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轟クルマ文化研究所

日本のどこかの片田舎、今日も所長の声が響いています。
「馬鹿モン!あれほど雑誌を鵜呑みにするなと言うとるじゃろ!」

ホンダ・エアウェイブ

2005-04-20 18:48:00 | HONDA
助手 「ホンダから新しいクルマが出ましたね。」

所長 「うむ。エアウェイブじゃな。かなり前からフィットワゴンとして噂されとったな。ステーションワゴンからハイトワゴンに軌道修正されたという情報もあったが、ふたを開けてみたら結局ステーションワゴンに落ち着いたみたいじゃな。」

助手 「シャーシーはフィットとは違うみたいですね。」

所長 「そうらしいな。まあ、ワシらにしたらフィットベースかどうかなんてことは、意味はないんじゃがな。」

助手 「それもそうですね。同じプラットフォームでもホイールベースやサスペンションが違うクルマも多いですからね。」

所長 「そういうことじゃ。」

助手 「で、このクラスのワゴンってどうなんでしょうか。トヨタのプロボックスがありますが、商用車ベースのイメージが強いですね。」

所長 「そうじゃな、サイズからするとカローラ・フィールダーや日産のウィングロードぐらいまでをカバーするつもりなんじゃろうな。オルティアのあとラインナップに欠けとったからな。」

助手 「オルティア、ありましたね。イマイチパッとしないまま消えてしまいましたね。結構便利そうでしたけど。」

所長 「確かにこれぐらいの大きさのワゴンがあれば必要にして十分なんじゃがな。じゃが、オルティアでは真面目過ぎて面白味に欠けたんじゃろ。その反省からカジュアルテイストを前面に出してきたんじゃろうな。」

助手 「それは言えてますね。」

所長 「じゃが、開発陣の真意は少し違うところにあるように思うんじゃ。」

助手 「どういうことですか。」

所長 「ホンダはワゴンをつくりたかったんじゃなくって、コンパクトクラスにタマ数を増やしたかったんじゃと思うんじゃ。知っての通りこのクラスには金看板のフィットがいるじゃろ。で、フィットベースのミニバンのモビリオ。あとモビリオの3列目を外してスペース効率に長けたモビリオスパイクがあるじゃろ。じゃが、どの車種もかつての勢いがなくなって来とるじゃろ。コンパクトは今一番の激戦区じゃから販売台数を稼ぐためには、違う車種を投入するしかないじゃろ。特に最近の日産の攻勢の前にフィット以外はタジタジじゃ。フィットにしてもよく頑張っとるが、次々に新型車が出て来とる現状じゃ、次第に競争力が弱まっていくのは必至じゃ。そういう背景の中で生まれたのがエアウェイブという訳じゃ。」

助手 「確かにフィットも一時の勢いはなくなってきましたね。モビリオやスパイクはもう終わってしまった感じですし、ホンダにとっては新型車は欲しいところですよね。」

所長 「そうなんじゃ。で、次の手を打つときに考えたのが、フィットと競合せずに販売出来るキャラクターを持ったクルマじゃと思うんじゃ。フィットの売りはスポーティーな走りもそうじゃが、センタータンクレイアウトによるスペースの広さじゃろ。」

助手 「そうですね。今だにこの分野ではフィットに敵うクルマはありませんからね。」

所長 「そうじゃろ。で、次の手を考えるともっと広いクルマ、それもフィットと比べて圧倒的に広さをアピール出来るクルマ、つまりステーションワゴンに行き着いたという訳じゃ。」

助手 「うーん、わかったような、わからないような。」

所長 「つまりじゃな。ベースのセダンやハッチバックがあって、荷室を広げたのが通常のステーションワゴンなんじゃが、エアウェイブの場合はあくまでもコンパクトカーをつくろうとして出来たのが形状的にステーションワゴンのカタチになったという感じなんじゃ。じゃからこのクルマはフィットワゴンじゃなくって、言ってみればマーチに対するノートみたいな存在なんじゃ。」

助手 「そうなんですか。」

所長 「もちろん、結果としてステーションワゴンになったんじゃから、オルティアやパートナーの後継としての立場も取れるし、もっというと今度のシビックは5ドアモデルを国内販売せんらしいから、そこの需要も見込んでおるんじゃろ。」

助手 「ということはエアウェイブはホンダ版のノートで、オルティアの後継でもあって、5ドアシビックの役割もするというは、重要なポジションにいるんですね。」

所長 「もっともホンダがそう考えとるだけで、お客がどう見るかは別なんじゃがな。特にシビックの代わりをするには無理があるように思えるしな。」

助手 「売れますかね。」

所長 「正直、どうじゃろう、難しそうな気がするな。本来ワゴンの需要はあるんじゃが、小さいクラスになるとどうも芳しくないんじゃ。もっともホンダ自身もあんまり自信がなさそうじゃしな。目標台数も4,000台じゃろ、コンパクトカーのテコ入れとしては低過ぎる数字じゃ。倍の8,000台ぐらいで推移せんと正直つらいじゃろうな。」

助手 「そうですか。僕は結構カッコいいと思いますが。顔も最近のホンダ車の中ではまともですし、ガラスルーフもいいですよね。まあ、途中でちょん切れたようなCピラーがどうも気に入らないんですけど。」

所長 「カジュアルテイストに振っとるんじゃろう。が、如何せんカタチが従来のステーションワゴンの範ちゅうじゃからインパクトが弱いんじゃ。ワシじゃったらコンパクトカーの市場の中で戦える新しいカタチで新鮮味をアピールするんじゃがな。ステーションワゴンという括りになってしまうとどうしても市場を狭めてしまう気がするんじゃ。」

助手 「言われてみればそうかもしれませんね。コンパクトカーと比べたらステーションワゴンのマーケットって随分と寂しい状況ですしね。でも新しいカタチって、言うのは簡単ですけど具体的に何か策はあるんですか。」

所長 「そうじゃな。ワシじゃったらもっとモノフォルムっぽいカタチにするな。で、荷室が広けりゃワゴンとしての需要も見込めるじゃろうし。」

助手 「でも、それじゃ三菱のコルトプラスになってしまいますよ。」

所長 「そうじゃな、コンセプト的にはコルトプラスに近いかもしれん。じゃが専用のデザインにしたら自由度が広がるし、全然イメージの違うクルマがつくれるじゃろ。例えば昔モーターショーで出てたマツダのMXスポーツツアラーみたいな感じのな。それで全長を4m20ぐらいに押さえて新種のコンパクトカーっていうポジションに持っていくんじゃ。」

助手 「MXスポーツツアラーですか、ありましたね。あれぐらいカタチにインパクトがあれば面白いかもしれませんね。」

所長 「そうじゃろ。ワシはエアウェイブより当ると思うんじゃが。どこぞのメーカーでやってくれんかの。」


参考資料
ホンダ・エアウェイブ(本田技研工業株式会社)
マツダ MXスポーツツアラー(マツダ株式会社)

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