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「すでに起こったことは、明らかに可能なことがらである」
在台日本語教師の東アジア時事論評あるいはカサンドラの眼差し

恐怖の言論統制社会としての日本1:衰退を加速させる日本市民の知的退廃

2016年02月29日 | 20110311東北関東大震災と政治
(写真:異常に詳しいWikipediaの「STAP細胞否定記事」:こうした異常なバイアスが、かえってSTAP細胞の真実性を訴えている)
1.STAP細胞の原理は科学的事実
 本ブログでは、小保方晴子氏の「STAP細胞」理論について、科学的事実の可能性が高いと述べてきた。今もその考えを否定する材料はまったくない。メディアの言論宣伝や煽動ではなく、冷静に道理を判断すれば、「STAP細胞」の原理はすでに類似実験がなされており、科学的に可能である。
 日本の未来:時代の転換点に立って1

 しかし、社会的には小保方氏を社会的に抹殺しようとするどす黒い利権集団の動きのほうが目立っている。早稲田大学も、そうした動きに合わせて、自らの非道を顧みず、自分の出した学位を自ら否定するという大学としてはすでに存立条件を満たしていない行為までおかして、メディアが作る宣伝に迎合した。

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小保方さん「早稲田大学の決定はとても不公正」博士号「取り消し」にコメント(全文)
小保方さん「早稲田大学の決定はとても不公正」博士号「取り消し」にコメント(全文) 小保方晴子さん(2014年4月9日撮影)
早稲田大学による元理化学研究所研究員の小保方晴子さんの「博士号」取消しについて、小保方さんは11月2日、代理人の三木秀夫弁護士を通じて、「今回の決定には失望している」というコメントを報道関係者向けに公表した。
撤回された「STAP細胞」論文の筆頭著者だった小保方さんは、2011年に早大で博士号(工学)を取得。その後、小保方さんが提出した博士論文について、文章の盗用などの指摘があいついで、早大が調査をおこなった。早大は昨年10月、約1年の猶予期間を設けて、その間に博士論文が適切なものに訂正された場合、「学位(博士号)を維持する」としていた。
公表されたコメントによると、小保方さんは猶予期間内に、修正論文を提出したが、その後の指導教官とのやり取りは1回だけだったという。それにも関わらず、不合格と判定されたうえ、意見を聞き入れてもらえなかったとして、小保方さんは「当初から不合格を前提とした手続きであり、とても不公正なものであったと思う」として、今回の決定を批判している。
また、修正論文の提出前に、担当教官から「今回は合格する可能性はとても低い」と伝えられていたという。審査教官からも「博士として認めることのできないのは一連の業界の反応を見ても自明なのではないか」とコメントされたといい、「学術的な理由とはかけ離れ、社会風潮を重視した結論を出されたことは明らか」と反論している。
一方、小保方さんはコメントの終わりで、「私の研究者の道は不本意にも門が閉じられた」としながらも、「いつか議論が研究の場に戻る日を期待し、今回の再提出した博士論文や関連するデータは年度内をめどに随時公開していく」と今後の展開を示した。
小保方さんが代理人の三木弁護士を通じて公表したコメントの全文は以下のとおり。
●今般の早稲田大学の決定について
2015年11月2日
小保方晴子
私は、学位論文について、実質的な審査対象論文と異なった初期構想時の論文を誤って提出したことに対し、論文訂正と再度の論文指導を受ける機会を与えて頂きました。このため、大学設置の調査委員会によって指摘された問題点をすべて修正して論文を再提出したところ、このたび、前回の授与時判断と異なった結論を出されました。
昨年、総長からは、指導過程および学位授与の審査過程に重大な不備・欠陥があったとの理由から、猶予期間を設けて論文訂正と再度の論文指導を受ける機会を与えるとし、これが適切に履行された場合には取り消さず学位を維持する、とのご決定を戴きました。私はこれに従い履行したにも関わらずの今回の決定には失望しています。
このような経緯の下での今回の判断は、総長のご決定の趣旨及びその背景にある大学調査委員会報告書のご意見に大きく外れるものであり、学位規則の取消要件にも合致しないものであると思います。
前回の学位授与は、私の在学中に研究活動を指導し研究の進捗状況等の報告をさせて頂いていた教官の先生方らによって、正式な審査過程を経たうえで授与されたものです。しかし、今回の同じ研究科における再度の審査過程では、今回の修正論文は博士に値しないとされることは、前回の授与時判断と大きくかい離する結論であり、指導過程、審査過程の正当性・公平性について大きな疑問があります。
今回は、修正論文提出前から、担当教官によって、「今回は合格する可能性はとても低い」と伝えられ、不合格の理由においても、審査教官から「博士として認めることのできないのは一連の業界の反応を見ても自明なのではないか」とのコメントがあり、学術的な理由とはかけ離れ、社会風潮を重視した結論を出されたことは明らかです。また、今回の修正作業は、入院中、加療中での修正作業となり、思考力・集中力などが低下しており博士論文に能力を発揮できる健康状態ではないとの診断書を大学に提出しておりましたが、ほぼ6年前の米国に保存されている研究資料を提出することなどを求められ、しかも厳しい時間制限等が課されるなど、心身への状況配慮などは一切なされず、むしろそれが不合格の理由にも採用されました。
修正論文提出後、「審査教官とのやり取りは始まったばかり」との説明を受けましたが、一回のやり取りだけで不合格の判定をされ、それに対する私の意見も聞く耳を全く持って頂けない状況でした。これでは、当初から不合格を前提とした手続きであり、とても不公正なものであったと思います。この点については、大学にも改善をお願いしましたが、残念ながら聞き入れて頂けませんでした。
博士論文の骨子となる内容はSTAP研究の足掛かりとなった研究成果であり、理研で行われた検証実験においても一定の再現性が認められているものです。
博士論文執筆当時、この研究が広く役立つ研究に成長していく事を夢見て日々を過ごしていました。私の研究者の道は不本意にも門が閉じられてしまいましたが、いつか議論が研究の場に戻る日を期待し、今回の再提出した博士論文や関連するデータは年度内をめどに随時公開して参る所存です。
以上
(弁護士ドットコムニュース)
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 道理としてはこうした「間違った研究」を指導した指導教官、研究室、査読委員、学科全体の責任を早稲田大学は問わなくてはならないが、そうしたことは一切無かった。つまり、早稲田大学は、基本的には小保方氏の博士論文を博士論文として認めているということである。完全に捏造、虚偽であったなら当然、早稲田大学は、指導教官、研究室、査読委員、学科全体の責任を問うて、指導教官は解雇、研究室は解散、査読委員は懲戒、学科全体も解散か改組するのが道理である。それが多額の税金で運営されている学界の責任の取り方であり、理研の笹井芳樹氏のような責任の取り方がこうした場合の端的な研究者の姿勢なのである。笹井氏は本当の研究者であった。同じ責任の取り方が早稲田の関係者にも当然求められるが、早稲田では誰一人そんなことはしなかった。皮肉な言い方ではあるが、早稲田は小保方氏の研究が事実として認められたときには、「実は、私たちは小保方氏の研究を評価していたのだ」という逃げ道を今から作っておくつもりであろう。指導教官や研究室が残っていれば、学位は簡単に復活できるからだ。
 笹井芳樹氏

 また、こうした利権の争いをよく知っている法曹界も小保方氏の味方をしている。

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「NHKが人権侵害」 これが小保方晴子氏によるBPOへの申立書概要
アジアプレス・ネットワーク 11月3日(火)10時58分配信
「NHKが人権侵害」 これが小保方晴子氏によるBPOへの申立書概要
理化学研究所の多細胞システム形成研究センター (アイ・アジア)
「池に落ちた犬を叩く」
劣勢に立たされた人を徹底的に攻めたてる行為を批判的にとらえた表現だが、残念ながら新聞、テレビの報道でこうした状況を見ない日はないと言ってよい。
STAP細胞の研究をめぐって理化学研究所の処分を受けた小保方晴子元研究リーダーについても同様な状況が生じたことは、彼女に批判的な人でも感じていたのではないか。
小保方元リーダーの側が特に問題にしてきたのが、NHKスペシャル「調査報告STAP細胞 不正の真相」(2014年7月27日放送)だ。番組に重大な人権侵害があったとは、小保方元リーダーの弁護人を引き受けてきた三木秀夫弁護士らが、再三、指摘してきたところだ。そして放送から1年経った2015年7月10日、BPO=「放送倫理・番組向上機構」に申し立てを行った。
NHKは番組に問題はないとの説明を行ってきたが、BPOは申立を受理しており、今後は人権委員会が調査を行うことになる。NHKをめぐっては、クローズアップ現代の捏造疑惑をめぐってもBPOの調査が始まっている。
アイ・アジアはBPOへの申立書の概要を入手。三木弁護士の了解を得た上で公開する。NHKスペシャルの報道に問題はなかったのか?BPOの判断が出る前に一読しておく価値はあるだろう。(アイ・アジア編集部)
以下が、BPO申立書の要旨だ。
■提出先  放送倫理・番組向上機構放送人権委員会(BPO)
■申立日  2015年7月10日
■放送局名 日本放送協会
■番組名  NHKスペシャル「調査報告 STAP細胞 不正の深層」
■放送日  2014年7月27日午後9時
■概 要  平成26年(2014年)1月に科学誌「ネイチャー」に掲載された、申立人、笹井芳樹氏、若山照彦氏、チャールズ・バカンティ氏らによる STAP細胞(刺激惹起性多能性獲得細胞)に関する論文を検証した番組であるが、全体を通して、申立人らに対して断定的なトーンで実験の架空ねつ造を行っているかのような内容を放送したものである。放送では論文に多数の画像やグラフが掲載されているが、その作成の指示を申立人の上司であった笹井芳樹氏がしていたことを述べた上で、その画像等に多数の不審点があることを複数の専門家が指摘し、その数は掲載数140点の7割に当たるとしたり、完全なプライバシーにかかる個人間のメールのやり取りまでもが、一定の印象を誘導する意図のもとで不必要に取り上げるなど、人権侵害の限りを尽くしたものと言えるので、 本申立てを行う。
■問題となる放送内容
(1)番組全体構成の問題
本件番組は、タイトル自体に「不正」と表現し、「小保方氏(申立人)が、故意的に盗んだES細胞を用いて実験結果をねつ造した」とするストーリーで作られ ており、視聴者において、申立人が極めて悪質な実験ねつ造者であったとする強い印象を与えるものとなっている。科学は、本来は科学者間での研究を通じて解 明がなされていくものであるが、このような内容の番組を放送したことは、到底許容できない。例えて言えば、無罪推定が働くべき刑事被疑者を実名でもって犯 罪者であることを強く匂わし糾弾するものに等しく、まさに典型的な人権侵害行為である。
(2)偏向的なイメージ構成の問題 
本件番組は、その冒頭で、ネイチャー論文の内容について、「専門家」と紹介された数名の者に、「こういうのはありえないって感じ」、「うっかりしたミスで はないよね」との発言を行わせた上で、「専門家たちは画像やグラフの7割以上に何らかの疑義や不自然な点があると指摘した」とナレーションに述べさせている。この番組は、科学的検証番組としながら、7割もの何らかの疑義がどのように具体的にあるかについて説明がないまま、「7割以上の不正」があったと、強い意図をもって申立人らを断罪した。その上で、さまざまな場面で、色調及びBGMを巧みに使った意図的なイメージ操作がなされ、あたかもサスペンスドラマ を見ているかのような番組構成をして、視聴者に強い印象刷り込みを行ったもので、到底、公正な番組作りとは言えない。
(3)根拠なき「窃盗犯」構成
本件番組は、全体の構成として、申立人が理研内の若山研究室にあったES細胞を「盗み」、それを混入させた細胞を用いて実験を行っていたかのようなイメー ジを視聴者に想像させる内容となっている。つまり、若山氏が飼育していたマウスを申立人に渡して、そのマウスで申立人がSTAP細胞を作り、それを若山氏 に戻されて万能細胞の可能性を調べていたが、そのマウスの遺伝子が一致するはずだが「二つの遺伝子は異なるものだった」と断定的にナレーションで述べさ せ、その後に、若山研が山梨大に移った後の小保方研究室の冷凍庫から容器と写真(出所不明)を画面上に出した上で、ナレーションは「中身はES細胞」と断定させた。さらにその容器について、氏名不詳の留学生が記者の電話に出て、驚きの声を挙げつつ「それを直接私が渡したことはない」と言わせ、続けてのナ レーションは、「なぜ、このES細胞が小保方氏(申立人)の研究室が使う冷凍庫から見つかったのか、私たちは、小保方氏(申立人)に、こうした疑問に答えて欲しいと考えている。」と、あたかも申立人が「ES細胞を盗んだ」ことが事実であるかのように断定的に番組作りをした。
理研は、桂勲委員長による「研究論文に関する調査委員会」を立ち上げ、同年12月25日に、「研究論文に関する調査報告書」(桂調査委員会報告書)を公表 したが、この報告書は、残存試料の分析からES細胞の混入が生じていたとしたが、混入行為者の特定につながる証拠は得られず、混入が故意又は過失であった かも判断が困難で、不正と断定するに足りる証拠はないとした。また、同報告書は、フリーザーに残っていたとされる試料について、申立人、若山氏をはじめ、 若山研メンバーは全く知らないという回答であった。つまり、番組で指摘した申立人の冷蔵庫にあったとされる細胞がなぜ若山研にあったかすら「分からない」 状態だと指摘した。これからしても、本件番組は、何らの客観的証拠もないままに作られたもので極めて大きな人権侵害である。
(4)直前に根拠をなくした事実による構成
本件番組では、当時論拠を失っていたある事実をもとに番組構成をした。
本件番組では、若山氏が極めてタイミング良く、STAP幹細胞が若山氏の渡したマウス由来でない証拠が見つかった瞬間という不自然な映像を流した。しか し、若山氏は、同年6月16日の会見で「STAP幹細胞は若山研究室にないマウスに由来している」という解析結果を記者会見で公表していたが、その後の同 年7月はじめに、これが間違いであったことを認め、同月22日には、現在所属する山梨大学のホームページにおいて正式に発表した。同日には理研においても 同様に公表がなされ、報道もされた。ところが、NHKは、その事実には触れずに本件番組を構成したことになる。つまり、この点は科学的な検証を行う以上は 必ず指摘しなくてはならない矛盾点であったはずにもかかわらず、「捏造」ストーリーからはずれる「都合の悪い材料」には触れないでつくられた本件番組は、 およそ不公正で人権侵害をなす番組構成である。
(5)実験ノートに対する問題点~著作権法違反
本件番組では、NHKが独自に入手したという申立人の実験ノートのコピーが大きく放映されたが、実験ノートの所有権は理研に帰属するが、その著作権は申立人にある。しかし、著作権者が当該著作物の内容の公開を認めていないにも関わらず、無断でその内容を放送した行為は、明白な著作権侵害行為である。当該実 験ノートは、当時(現在も)、理研内において厳重に保管されており、その写しは、調査委員会にのみ交付されたものであって、調査目的以外では一切使用しないことになっていた。何者かが違法に持ち出してコピーしたか、調査委員会委員やその関係者から違法に流出したかと思われるが、前者ならば窃盗罪等に該当 し、後者ならば、理研の秘密保持に対する違反になるが本件番組は、そういった個人の権利を侵害する違法行為の上に立って作成されたものである。
(6)実験ノートに対する問題点~引用のミスリード
本件番組では、STAP細胞からキメラマウス作製成功までの過程について、その経過が申立人の実験ノートには書かれていないと紹介した、しかし、キメラマ ウス作製過程は、若山氏担当部分であって、同氏にその実験ノート部分を確認すればよい問題であって、上記のように断定的に述べたのは、申立人に問題がある かのような印象を与えるミスリードである。
(7)著しいプライバシー侵害
本件番組内で、申立人と共著者である笹井氏との間で交わされた電子メールの内容が、両者の同意もなく、完全に無断で公開されたが、これは完全なプライバ シー侵害であり、通信の秘密に対する侵害行為である。メール内容も、科学番組という目的からすると全く無関係であって、他の意図のもとで流されたとしか言 えないもので、およそ科学的検証番組とは相いれない、まさに「下品で低劣」な人権侵害行為と言える。
(8)取材過程での傷害行為
放映直前の同年7月23日夜、申立人は再現実験中の理研からの帰途において、本件番組の取材班から追跡を受け取り囲むなどの暴力的取材行為がなされたあげく負傷した。本件番組は、このような違法な暴力取材を強行した上で、なお放送するに至っているものであって、社会的に許される限度をはるかに超えたなかで 放送されたものである。視聴者の受信料で維持されている公共放送として許容しうるものとは解しえない。当該行為についてはNHKから代理人への口頭での謝 罪はあったが、 本件番組内での謝罪も説明もなく、違法取材の加害者という感覚すら有していない。
(9)番組クレジットがなかった点について
本件番組では、番組の最後にでるべきクレジット(制作者名その他制作に関わった人物名)が一切出されなかった。毎回必ずクレジットが流されているところ、 本件番組だけが流されていない点は、異様さが際立っているが、関係者自身がその氏名を公表することに大きなためらいがあったことを示したものと考えざるを 得ない。
(10)直後の自殺
本件番組放送直後の8月5日、申立人の上司でネイチャー―論文の共著者である笹井芳樹氏が自殺した。本件番組と自殺との関係性は不明だが、当時は本件番組が 引き金になったのではないかという報道もなされ、ネット等では、同様の意見が多く書きこまれたが、これ自体が、本件番組による申立人らへの人権侵害を推定させる。
■放送局に求めたいこと
以上のとおり、本件番組の放送は、申立人らに対する著しい人権侵害行為があったと考えており、それに対する公式謝罪を求めるとともに、なぜこういった極めて偏向した番組作りが行われたのかについて、検証作業を行って公表し、今後同じような番組作りがなされない体制づくりなどの適正な対応を求めたい。
■これまでの経過
本件放送後、代理人弁護士から、「偏った内容だ」「集団リンチの先頭を切っている」と批判し大きく報道されたが、NHK側からは何らの応答はなかった。同 年10月20日に、NHK会長あての内容証明郵便で抗議文を送付したが、同年11月6日に、担当プロデューサーより、著しい人権侵害行為にはあたらないと 考えているとの趣旨の返事が届いた。
申立人は、本件番組以外にも、多数のメディアからいわゆるメディアスクラムを受け続け、その受けた精神的ダメージは、治療を要する状態となって、なお治癒 するに至っていない。本件申立は以前から検討していたが、申立を契機にして再度メディアスクラムが発生することを極端に恐れ今日に至った。しかし放送から1年が近づきあり、こうした人権侵害を放置することは許容できず申立てを決意した。なお、本申立てを契機に、再び申立人へのメディアスクラムが発生することのないことを願う。 (了)
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 本ブログでは日本メディアの墮落と腐敗について、今までも繰り返し述べてきたが、法曹界もまさに今回の事件で、日本メディアのすでに終末期を迎えているとも見える無能、無恥、傲慢、暴力について、以上のように余すところ無く解明している。しかも、それは国民の「血税」で運営されている日本放送協会(NHK)が多額の税金を浪費して作った、いわゆる「真実とかいうものを描いているドキュメンタリー」なるものについて、その内容が完全に捏造であり、非道な暴力行為であると正式に告発している。
 この告発文は、メディアは社会への情報の入り口の重要なひとつであり、そのメディアの情報が「捏造」だということを摘発している。このことは、日本社会の病もすでに「病膏肓にいる」で、すでに死期が迫っていることを示しているのかもしれない。

2.すでに証明の動きがでているSTAP細胞
 今回の事件の利権は、もっと複雑な関係にあると思われるが、以下の記事は興味深い動きを伝えている。
 
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小保方氏のSTAP細胞、やはり米国に横取りされた? ネットで大きな話題に!
 一時はノーベル賞級の発見とまで言われ、世界を騒がせたSTAP細胞。しかし、その後の展開はご存知のとおりである。「リケジョ(理系女子)の星」としてマスメディアから持ち上げられた小保方晴子・元理化学研究所研究員(32)は、後の論文捏造疑惑と博士号取り消しを経て、今やすっかり社会から干されてしまった。
 しかし現在、「アメリカの研究者がSTAP細胞の存在を確認した」とする情報がSNSを通して拡散、大反響を呼んでいる。その根拠は、科学誌『ネイチャー』の運営するオンライン電子ジャーナル「Scientific Reports」(11月27日付)で、テキサス大学医学部ヒューストン校やピッツバーグ大学医学部の研究者たちが発表した「Characterization of an Injury Induced Population of Muscle-Derived Stem Cell-Like Cells(損傷誘導性の筋肉由来幹細胞様細胞群)」という論文だ。情報の発信元が、かねてより小保方氏の発見は真実だと主張してきたブログ「小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会」であることや、問題の論文を実際に読むとSTAP細胞に焦点を当てた研究ではないことから、この情報をデマと断じる動きも起きているが、果たして真相はどこにあるのか?
【その他の画像はコチラ→http://tocana.jp/2015/12/post_8277.html】
 結論から言ってしまうと、今回の論文で小保方氏が発見したというSTAP細胞の存在が証明されたわけではない。しかしその一方で、研究者らは「マウスから採取した筋肉の細胞に刺激を与えた(損傷させた)ところ、(ES細胞やiPS細胞のようにさまざまな細胞になることができる)幹細胞に"似た"細胞ができた」ということを発表、これを「iMuSCs細胞」と名づけているのである。確かに、手法や結果は小保方氏のSTAP細胞とはまったく異なるが、複雑な工程を経ることなく幹細胞(万能細胞)に近い性質を持つ細胞を生み出したという点に着目すれば、今回の研究の方向性が、少なくともSTAP細胞と同じ目標を見据えたものであるという点だけは間違いないだろう。
■飛鳥昭雄氏と科学ライターが、今回の騒動について語った!
 このように、(STAP細胞はなかったとしても)STAP細胞と同様のものを生み出そうとする科学界の大きな動きについて、サイエンスエンターテイナー・飛鳥昭雄氏はトカナに次のように語った。
「私は、小保方騒動から1年ほどで、アメリカがSTAP細胞と似た細胞を作るのではないかと以前から発言していました。それは、これまでの『日本とアメリカにおける科学利権』の歴史を見れば明らかなのです」
「山中教授がiPS細胞を発表したほぼ同時期に、アメリカのベンチャー企業が、同じ内容の論文を発表しています。これはつまり、アメリカが京都大学のデータを盗んでいたということを意味します。この時に京都大学がとった措置は、アメリカで裁判を起こすと不利になるため、アメリカでの特許権を放棄する代わりに、アジア・ヨーロッパで認めてもらうように図らうことでした」
「実際、これと同じようなケースは過去にも見られます。その代表例は、日本生まれのOS『トロン』です。開発者らは日本で無料配布を画策し、普及を試みましたがアメリカは日本に圧力をかけて、トロンと比べれば欠陥商品にすぎない『ウィンドウズ』を売りつけた。そしてアメリカによる日本へのプレッシャーは、今も脈々と続いている。すべては利権のためなのです」
「ちなみに、STAP細胞のような簡単な手法で万能細胞ができる可能性について、科学界ではあって当然のものとして誰もが認めています。まさに基本中の基本であり、それを誰が最初に見つけるかを争っているのです」
「また、2014年に香港・中文大学でSTAP細胞実験が成功したという報告もありますが、後に教授自らが結果を否定。これもアメリカの圧力によって潰されている可能性があります」
「今回の発表は、まだ資料が少なくFakeである可能性は否めません。ただ、STAP細胞あるいはSTAP細胞と似た細胞は必ずあり、また日本が発見すればアメリカは潰しにくるという事実だけは確かなのです」(飛鳥昭雄氏)
 確かに、京都大学の山中伸弥教授が応じた『週刊朝日』のインタビューでは、この構造が「仁義なき戦い」と形容され、山中氏自らこう語っている。
「簡単に言いますと、ヒトのiPS細胞は自分たちのほうが先に作っていたんや、とアメリカのベンチャー企業が主張しました。同社の特許の請求内容を見たら、京大が先に出願していた請求内容とほとんど違わない。もう完全に戦争するつもりできているわけですね」(『週刊朝日』、2014年11月7日号)
 また、今回トカナがコメントを求めた科学ジャーナリストも次のような見解を述べた。
「小保方さんの大学時代の論文の引用が含まれる今回の論文ですが、STAP細胞の存在を証明したとは言えません。
しかし、ES細胞やiPS細胞ではない幹細胞(万能細胞)に近い存在『iMuSCs細胞』が見つかったことは確かです」
「理研は、小保方さんが生成したSTAP細胞について、研究室の冷蔵庫にあったES細胞の混入が原因だったと結論づけています。しかし、小保方さんが提示した実験手順で、新しい万能細胞が生まれている可能性はまだあるということでしょう。これは、理研からしたら穏やかな結果ではないはずです」(科学ジャーナリスト)
 ちなみに、無意識のメッセージが聞こえるという「リバース・スピーチ(逆再生)」技術で小保方氏の言葉を分析すると、小保方氏は会見で「たとえビジネスの営業的な...」「私が悔しい」「今、これからでもそれについて(発表シテイキ)」などと発言していたことが判明している。現在、日本ではSTAP細胞=ウソ、いかがわしいものの代名詞のような扱いを受けている。しかし、複雑な手順を経ることなく万能細胞を生み出そうとするSTAP細胞と同様のコンセプトを掲げ、世界中の科学者たちが日夜熾烈な競争を繰り広げており、小保方氏もその渦中にあったことだけは間違いないようだ。
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 本ブログで述べたように、STAP細胞事件で小保方氏の論文にコピー&ペーストがあるなどと告発したサイトは、台湾のアカウントであり、今回の問題が非常に複雑であったことを伺わせている。
 この記事が言うようにアメリカの利権なるものがあるのかどうかもわからない。なぜなら、論文はアメリカと日本の共同研究として発表されており、アメリカが自分の国の研究者が書いた論文を自ら潰してしまうことなど普通はありえない。事情はおそらくこんな日本対アメリカのような単純な二項対立ではないだろう。
 小保方晴子のSTAP細胞論文の疑惑:STAP細胞潰しの[業績]を上げたので、今は、お役後免になったのかあるいは然るべき報奨をうけとったのか、2014年5月以降、まったく更新されていない。
 STAP細胞問題について、あるいは中華人民共和国支配下の『朝日』『毎日』の間接戦略

3.これこそ市民精神
 腐ったメディアに一方的に煽動されているだけだった日本市民にも、まともな精神の持ち主がいて、以下のように小保方氏を支援する動きを始めたのは、日本市民の市民的成熟を示す、非常に大きな動きだと言える。
 小保方晴子さんへの不正な報道を追及する有志の会

 小保方氏への言論弾圧は、かつてのガリレオへのローマ・カトリック、ローマ法王庁の弾圧にも匹敵するような典型的言論暴力であり、近代市民社会にとって、自らの存立基盤を破壊するような最大の恥辱と言える。
 武田邦彦先生の発言が素敵だ!!:STAP細胞事件の言論構造

 終始、小保方氏を庇ってきた武田邦彦先生も、以下のように、STAP細胞が科学的事実であることを主張する言論を今年も、続けている。
 STAP細胞研究 アメリカの論文
 定説と学説・・・学説の多くが間違い
 仮説と定説
 STAP2

 武田先生を攻撃している”体制側の人間(権威主義者、利害関係者、マスコミ依存症候群患者等々)”は多いが、武田先生が述べているのは、科学研究の道理であって、それ以外の何ものでもない極めて原理的な内容で、それが成り立たなければ近代社会が成り立たなかったような最も基本的な認識の原理である。守らなくてはならいものは、何があっても守らなくてはならない。

 実際に現場でまじめによい仕事をしたいと思って、日々苦闘していらっやる皆さんには、”体制側の人間(権威主義者、利害関係者、マスコミ依存症候群患者等々)”が、いかに噂や風評に弱く、利害打算以外の価値観をもたず、人間関係の維持だけを至上として、権威者に媚びへつらい、それに異を唱えるものを目の敵のように、あらゆる手段を使って抹殺に掛かるかよくご存知のことであろう。
 だからこそ、こんな人間の屑、そしてこれによって巨大な利権を得ている階層やメディアに迎合してはならない。屑はいくら巨大でも所詮屑であり、元もと腐っている。いつかそれが何かすばらしいものに変わるならいいが、永久に救いようはない。屑は所詮屑である。歴史に残る数々の屑の記録が、それを証明している。
 どんな困難があっても、職業人としての良心は守らなくては、今、生きている意味を自分で否定していくことになる、自ら自分が作ろうとしているものを壊してしまうことになる。

 幸い日本にはまだ「正気(せいき)」の市民が多数残っている。だから、武田先生のページにも、今も多数の意見が寄せられている。
 小保方氏は嘘をついていない 守ってあげられなかった 武田邦彦解説

 また、何かおかしいという感覚を捨てきれず、ニュースを追っている市民もいる。
 【小保方晴子さん最新情報】理研を退職した小保方晴子さんの現在と今後。
 ”体制側の人間(権威主義者、利害関係者、マスコミ依存症候群患者等々)”の流す空気に同調できない、そうした空気に違和感を覚えずにはいられない日本市民がまだ多数残っていることは衰退していく日本社会にとって、大きな希望である。

4.権威主義を越えて
 日本社会は今、未曽有の危機に直面している。
 人口減少 ニッポンの未来

 しかし、人口減少ははたして本当に悪いことなのだろうか?実はこれも、”体制側の人間(権威主義者、利害関係者、マスコミ依存症候群患者等々)”の流す空気ではないだろうか?”体制側の人間”は、日本国内だけとは限らない。日本列島の武裝民兵による占領併合を目指している中国大陸・韓国などからもそうした”体制側の人間”は、常に呪いの言葉をはき続けている。
 人民解放軍が日本方面への奇襲攻撃計画をすでに準備中(下ー1):習近平はすでに対米開戦も決めている?!

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第2回 「日本が乗り越えてきた4つの人口の波」 鬼頭宏(歴史人口学者)
2011年10月26日
鬼頭宏(きとう ひろし)
1947年生まれ。上智大学経済学部教授。専攻は日本経済史、歴史人口学。「宗門人別改帳」などの史料をもとに、縄文時代から江戸時代までの人口推移をあらためて明らかにした。著書に「人口から読む日本の歴史」「文明としての江戸システム」(ともに講談社学術文庫)、4月には「2100年、人口3分の1の日本」(メディアファクトリー)も刊行。
 世界の流れと逆に、急激な人口減少期を迎えた日本の未来を考える本企画。第2回は日本の人口の変遷に詳しい上智大学教授の歴史人口学者、鬼頭宏氏に話を聞いた。日本人は過去の人口減少をどう克服して1億2800万人の現代日本を作り上げてきたのか。歴史をたどり、日本の人口の今と未来を探る(インタビュー、文=福光恵)
日本に最適の人口は何人?
 世界の人口膨張が止まらない。一方、日本の人口は、まもなく減少に転じようとしている。それも大変な勢いで――。
 たとえば国立社会保障・人口問題研究所が06年におこなった推計によれば、世界の人口が90億人を突破すると考えられている2050年頃、日本の人口は9000万人前後に。さらに2105年には4500万人ほどになるとも言われる。現在の日本の人口は1億2800万人。つまり今後100年で、約3分の2の日本人が消えるという計算だ。
 もしこの推計通りに進めば、世界で誰も経験したことのない人口激減社会に突入する日本。いやすでに、日本の人口減少は「ジャパンシンドローム」とも呼ばれ、これから多くの先進国が直面するだろう人口減少を、いち早く経験するサンプルとして、世界中からその動向が注視されているという。
 とはいえ1万年におよぶ歴史を振り返ってみると、日本列島が人口減少に直面したことは、実はこれが初めてではない。なぜ人口減少が起き、日本人はそれをどう克服して1億2800万人の現代日本を作り上げてきたのか。今回は、その歴史をたどり、日本の人口の今と未来を探ってみたい。
 ナショナル ジオグラフィック本誌記事「シリーズ70億人の地球」に合わせ、各界の専門家とともに、世界、そして日本の人口を考える本シリーズ(特設ページはこちら)。第2回は、上智大学経済学部教授で歴史人口学者の鬼頭宏氏に聞いた。
 「日本の人口は何人が最適か。そんな質問をよくされます。10億人でもいいかもしれないし、数千万人でいいかもしれない。私はそう答えています。たとえばこのまま人口が減っていくと、労働力が足りなくなると言われますが、それは人口問題ではなくて、経済問題。人口を経済の規模にあわせるか、経済を人口の規模に合わせるかで、人口の上限は変わってきます。つまり人口というのは、絶対的に最適という数字はない。日本の歴史を見てみても、大きく見るとそのときどきの食料とエネルギーの生産量が、人口規模を決めてきたと言えますね」
 まずはここで鬼頭氏による「日本列島の人口波動」というグラフを見てみよう。今から約1万年の間に、日本列島の人口は、大きく見れば右肩上がりで増加してきている。だが、そこには大きく4回の変動ポイントがあった。右肩上がりに増えていた人口が、一時減少するポイントだ。このグラフを見るとわかるように、日本の人口は、1万年の間に大きな4つのピークを描いている。
 こうした人口減少は、出生率を死亡率が上回ることによって起きるが、それを引き起こした原因は、それぞれの時代によってさまざまだった。最初の大きな減少、つまりひとつめのピークが訪れたのは、縄文時代後半。これは気候変動が大きな原因になったと言われている。
■縄文時代、26万人でピークに
 日本列島が、初めての大きな人口減少期を迎えた縄文期は、こんな時代だった。
 「紀元前2300年のころ、日本には26万人が住んでいたと言われています。原始時代としては高度な狩猟採集経済を営み、限りある空間を最大限に利用していたと考えられています」
 住居跡などから割り出してみると、日本の人口密度は狩猟採集社会としては、世界一高かったといわれる。ところが縄文時代も晩期に入ると、その人口が一気に減少する。それも26万人の人口が、8万人にまで落ちてしまう急激な減少だった。
 原因は、気候変動で気温が下がり、食料供給量が激減したこと。クルミ、ナラ、トチの実……貴重な食料であったナッツ類が気温低下の影響を受けて激減してしまう。そして食料の供給量に合わせるように、人口はみるみる減っていった。
 「この時代は、ほかに火山の噴火などの自然災害が、一瞬、大きく人口を減らしたこともあった。ただしこれは、地域的なものであって、列島全体の人口減少という波には結びつかなかった」
 26万人といえば、東京ならほぼ墨田区の人口となる。これが日本列島全土を使って生活していたと考えると、かなりの余裕の人口密度と考えがちだが、
 「当時の技術水準から見ると、すべての技術をフルに動員して増やせるところまで増やしたギリギリの人口だったんです。そんなときに、気候変動がやってきた。これが急激な減少の大きな原因となった」
 パンパンに膨らませた風船が一瞬で割れるように、大きく人口は減り、人口曲線はひとつめのピークを描き始める。
26万人いた縄文の人口が、8万人まで激減し、まもなく迎えた弥生時代。再び人口は増加に転じる。海の向こうから持ち込まれた稲作の技術が、全国に拡大。食料供給量がアップして、それに合わせるかのように、またたく間に人口を押し上げたのだ。
 そんな「正のスパイラルによって」、紀元前2300年から紀元前1000年までの約1000年間で、8万人まで落ち込んだ人口はおよそ8倍の60万人まで伸びていく。
 この縄文後期の人口減少期から、弥生時代の人口増加期にかけての人口カーブは、日本列島の人口変動に共通する黄金パターンと言うことができる。その後も、日本列島の人口の増加のポイントには、多くの場合、海外から持ち込まれた技術革新があったからだ。新しい技術や社会制度などが持ち込まれるたびに、文明システムが転換し、人口は増えていった。
 一方、そうした新しい技術が定着し、発展の余地がなくなると、人口は横ばいに転じるのが常。そこに気候変動などが起こると、一転、人口が減少していく。これが、日本の人口変動のひとつのパターンとなっている。
 稲作技術をきっかけに始まったこの人口増加も、その後奈良時代には500万人と順調に伸びていったが、平安時代の700万人をピークに再び減少期に入っていく。
 この減少の原因となったのは、社会システムの変動。 「それまで、ひとりひとりが朝廷に租庸調を収めることで経済が回っていた中央集権国家が、平安時代に入ると次第に形骸化していきます。と同時に、耕地の開発にブレーキがかかっていきました」
中央集権の仕組みがゆるんで、国家が弱体化。農地開発にまで手が回らなくなったためとも言われる。
 「実際には、開発できる土地の余地は、まだこのときはたくさんあったと思います。ところがその開発が次第におこなわれなくなってしまう。そうして荘園領主は開発よりも寄進によって荘園を拡大するようになり、国からも国民からも、意欲が失われていった」
 そこへきて、平安時代には再び気候変動が起こる。今度は、温暖化だ。この温暖化によって、西日本はとくに乾燥が進み、水田などの水の確保が不安定になっていったという。弱体化した国家では、新たな農地灌漑をおこなう余裕もない。こんなふうにして、日本全体が、末法思想の広がりにみられるように未来に失望する停滞ムードに包まれ、人口停滞を招いていった。
 「この時代は、気候変動による飢饉や天然痘の大流行などの記録も残っています。ただし、本格的な人口減少を招いたのは、意外に、このような人の心理も大きかった。未来に希望を持てないという、心理的なブレーキと気候変動などの外的要因がセットになって、人口減少期に入る例は、このあとの時代も不思議と多いですね」
 こうして人口は、平安中期にブレーキがかかったまま、鎌倉、室町時代を迎える。これが日本の人口曲線の2つめの山となった。
■“貨幣”が人口を増やした
 平安中期から鎌倉時代が終わるまでの約300年間は、人口600万から700万人の時代が続く人口低迷期だった。これが再び、人口増加に転じるのは室町時代のことだ。
「荘園制度が形ばかりのものになり、代わって荘園役人から成長した在地領主の力が大きくなっていきます。やがて在地領主の中から大名が生まれ、封建社会の枠組みができてきます。ここで生まれたのが貨幣経済という仕組みでした。年貢は、現物より貨幣でおさめさせるほうが、荘園領主にとっては都合がよかったため、全国へ広がっていった。こうしてマーケットが整い、拡大していったのです」
 大名同士が争いを始め、戦国時代に入ったことも、発展に弾みをつけた。築城のための土木技術が農業用水に応用されるなど、さまざまな農業技術も進んだ。また政治的な再統合も起こり、16世紀半ばまでに、国内は経済面でも活性化していく。
 さらに江戸時代に近くなると、農民が勤勉に働くためのモチベーションもさまざま生まれてくる。たとえば貨幣だ。主に領主だけが、年貢の代わりに手にすることができた貨幣が、このころになると農民にも少しずつ広まっていく。
「それが生産増大のインセンティブになっていくんです。しかも狭い土地でより生産性を上げたいとなると、当時としてはたくさんの人が住んでいた日本では、労働集約的な農業を目指すしかない。そしてこれに稲作が向いていたんですね。だらだら働く人より、熱心に働く人がほしい。人を雇うより、家族経営主体の農業に移っていった」
 規模は小さいが、土地の生産性は高い。そんな小規模な家族経営型農業のための人手を増やそうと、人口が急激に増えていった。
「こうやって人口成長と、経済成長が同時に起きていきます。もちろん人々は猛烈に働きました。狭い農地に、勤勉な労働力を投入する、そんな日本ならではの農業がここに成立していくのです」
 人口曲線の3つめのピーク。これがその登り坂の始まりだった。
「経済発展とともに人口は増加し、発展が一段落して、その伸びしろがなくなると、人口は減少に転じる」
 そんな鬼頭氏の言葉の通り、経済発展を背景にした、室町時代からの人口増加も、永遠には続かなかった。ピークとなったのは江戸時代中期。
「1600年頃、日本の人口は1200万人から1800万人くらいと言われています。私の考えでは、1500万~1600万人というところでしょうか。ところがその後、江戸も後半に入ると、日本は3200万人もの人口を抱えるようになる」
 そしてここから幕末までの1世紀以上、この3200万人というところで、人口はピタッと止まってしまう。大きな原因は「少子化」だった。ちなみに江戸時代後半の生涯出生数は平均5人。ただし当時は子供の死亡率が今と比べて桁違いに高かった。5人生んだとしても、1人の男子の跡取りを残せるかどうか、微妙なところだったという。
 ではこの“少子化”はなぜ起きたのか。
「鎖国の日本では、食料もエネルギーも完全に自給。ここで人口の増減が止まったのも、当時は3200万人という人口が、日本列島の自給自足システムが許容する、最大限の人口だったためと考えられますね」
 食料とエネルギーの供給量に合わせて、人口は増減する。そんなパターンがここでも見て取れる。これに加えて、18世紀から19世紀にかけての江戸時代には「天明の大飢饉」など、大きな飢饉もたびたび起きている。気候は寒冷期に突入し、冷夏、日照不足、洪水など、農作物への災難も続いた。ただし、この少子化を招いたのは、そうした自然災害ばかりではない。
「1666年に『諸国山川の掟』という森林開発を制限する掟も幕府から出されていることからわかるように、江戸時代の人々はすでに、文明が招く環境破壊の意識、つまり今でいうエコの意識を持っていたと考えられます。飢饉など自然の力を目の当たりにした江戸の人々が、将来の明るくない展望と、環境負荷をかけたくないという心理から、無意識に子孫を増やすことにブレーキをかけた。そうして江戸時代の少子化を招いたというのも大きいでしょう」
 3200万人前後で人口が止まる停滞期は、鎖国が解かれる半世紀ほど前の文政の時代まで続く。

(文字数の関係で次に:恐怖の言論統制社会としての日本1:衰退を加速させる日本市民の知的退廃(つづき)


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