碧空の下で

人生の第四コーナーをまわって

暑き夏の旅6

2024-08-09 22:39:14 | 暑き夏の旅

ワシの妄想ですが、木村佳通代は自分のコンセプチュアルな表現を模索していく過程でつまりそれを表現する方法について写真とか図形とかの表現に迷いというか自分が納得できないものがあったのだろうと思うのです。コンセプト至上主義的な作風から見れるのは、ストイックな一点凝視で、見れば見るほど焦点がぼやけて遠ざかっていくことに気付くのはずです。なぜなら初期の作風のやわらかな生命体のもつ豊穣な力の魅力を感じている者にとってはだんだん耐えられなくなっていくと思うからです。A=A'だと気付いている者にとってはA=Aの自同律は不快なんです。豹柄のオバちゃんが無理して川久保玲の黒服を纏うようなもんや。それでコロッとまた油彩のタブローにもどるのです。弁証法的高みに上がるわけですね。その作品がええねん。すばらしいのや、これを見て元取れたと思ったね。「存在とは何か」というコンセプシャルな作品を見た後ですから説得力と言うか訴えてくるものがあるのです。単に色を描きなぐって偶然できたような抽象画じゃない。計算された効果によって理性的に構築されてます。水墨のハーモニーがあるし印象派的和声があるそしてアバンギャルドなリズムもある。いうなれば、ほめすぎかもしれなけど絵画の武満徹やで。唯一無二や、描けそうで描けん、最初で最後や。この間彼女は二度の結婚と癌を患って、55歳という若さで亡くなってしまった。死の予感を背負いながら、「存在とは何か」を最後まで表現ようとしていたのですね。天才は早死にすると言うけど・・

写真で見るのと現物を見るのとでは全然感じ方が違うのでぜひ会場へ8月18日までやってます。。

       

 

       

 

       

 

       

 

       

 

      


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