懲りずに昔の録音のデジタル化のお話。
中高生の頃の演奏会やコンクールの録音で、カセットテープでしか所有してないものや、ビデオテープより状態の良いものがあったりするので、これをデジタル化したくなる。
当然のことながら作業にはカセットデッキが必要で、押し入れから中学生の頃に購入したSONY製のTC-WR775を久々に引っ張り出してきた。生意気にも据え置き型デッキを使っていたのは、母が昔購入したDIATONEのアンプ(DA-U660)に接続して使用するため。どうやら母はカセットテープを音の悪いものと見下していたフシがあって(?)、安いラジカセで簡易に聴くことはあってもシステムに接続することは無かったのだ。ちなみに、DA-U660にはTAPE端子が2系統あるのだが、取説の接続例に描かれているのはオープンリールデッキだし・・・。
購入当時(1991年頃)のカタログを眺めてみると、メカ、ヘッド、回路ともに数々の技術用語がちりばめられている。少なくとも、カタログを見る限りカセットテープが格下といったイメージは無い。私にとってカタログ収集は趣味の一つ(!?)でもあるが、カセットデッキに限らず、この頃のカタログを見るのはとても楽しく興味深い。
話を戻して、私のTC-WR775はSONYの据え置き型では最も低価格のもので、カタログ末尾にある仕様・機能比較表の○印はだいぶ少ない。それでも、テープは録再ともノーマル/ハイポジ/メタル対応だし、ドルビーNRもB/Cタイプを搭載しているから、中学生にとってはかなり贅沢な機種であったのだ。
といったところで、久々に電源を入れてみると・・・動かない。どうやら、駆動用のゴムベルトがダメになってしまったようで、修理も考えたが、あきらめることにする。上の長い長い前書きも、ムダになってしまった・・・。
これがだいたい7~8年前のできごとで、その後しばらく放置していたが、3年ほど前に思い立って新たにカセットデッキを購入することにした。新品のカセットデッキも存在したが、ドルビーNRが無い(※)などの残念なところもあって中古品を入手する。
※その後、2018年にドルビー Bタイプ NR相当の機能を搭載したTEAC製W-1200が発売されている。
ONKYO製のK-505X(S)、インテック205シリーズ のカセットデッキである。確か13,000円ぐらいだったかと。ドルビーNRもB/C搭載で、テープも各タイプに対応している。
水平ローディング式。ふたがバッタンと倒れるデッキに慣れた私にとっては、ハイテクな印象?
ともかくもカセットテープを再生できるようになったので、TASCAM(TEAC製)のPCMレコーダーDR-100MK3でデジタル化を進めることにする。
懐かしいテープを聴きながら思ったのは、クリアな音に「おおっ!!」と感動するものもあれば、ぼやぼやっとした音に「あれ?おや?」となるものもある。どうやら、テープによって分かれるようだ。これが保管・使用状況によるのか、テープの種類によるのかはわからないが、ノーマル/ハイポジ/メタルによる違いはなさそう。当時の私は主にAXIA(富士フイルム製)のテープを使っていたが、何となくPSシリーズよりAUシリーズの方が状態が良いように感じられる(気のせい?)。いずれにせよ、全体的にレコードの方がカセットテープより音が安定していて、母がカセットテープをあまり当てにしていなかった理由が、今となってはわかる気もする。