碧空の下で

人生の第四コーナーをまわって

インド紀行17

2007-03-30 16:22:29 | インド紀行
翌日、朝7時頃列車はカルカッタ駅に到着した。長時間の汽車の旅でやっとたどり着いたという感じです。改札を出ると、ラッシュアワーにかかったせいか、いっぱいの人ごみ、インドの場合男ばかりなので殺気すら感じるくらい異様に感じます。こんな場所は早足でさっさと出たほうがよかろうと駅の外へ逃げるように向かった。しかし駅の外がこれまたいろいろな人がごちゃごちゃ集まっていて、人の多さに驚かされるのです。日本でいえば . . . 本文を読む
コメント

インド紀行16

2007-03-24 18:06:10 | インド紀行
逆巻く怒涛のような、時間が過ぎ去り、 舞台に夜の黒幕がおりて、場面が転換します。 タバコを吸い終えると、気分も落ち着いたので 明日の行動予定などを考えながら、時間をつぶすことにしたが 終点のカルカッタまではまだ12時間以上かかります。 いかに時間を潰すか考えていたら、きゅうに腹がへってきた。 食事はホテルで作ってもらったサンドイッチしか食べていないので これはまず、食欲を満たしてから考えることにし . . . 本文を読む
コメント

インド紀行15

2007-03-20 21:59:50 | インド紀行
そして、ドアの鍵がつぎの衝撃で壊れるのを覚悟した。 しかし、次の衝撃は来なかった。 ドアのむこうでは、なにか言い合っている声がだんだん遠ざかって いくような気配がして、静かになった。しばらくそのままの様子で、 どうも、諦めて引き上げたらしい。今までのしつこさからみると あっけないくらいの終わり方で、どうかしたのか、なにかあったのか わからないが、肩すかしをくったような気がした。 こちらがその気にな . . . 本文を読む
コメント

インド紀行14

2007-03-18 21:18:59 | インド紀行
車窓から見える風景は陽が傾き樹や家や地形の影が長く伸びていた。 日没前の紅い光が、全てを照らし出して部屋を染めた。 窓のブラインドを下ろすと、部屋はうす暗くなった。 なぜ部屋を暗くするのか家内が上のベッドから尋ねた。 自分でもそれは解からなかったが、 そのほうが集中できるような気がしたのだ。 そして、へやの奥の窓際に立った。 何人かがいっせいにドアに向かって、蹴りを入れると、 木製のドアが悲鳴をあ . . . 本文を読む
コメント

インド紀行13

2007-03-17 21:58:43 | インド紀行
列車はカルカッタへ向かってひた走ります。 インド民族楽団押売り隊の演奏が車内に響きます。 やる気のない旋律がながながとつづくのです。 こんなことで金がもらえるのか彼らも自信がないのだろう 力の入らない、いいかげんな演奏をだらだらやって、 時間を稼いでいるよにしか思えないのです。 それとも、とにかく、長い時間演奏したのだから 何がしかの料金をもらう権利があると主張するための アリバイつくりなのかもし . . . 本文を読む
コメント

インド紀行12

2007-03-15 21:16:26 | インド紀行
ドアの向うで大声でどなろうと、一切応答せず シカト作戦で、だんまりを決め込んだ。 話はすんでいるのだ。これ以上話す必要はないのだぞ とばかりに北朝鮮なみの戦略で、出方をうかがった。 考えても見て、需要があってはじめて供給が成り立つことぐらい 子供でも分かっているだろうが、ここのルールは供給がわの 都合しか考えないのだ、それでは、強権発動でもしないかぎり うまくいくわけがない。むりやり買わすようなこ . . . 本文を読む
コメント

インド紀行11

2007-03-12 22:16:36 | インド紀行
一息ついたのは、次の駅までだった。 列車がプラットホームに滑り込んで、窓越しに覗くと 前の駅より大きくて広いホームにかなり多くの人々があふれていた。 駅弁売りが何人もいて、列車にむかって盛んに声をかけてきた。 何を売っているのか興味もあり、ガラス越しに観察していると、 いろんな食べ物、お土産品らしきもの、日用品などを持ち歩きながら ゆっくりとホームを行き来きしてお客をさがしていた。 そんな人々に混 . . . 本文を読む
コメント

インド紀行10

2007-03-10 21:32:47 | インド紀行
列車は、止まった。しかし乗客は何事もないようにそのままの 様子であった。文句をいうこともなく、不安がることもなく、 それがフツーのことであるということが、 ツーリストの目から見ても明らかに思われた。 何故止まったのか車内放送があるわけではなく、 かといって、乗客に聞いても分かるわけではないし 運転手の御心に従うだけの、迷える子羊状態で 過ごすことになったのです。 やはり、日本の常識は世界の非常識で . . . 本文を読む
コメント

インド紀行9

2007-03-07 21:45:13 | インド紀行
インドの汽車に乗っての旅は、喧嘩旅です。 2等車で身動きがとれず、約1時間、じっと我慢の一人旅 窓越しの風景をずうと眺めておりました。 カースト別で車両が別れているのか、それとも貧富別か 恐らくその両方なのであろうが、1等車の住人と2等車のそれでは、 明らかに格差がありました。日本のグリーン席と自由席の差なんて もんではありません。言ってみれば、ホテルのレストランと 新宿西口のょんべん横丁ぐらいの . . . 本文を読む
コメント

インド紀行8

2007-03-03 12:57:47 | インド紀行
二等車に飛び乗った。 入った瞬間「ムムッ」。 乗客達の視線が、いっせいに突き刺さった。 インド人の鋭い視線(日本人から見るとなおさら)で 「なんや、お前、こんなところに乗るのかい」 (いつかしら関西弁になっていますが、関西人ではありません  格調高い文章をめざしていたのですけれど。あきまへん) そんな、感じで言葉には出さないけれど批難されそうな 雰囲気に一舜たじろいだ。車内を見回すと乗客で満員 . . . 本文を読む
コメント

インド紀行7

2007-03-01 15:51:36 | インド紀行
常にアグレッシブなインド社会、自己主張しなければ、 通じない、いや自己主張しても通じないのだ。 甘い顔はできない、たとえ心にはお釈迦様が微笑んでいても、 顔は毘沙門天のごとく、邪悪を見極める眼力をもって ことにあたらないといけません。 つまり、自分の言い分をしっかり持っていないと、この社会では やっていけません、大げさな言い方をすれば、自己の思想性が 問われているのですわ。ここでは、そのよりどころ . . . 本文を読む
コメント

インド紀行6

2007-02-27 22:23:29 | インド紀行
バラナシ駅から汽車に乗ってカルカッタまでは24時間かかる このインドの旅の最後の行程になった。 コンパートメントの2ベットの客室にようやく落ち着いて 家内が買ってきた果物をたべながら ほっと一息ついたのは次の駅までであった。 車窓から眺める風景に見入っていたのもつかの間、 次の駅を過ぎた頃、ドアをノックする音がした。 ドアをあけると車掌が話し掛けてきた、券察だった。 「どちらまで」 「カルカッタへ . . . 本文を読む
コメント

インド紀行5

2007-02-21 21:31:42 | インド紀行
バラナシからカルカッタまではバスで行くか汽車で行くかいろいろ迷ったあげく、汽車で行くことになった。距離があるので、時間がかかることと、ネパールでの恐怖の満員バスにいやけがさしていたこともあって、途中はすべてスルーしてカルカッタへ向うのに決めた。そうなれば、1等車のコンパートメントを予約しようと駅に行き、切符を購入する事となった。ところがである、ここはインドなのだ。全てがスムーズに運ばない。予想はし . . . 本文を読む
コメント

インド紀行4

2007-02-20 21:32:22 | インド紀行
はるかな地平線に沈む夕日をガンジス河のほとりにたち 1人眺めながら,旅の時間を通過していく日々を反芻していた。 ここにいることは一瞬の時間でしかないのですが、 一生ここにいるような気にもなっていた。 30年経って思い出してみると、やはり、いまだに あの時のままに、立ち尽くしているような気がするのです、 どちらが旅だったのかと。 BGM <What a wonderful world> I see . . . 本文を読む
コメント

インド紀行3

2007-02-13 21:37:31 | インド紀行
この地には世界から人が集まってくる。 恐らく、この土地の住人の半分ぐらいの人数のよそ者 がいつもこの町にいるのではないか。 国内国外を問わず、死臭をもとめてやってくる。 人の死を見届けることによって、自分の生を確認するのだ。 仏教の修行に死体を自然のままに置きそれが 腐敗しやがて、白骨になるまで 毎日それを見届ける行があるそうで、 死から隔離された我々にとっては、想像することはできても 実際に体験 . . . 本文を読む
コメント