
国立劇場開場50周年記念で10月11月12月と3ヶ月連続仮名手本忠臣蔵の完全通し上演をするというので行ってきました。忠臣蔵はテレビや映画で数え切れないほど見ているけど、「仮名手本忠臣蔵」は人形浄瑠璃で初演され次いで歌舞伎になったものの、史実をもとに書かれているので、当時の幕府を憚って実際とは時代も名前も違えてあります。
長い話なので歌舞伎で全通しで上演されることは稀で、私も歌舞伎では縞の財布に50両の「山崎街道の場」とか大石内蔵助の手紙を盗み見たおかるを殺そうとする「祇園一力茶屋の場」とかしか観たことはありませんし、テレビドラマとは話も違うと聞いていたので、前もって「仮名手本忠臣蔵」解説を読んでから出かけました。
吉良上野介が浅野内匠頭の奥方に横恋慕し、振られた腹いせに亭主に嫌がらせをしたとか、吉良上野介の傲慢さに激昂し切りつけようと目論んでいたのは浅野内匠頭と一緒に役を仰せつかった同僚で、その同僚の家臣が慌てて吉良上野介に付け届けをして吉良上野介の機嫌をとり、そのとばっちりが浅野内匠頭にきたとか、知らなかった話もあって大変面白く、11月も12月も観たくなりました。
浅野家にもよい家来も悪い家来もいたようで、悪い家老の息子がのちに「山崎街道の場」でおかるの父親を殺し50両を奪う悪人、定九郎のようです。ブツ切れで見ていた話が通し上演で一つにつながっていくようで興味深いです。
歌舞伎のチケットは良い席だと1万円以上しますが一番安い席なら(後ろの方で花道は見えないけれど)2千円程度ですので手に入れて、最後の討ち入りまで観れたらと思っています。
それにしても、この通し狂言にはない、高田馬場の仇討ち加勢の堀部安兵衛の話とか、大工の娘に取り入って吉良家の絵図面を手に入れる話とかはどこから出てきているのでしょうか? 「忠臣蔵」の物語は他にもいくつもあるようです。