ケイアールエス浦和のブログ

gooブログはじめました!

GPz750 キャブオーバーホール

2012-10-20 16:07:30 | 整備

間が開きましたが、8月11日の日記の続きです。

Conv0021

前回にも書きましたが、キャブの不調を直します。

不調の症状として

4年間掛けていなかったせいでエンジン掛けてもアイドリングしないので、お客様自身が一度キャブを外し、パイロットジェットとスパークプラグを新品に交換ても症状は改善されないとの申告でした。

スパークプラグも新品だと云うのに、明らかに燻ぶっておりガスが濃い状態です。

プラグの気筒位置は、画像右から1番2番3番4番の順で、1番2番は湿っておりオーバーフロー気味です。

キャブのサービス油面は1番0mm、2番0mm、3番1mm、4番1.5mmでした。

パイロットスクリューの位置も基本のままでしたので、原因はキャブにあると判断し外してみます。

Conv0020

キャブを取り外して内部の様子を確認したところガソリンが劣化し不純物が溜まっていました。

Conv0006 Conv0008

フロート、フロートバルブ、メインジェット、パイロットジェットと取り外して、キャブクリーナーで清掃します。

Conv0009 Conv0010

フロートバルブは摩耗していますので交換です。

Conv0013

フロートも経年劣化により重くなっている可能性があるので、フロートバルブと共に新品に交換し、フロート油面を規定値に合せます(規定値になるまでキャブを外しフロートの爪を動かして合わせます)。

Conv0005

キャブを全て組立て、エンジン始動し無事アイドリングする様になりましたが、熱を持った時にどうなるか暫く様子をみる為5分程置いておきました。そうすると段々アイドリングが下がり始めマフラーから黒煙が出る様になり止まってしまいます。

何故かと思い各部チェックしても原因がつかめず、スパークプラグを見てみましたら最初よりはましですが電極の周りが黒く煤けておりまして、アイドリング時に濃い状態です。

Conv0012

お客様が作業した内容をもう一度思い起こして考えていたら、パイロットジェットを交換したと云う話を思いだし、何故替えたのか電話で再度聞きましたら「アイドリングしないでパイロットが目詰まりしていると思い純正と同じ35#のパイロットジェットを量販店で買って来て交換した」との事。純正を買ってきたのでしょうか?と伺うと「デイトナのパッケージのを買った」との事・・・・とりあえず元々付いていたパイロットジェットは持っていいるので持参するとの事でした。

純正と同じ35#・・・デイトナのパッケージのを買った・・・????

番手は純正と同じ35# でもデイトナのリリース品で純正ではない 何か変な気がして来ました・・・

当方でキャブ分解時にパイロットジェットも外して清掃して組込んでいたので、確かエアーブリードの穴が明いているのが付いていた様な記憶があるな~と思いながらキャブを外していたらお客様がパイロットジェットを持参して呉れましたので、早速純正とデイトナのを比べてみました。

画像の容器の中のが持参して頂いた分解前付いていた純正のジェット、容器右のがデイトナのジェットです。

やっぱり予想は的中で、形状は同一でも異なる型式のが装着されていた訳です。

ジェットのサイドに穴がないのがノンブリード式で、ガスのみ供給、サイドに穴が明いているのがブリード式で、ガスとエアーも供給。

ブリード型は横穴からエアーが供給され本体のノズルからのガスと混じりミクシュチャー(混合気)となり、ノンブリード型はガスのみの供給でエアー供給がされない為ブリード式よりミクスチャー能力が低い為ブリード型は混合気が濃い、ノンブリード型は混合気が薄い状態となります。。

ノンブリード式パイロットジェットに戻す事により、アイドリング時に濃い状態は解消される筈です。

Conv0011

純正のパイロットジェットに交換後アイドリングで5分置いておいても止まらず正常に戻り、スパークプラグの焼け具合もきつね色になりました(純正指定のプラグを切らしたのでVプラグで試しました)。

その後試乗してみましたが吹け上がりなども全く問題なく、絶好調を取戻しました。

その後お客様に納車となり、順調に乗っておられます。

Conv0019_2 


最新の画像もっと見る