微細に描かれた浮世絵版画を見る度に、この原画はどれほどなのかと思っていました。今回シカゴウェストン財団所有の肉筆浮世絵が展示されていますので、上野の森まで行ってきました。
素晴らしい作品があまりに大量に飾られていて、これらが全部アメリカに行ってしまったのかと、残念な気持ちになりました。世界中に渡った作品はこの何倍もあるのでしょうね!
着物の線は大胆で力強く、絵柄は微細に描き込まれ、それでいて顔はたおやかに優しく、とても美しかったです。遊女の着物は色鮮やかな豪華な着物ですが、芸奴の着物は江戸小紋のような落ち着いた色合いで、それが艶っぽさを引き立てています。
葛飾北斎の掛け軸が三幅ありました。二本は墨の素描のような美人画で控えめに色がさしてあります。その立ち姿の完璧な美しさに北斎が並大抵な画家でないことが伺いしれます。この絵葉書が欲しかったけど、絵葉書は綺麗な色のものばかりでした。
同時にギャラリーで美術館所蔵の版画展をやっていました。比べてみると、版画と肉筆画では全然違います。版画でも微細に描かれていて、色は一段鮮やかなのですが、何かペターとしてるような......
お天気のよい上野の森は、広々として気持ち良く、人々も三々五々そぞろ歩いて、その中に混じって歩いていると、イライラも忘れます。