碧空の下で

人生の第四コーナーをまわって

漢詩 杏花村

2008-04-23 20:58:41 | 詩、漢詩、その他読書感想
杏花村  杜牧

清明時節雨粉粉  清明の時節雨粉粉
路上行人欲断魂  路上の行人魂を断たんとす
借問酒家何処有  借問す酒家何処にか有る
牧童遥指杏花村  牧童遥かに指す杏花村


最後の一句で、この詩のイメージがパッと現れて、
感動に震えますね。2行目の断魂という強い悲しみ
の語のもたらす緊張が一気に溶けるようです。
日本人好みの名句です。
牧童とは、牛を飼う童であり、禅や老荘思想の
象徴的な意味がこめられているのです。
ある日、飼っている牛が居なくなったので、探して回るの
ですが、一向に見つからず、諦めて、山の中で、
笛を吹いていたら、牛が現れたという故事で、
ひとつの事に執着すると、見えなくなるものがあり、
執着から離れると、おのずと見えてくるというたとえ話です
その童がゆびさす処は、いわばあんずの花咲く桃源郷です
最後に前の句の酒の意味が生きてくるのです。そういえば
「酒と薔薇の日々」という曲がありました。
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