消費生活アドバイザーが食品表示をわかりにくく解説するブログ

消費生活アドバイザーが、食品表示を、妄想や推測、人から聞いた噂などを交えて、わかりにくく解説していきます。

添加物と食品の違いという何か

2017-04-08 16:33:12 | 表示に関する話題
さて、添加物と食品の話題です。
と言っても、食品の中に含まれる添加物、ではなく、「製品」としての添加物のお話です。

食品添加物を買うメイン顧客は恐らく事業者たちなのですが。
消費者向けに売られている食品添加物もいくつかあります。
例えばベーキングパウダーや重曹、食紅やにがりなど、様々な添加物がスーパーなどで販売されています。

食品添加物と食品添加物でない食品は何が違うのでしょうか。
成分が添加物メインだから?そうではありません。
目的が「食品の加工・保存の目的で使用されるもの」であることが重要です。

例えば、清涼菓子というものが販売されていますね。
シャープンズユーアップで有名な「フリ○ク」や「ミ○ティア」などです。
これらはほぼ添加物の塊ですが、分類としては「食品」であり、「食品添加物」ではありません。
原材料表示を見ると、甘味料、香料、微粒酸化ケイ素などから構成されていることが多いです。
フレーバーによっては○○パウダー的な食品が入っていたりもしますが、全ての原材料表示が添加物であることも多々あります。
この表示を見たある人が「添加物製剤じゃないの?」と言ってきましたが、違います。
なぜなら清涼菓子を食品の加工に使うことは無いからです。
例え添加物だけからできていても、それを直接喫食する目的で作られているのですから、添加物を使っているけれど、食品、となります。

一方食品添加物ですが。
単一成分からなる「食品添加物」と複数成分を含む「食品添加物製剤」があります。
重曹などは前者であり、ベーキングパウダーなどは後者です。
ベーキングパウダーは、添加物の他に食品素材を含んだりもします。
表示を見ると、炭酸水素ナトリウム○%、酒石酸○%、フマル酸○%、コーンスターチ○%、といった組成が書いてあると思います。
食品素材が半分以上はいっていたとしても、添加物として使うために作られた製剤であれば、それは食品添加物製剤です。
重曹やベーキングパウダーをそのまま食べよう、という人はいてもマイノリティだと思います。
普通何らかの食品を作るときに、何らかの効果を期待して使うものです。(膨らませたい!とか色を付けたい!とか)
それが「食品添加物」だということです。

添加物は少量で大きな効果をえられるものも多いので、販売する際は何かで増量して販売することもあります。
これは「ぼろもうけしやがって」とかいうことではありません。
少量で大きな効果を得られる状態のまま販売すると、うっかりちょっと入れ過ぎた、が大変な影響を及ぼす羽目になるからです。
量の調節がしやすいように、という配慮で、薄めた状態でうっている、という訳ですね。

また、添加物の製剤の場合は、別のものを添加することによって主な成分の力を増強したり、複数組み合わせることによって、一つの成分のものより高い効果を得られたり…などがあります。
ベーキングパウダーと重曹を考えると良くわかりますが。
重曹単体でもふくらし粉としての役割を果たすことが出来ます。
しかし、重曹に酸性の物質を添加することにより、よりガスが発生しやすくなり、効果を高めたり、より望ましい結果を得られたりします。

因みに昔にがりダイエットが流行った時期に、にがりを直接摂取するという人がいたかもしれませんが、これは「目的外使用」なので、にがりが食品添加物であることにはかわりありません。

話はそれますが、にがりダイエットについて、国立健康・栄養研究所から下記のようなコメントが出されていたようです。
「最近、にがりやマグネシウムに「痩身効果」があるという情報が流されています。例えば、「糖の吸収を遅らせる」「脂肪の吸収をブロックする」「糖質代謝を促進する」「エネルギー代謝を促進する」といったメカニズムから、ダイエット効果を論証するような情報がありますが、いずれについても確実な根拠・文献等はありません。」
この続きとして「マグネシウムは、医薬品では下剤として使用されており、」とあり、痩身効果だと思っていたものは、下剤的な効果で便秘の便が排出されたのでは?とかいう話が出たのを聞いたことがあるのを連想させます。
実際、私の知人は「体にいいから」と子供の水筒に毎日コツコツにがりを垂らし続けた結果、子供が下痢を繰り返し不調を訴えて、しばらく親と口をきいてくれなかった、という事案がありました。
食品添加物の目的外使用はほどほどにしましょう。

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