わんがの。」
助手 「いや、だからあくまでも比較的ですけどね。これまでベンツやBMW、アウディなんかの独断場だった市場が大衆メーカーにまで広がってきたのはいい傾向だと思いますけど。」
所長 「うーん、需要が広がってきたというのは違うような気がするんじゃがな。単にワーゲンやプジョーがプレミアム・ブランドの市場にちょっと安いクルマで参入しようとしとるだけじゃと思うぞ。」
助手 「そうかもしれませんけど、今までなかったのが出てきたわけですし、売れれば広がっていくんじゃないでしょうかね。広がればもっと安い価格帯のモノも期待出来るんじゃないですか。」
所長 「どうじゃろうな。ワシは今の流れのままでは広がらんような気がするんじゃが。」
助手 「どういうことですか。」
所長 「従来の価値観でのスポーツカーでは難しいと思うんじゃ。」
助手 「・・・・。」
所長 「モノには順序というモンがあるんじゃ。この手のクルマって生活する上で必要なモンじゃないじゃろ。付加価値に魅力を感じんと選んで貰えんわけじゃ。」
助手 「確かに今は走りよりも燃費に意識がいってますよね。でもライトウエイトだったら燃費には有利なんじゃないですか。」
所長 「燃費よりも一台で何でもこなそうという志向の方が問題じゃと思うんじゃ。」
助手 「そういうことですか。確かにミニバンやクロスオーバーのような一台何役でもこなせる便利なクルマが売れてますよね。」
所長 「じゃろ。そんな中で大人ふたりと手荷物しか乗れんようなクルマ、誰が買うんじゃ。複数所有出来るモンしか買えんのが現実じゃろ。」
助手 「・・・結局金持ち向けのセカンドカーにしか活路がないというコトですか。」
所長 「そうとも限らんと思うぞ。例えばハイブリッドカーのプリウスや日産のEVのリーフとか新しいクルマが出てきはじめたじゃろ。これからこの手のクルマが広がっていくじゃろ。」
助手 「でしょうね。」
所長 「どれも燃費や航続距離を稼ぐために極力無駄を省いたクルマじゃし、ミニバンやクロスオーバーのような多用途性は望めんけど、よく売れとるじゃろ。」
助手 「リーフはまだ何とも言えませんけど、プリウスに関してはその通りですよね。」
所長 「燃費がいいとか、新しさを感じる、という売りがあれば、狭いクルマでも売れるというコトじゃろ。」
助手 「ですね。」
所長 「その需要が増えれば増えるほど、ミニバンやクロスオーバーじゃなくっても問題ない、というヒトが増えとるということになるわな。」
助手 「ですね。」
所長 「そこでじゃ、燃費のいいハイブリッドやEVばっかりになってくると、今度は違うモンを求めるモンが出てくるんじゃ。もちろんまたミニバンやクロスオーバーのような多用途にいく可能性もあるんじゃが、デザインや走って楽しめるクルマを求める層が出てきてもおかしくはないんじゃないか。」
助手 「うーん、どうでしょうね。」
所長 「プリウスやリーフって格好がいいと思うか。あんなのばっかりが走っとるトコをじゃな、スポーツカーが颯爽と走り抜けると、さぞかし格好よく見えると思うんじゃが。」
助手 「それは所長の好みの問題でしょ。」
所長 「そんなことないと思うぞ。例えば、懸命に働いて金持ちになるより、いまある金でどれだけ精神的に豊かな暮らしが出来るか、という考え方をするモンが増えてきとるそうじゃ。それをクルマに当てはめれば、見栄をはるための高級ブランドや大排気量の高性能車、使いもせん3列シートやオフロード性能なんかより、使いきれる等身大のクルマに向かってもいいと思うんじゃ。単なる移動じゃなくって、移動そのものを楽しもうとする、そういう豊かさを求める層がきっと出てくると思うんじゃ。」
参考資料
プジョー RCZ(プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社)
プジョー 3008(轟クルマ文化研究所)
アウディ TTクーペ(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
所長 「ディーラーに飾ってあるのを見掛けたわ。」
助手 「なかなかカッコいいですよね。」
所長 「じゃな。コンパクトなトコも、スポーツカーらしいデザインもいいのぉ。」
助手 「やっぱり。」
所長 「何がやっぱりなんじゃ。」
助手 「ほらっ、先月プジョーの3008の話をしたときとおんなじコトを言ってるじゃないですか。やっぱりあのとき、RCZの話だと思ってたんでしょ。」
所長 「うん、・・・そうじゃったかのぉ、よぉ覚えとらんが。」
助手 「あのときすでに発表されてましたし、無理もありませんけどね。で、RCZですけど、プジョーで始めて数字以外の名前を付けたクルマだというコトですけど、やっぱり特別な存在だと言うコトなんでしょうね。」
所長 「手法としてはアウディのTTと一緒なんじゃろ。前にも言うたと思うんじゃが、TTはA3をベースにしとるんじゃが、A3クーペとかR3を名乗るよりTTとした方が、車格にとらわれんで済むじゃろ。RCZもコンセプトカーのときは、308RCZと言う名前じゃったんじゃが、それじゃと308の1バリエーションとして見られてしまうし、安っぽくうつるんじゃろうな。」
助手 「そうですね。RCZとしたお陰で純然たるスポーツカーに見えますよね。」
所長 「そういうことじゃ。」
助手 「それにしても日本では壊滅状態の軽量スポーツですけど、向こうでは需要があるんですね。」
所長 「どうなんじゃろうな。ユーノスロードスターが出たあと、各社から出とったんじゃが、残ったのっていわゆるプレミアム・ブランドばっかりじゃろ。」
助手 「そうですね。本家のマツダ以外では、安い価格で楽しめるクルマって、すっかりなくなりましたよね。」
所長 「金持ちの道楽ぐらいにしか需要がないんじゃろうな。」
助手 「これ一台で何もかもこなすのは、厳しそうですし、そうなるとセカンドカーが持てるヒトに限定されてしまいますしね。」
所長 「昔みたいに他を我慢してでも買いたいってモンもおらんのじゃろうな。」
助手 「でもここにきて、フォルクスワーゲンからシロッコが出て、プジョーからRCZ、あとホンダのCR-Zと比較的安いクルマが相次いで出てきましたよね。」
所長 「CR-Zはともかく、400万近くもするクルマが安いとは思わんがの。」
助手 「いや、だからあくまでも比較的ですけどね。これまでベンツやBMW、アウディなんかの独断場だった市場が大衆メーカーにまで広がってきたのはいい傾向だと思いますけど。」
所長 「うーん、需要が広がってきたというのは違うような気がするんじゃがな。単にワーゲンやプジョーがプレミアム・ブランドの市場にちょっと安いクルマで参入しようとしとるだけじゃと思うぞ。」
助手 「そうかもしれませんけど、今までなかったのが出てきたわけですし、売れれば広がっていくんじゃないでしょうかね。広がればもっと安い価格帯のモノも期待出来るんじゃないですか。」
所長 「どうじゃろうな。ワシは今の流れのままでは広がらんような気がするんじゃが。」
助手 「どういうことですか。」
所長 「従来の価値観でのスポーツカーでは難しいと思うんじゃ。」
助手 「・・・・。」
所長 「モノには順序というモンがあるんじゃ。この手のクルマって生活する上で必要なモンじゃないじゃろ。付加価値に魅力を感じんと選んで貰えんわけじゃ。」
助手 「確かに今は走りよりも燃費に意識がいってますよね。でもライトウエイトだったら燃費には有利なんじゃないですか。」
所長 「燃費よりも一台で何でもこなそうという志向の方が問題じゃと思うんじゃ。」
助手 「そういうことですか。確かにミニバンやクロスオーバーのような一台何役でもこなせる便利なクルマが売れてますよね。」
所長 「じゃろ。そんな中で大人ふたりと手荷物しか乗れんようなクルマ、誰が買うんじゃ。複数所有出来るモンしか買えんのが現実じゃろ。」
助手 「・・・結局金持ち向けのセカンドカーにしか活路がないというコトですか。」
所長 「そうとも限らんと思うぞ。例えばハイブリッドカーのプリウスや日産のEVのリーフとか新しいクルマが出てきはじめたじゃろ。これからこの手のクルマが広がっていくじゃろ。」
助手 「でしょうね。」
所長 「どれも燃費や航続距離を稼ぐために極力無駄を省いたクルマじゃし、ミニバンやクロスオーバーのような多用途性は望めんけど、よく売れとるじゃろ。」
助手 「リーフはまだ何とも言えませんけど、プリウスに関してはその通りですよね。」
所長 「燃費がいいとか、新しさを感じる、という売りがあれば、狭いクルマでも売れるというコトじゃろ。」
助手 「ですね。」
所長 「その需要が増えれば増えるほど、ミニバンやクロスオーバーじゃなくっても問題ない、というヒトが増えとるということになるわな。」
助手 「ですね。」
所長 「そこでじゃ、燃費のいいハイブリッドやEVばっかりになってくると、今度は違うモンを求めるモンが出てくるんじゃ。もちろんまたミニバンやクロスオーバーのような多用途にいく可能性もあるんじゃが、デザインや走って楽しめるクルマを求める層が出てきてもおかしくはないんじゃないか。」
助手 「うーん、どうでしょうね。」
所長 「プリウスやリーフって格好がいいと思うか。あんなのばっかりが走っとるトコをじゃな、スポーツカーが颯爽と走り抜けると、さぞかし格好よく見えると思うんじゃが。」
助手 「それは所長の好みの問題でしょ。」
所長 「そんなことないと思うぞ。例えば、懸命に働いて金持ちになるより、いまある金でどれだけ精神的に豊かな暮らしが出来るか、という考え方をするモンが増えてきとるそうじゃ。それをクルマに当てはめれば、見栄をはるための高級ブランドや大排気量の高性能車、使いもせん3列シートやオフロード性能なんかより、使いきれる等身大のクルマに向かってもいいと思うんじゃ。単なる移動じゃなくって、移動そのものを楽しもうとする、そういう豊かさを求める層がきっと出てくると思うんじゃ。」
参考資料
プジョー RCZ(プジョー・シトロエン・ジャポン株式会社)
プジョー 3008(轟クルマ文化研究所)
アウディ TTクーペ(轟クルマ文化研究所)
Yahoo!グループ 轟クルマ文化研究所
だって、屋根の形がソックリなんだモン。(汗)
>アウディTTのOEM・・・じゃないですよね。(笑)
>だって、屋根の形がソックリなんだモン。(汗)
そこに触れるのは・・・(笑)
多分、みんな思ってるんでしょうけど。
プリウス等のHVで一応リセットされた感がありますよね。
6人以上乗る事が実はほとんどないのがわかると、維持費が高いだけですし。
ところが入れ替わりで燃費/環境ファシズムがすごくなって
車で楽しむ事自体が「悪」になってしまい…。
不況に基づく集団ヒステリーを何とかしないと、日本で趣味車はつらいかもしれません。
世界で売ればいいんですけどね(笑)
>子供ができたら「ミニバンでなければならない」という強迫観念は
>プリウス等のHVで一応リセットされた感がありますよね。
これどうでしょうね。
今の販売台数を見てるとミニバンの1台で何でも派とコンパクトやHVの経済的・燃費派に二分されてるようにも思えるんですけどね。
どっちも、そればっかりではつまらないですよね。
せっかく色んなクルマが買うことが出来る市場にいるのにもったいないなぁと思います。