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チリチリリン

風にゆれる風鈴のように
こころ休まる音を届けたい

美術館でキモだめし

2016年08月10日 | 展覧会

 

表参道まで出かける用事があったので、久しぶりに友人と会って、ランチの後、「怖い浮世絵展」をやっているから見学して涼んで帰ろうということになりました。ランチはどこどこのなになにではなくて、行き当たりばったり、初めての店にしようと、たまたま見つけたビルの8階のタイ料理の店に入りました。天井の高い落ち着いた店で、ドリンク付きのランチは1000円前後、料理の味は普通でしたが、コーヒーは大きなカップにたっぷりで、長居をしておしゃべりを楽しむのにぴったりでした。

原宿ラフォーレ裏の太田記念美術館の「怖い浮世絵展」には、幽霊、妖怪、血みどろ絵が特集されていて、幽霊や妖怪はユーモラスなところもあって面白く見てました。ところが、幽霊対人間とか、化け猫・大蜘蛛などの妖怪対人間だと冷静に見られるのですが、血みどろ殺戮絵は人間対人間なので、正視できない感じになり、せい惨な殺戮絵を見ながら、明かりが抑えられ薄暗い中、冷房もしっかり効いていて、会場を回り終わるといい具合に涼しくなりました。

外に出ると今度は何か甘いものが食べたいねと、これも行き当たりばったりの新しいパンケーキの店に入りました。フワフワのメレンゲのように泡立てた生地で焼いたパンケーキは軽い口当たりで、二人とも完食、晩御飯はいらないね、ということに。

おばばの晩御飯に寿司折を買ってきて、夜はおさんどん無しで楽勝でした。時々ならぬ度々こんな日が欲しい!

 

 

 

 

 


宮川香山「高浮彫」と「眞葛焼」

2016年03月25日 | 展覧会

 

 

ずっと家にこもり、あとは実家との往復でしたが、なんと5週間ぶりに友人に会って、サントリー美術館の焼き物展を観てきました。宮川香山の「高浮彫」と「眞葛焼」です。

精巧な浮彫を施した陶器は明治9年のフィラデルフィア万博に出品され絶賛を博したそうです。ただ細工の細かさゆえ生産の難しさと生産効率が問題化され、香山は陶器から磁気に転向し「釉下彩」の研究に没頭「眞葛焼」を完成させました。

磁気はデザインも洗練されていて、パステルカラーの色合いもモダンな感じで、大変美しいものでした。

           

 

「眞葛窯」というのは横浜にあったそうで、私は前に横浜の歴史博物館の「眞葛焼」コーナーで作品を見たことがありますが、今回の展覧会は海外からの里帰り作品もあり、作品数は数多く見ごたえのある展覧会でした。

それにしてもこれほどの作品なのに、「宮川香山」も「眞葛焼」もさほど知られていないのはどうしてなのでしょう.....

 

      

ミッドタウンの桜はまだ一分咲きというところ、思ったより暖かでしたが、なにせ二人とも”花粉症”ゆえ、花見は後日ということで、建物内でランチ、コーヒーで帰路につきました。

家の近くの桜並木は、今日1日で二分咲きに咲きそろっていました。いよいよお花見シーズンですね。

 

 


ワイン展

2016年02月16日 | 展覧会

   

 

ワインは嫌いではありませんが、舌で美味しいと思っても体がアルコールを受けつけない体質なので、飲んだら即ふとんにひっくり返れる自宅か旅行先のホテルでしか飲みません。楽しい食事も美味しい料理も台無しになってしまいかねないからです。そんな私がワイン展に行くのも変だけど、新聞社のお年玉で招待券をもらったのです。会場が国立科学博物館なのもちょっと興味が湧きます。

ワイナリーのような会場に、ワインの歴史とかワインの製造工程とか、現代のワイン、日本のワインなどの展示がされていました。

 ワインの足踏み体験です。

もちろん本物の葡萄ではありませんが、プニプニいい気持ち。

今は機械で潰すそうですよ。

 

 

最後にはおきまりのワイン販売所があります。

ボトルワインは買ってもほとんどが亭主の腹の中に納まってしまうので買いたくないけど、ここで何も買わないのも寂しい。

で、かわいい紙パックを試してみることにしました。持って帰るのに軽いし割れないし。

すみれやラズベリー、アカシアの花の香りがするそうです。

 

 

展示の一角に「アルコールに弱い体質」についての説明がありました。

アルコールは体内に入ると肝臓に運ばれ、酵素1でアセトアルデヒドに分解され、酵素2で酢酸と水に分解される。ところが生まれつき酵素2が働かない人がいる。アセトアルデヒドは毒性の強い物質で、分解されずに血液中に流れ出すと頭痛、二日酔いなどを引き起こす。(発ガン性物質で膵臓癌の原因になると聞いたことがあります。)

酵素2が働かない変異型は中国南部から発生し、世界に広まっていったと推測され、中国南部から離れるに従って数は減っている。ヨーロッパやアフリカにはほとんどいない。

日本では、先住の縄文人にはいなくて、稲作を携えて南から渡ってきた弥生人に含まれていた。

つまり、私のルーツは南から来た弥生人というわけです。面白い!

 

それにしても、このところの天気には参ってしまいます。昨日は雪が舞ったところもあるというのに、今日は良い天気で気温もぐんぐん上がり暑い。私も外で冷たいジュースを飲んで、家に帰ってアイスクリームを食べました。

 

 

   


国立歴史民俗博物館

2016年01月18日 | 展覧会

    

 

国立歴史民俗博物館は千葉県佐倉市にある国内唯一の国立歴史博物館です。東京駅からはたっぷり1時間半、JRの駅からも京成電車の駅からも離れた佐倉城址内に建ち、アクセスは大変です。私は京成電車を使いましたが、「次は佐倉」と聞いてからの距離の長い事! それまでの住宅地の景色が一変して田畑が続き、静かに水をたたえた印旗沼が見えました。駅からは徒歩15分という事でしたが、佐倉城址は小高い山の上にあり、タクシーを使いました。

国立だけあって、6つのギャラリーを持つ広い建物で、全部歩くと3キロを超えるそうです。写真撮影は比較的自由です。くらしの植物苑も併設しています。

三内丸山遺跡の復元模型が飾られた、原始古代の第一展示室から、中世、近世、近代と続く展示室には、道具や衣装や暮らしと文化などの展示があり、研究資料として精度の高いものもあるそうで、ゆっくり見たいのですが、一回ではとても見終えることはできません。

今回は3、4展示室の「夷酋列像」と「蝦夷地イメージをめぐる人・物・世界」の特集を見てきました。植物園がきれいな季節の良い時にまた行ってみたいとは思いますが、何しろ遠かった! 

 

    

 

   

 

 

 


「夷酋列像」

2016年01月17日 | 展覧会

 

「夷酋列像」は、アイヌと和人の戦いの際、終息に協力したアイヌの首長12人を描いた肖像画です。松前藩主の指示により、蠣崎波響が描いたもので、京都で天皇の上覧も得ています。松前藩が良く蝦夷地を治めているという宣伝になったのでしょうか。

蠣崎波響は松前藩の家老も務めた武士で、幼い頃より絵の才能を見出され、江戸で修行も積んだ優れた画家で「北の円山応挙」と言われたそうです。

描かれたアイヌの首長は、眉やヒゲが濃く眼光鋭く異形ですが、その服装は大変興味深く、中国の絹の服を着ていたり、ロシアの赤いコートを羽織っていたり、つま先の細いヨーロッパの革靴を履いていたりします。

これはアイヌの人々の「異質性」を強調するためにあえて身につけた姿で描かれたもののようですが、衣装道具そのものは虚構というわけではなく、松前藩がアイヌの人々を通じて大陸から実際に入手していたようで、波響は詳細を緻密に描いています。

   

 

 

 この12枚の絵のうち11枚は今はフランスのプザンソン美術考古博物館所蔵です。描かれた当時、見る者の目を否応なしに引きつける強い磁力放っていたので、模写も数多く残っていて、下絵などとともに展示されています。初めて目にする絵で大変面白かったです。