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「すでに起こったことは、明らかに可能なことがらである」
在台日本語教師の東アジア時事論評あるいはカサンドラの眼差し

海外勢力と結びつく日本の「人権」団体(1)─部落解放同盟─

2006年09月18日 | 資料集─中国工作機関資料─
1.「人権」運動の一側面: 私が一時期勤めていたことのある県の高等学校で1999年に起こった校長の自殺が8月に労災認定された。
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君が代・日の丸問題で自殺、高校長に「公務災害」認定
 卒業式での君が代斉唱と日の丸掲揚の完全実施を巡る問題に悩み、式前日の1999年2月に自殺した広島県立世羅高の元校長(当時58歳)について、地方公務員災害補償基金広島県支部(支部長=藤田雄山知事)は17日、自殺は職務に起因するとして、公務災害と認定した。
 県教委によると、文部省(現文部科学省)から是正指導を受けた県教委が99年1月、君が代斉唱などを完全実施するよう県立学校長に職務命令を出したのを受け、元校長は連日、深夜まで教職員と会議を重ねたが、交渉は難航。同年2月28日、自宅で自殺した。
 この自殺がきっかけとなり、同8月に国旗は日の丸、国歌は君が代と定めた「国旗・国歌法」が制定された。
(読売新聞) - 8月17日21時53分更新
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 この県では、戦後、日本教職員組合の流れをくむ高等学校教職員組合と解放同盟が朝鮮総連と関係しながら、さまざまな”人権教育”を行ってきた。私が勤めていたときにも、その県の高校に勤めた同窓生から、「元号法制化反対」闘争のようなものが行なわれ、”人権活動と教育”を行えという指令が組合から来て、深夜まで”卒業証書の元号をどうするか”で会議が続いたことがあったとか、社会科の先生や担任の先生たちは、”元号は差別の始まりである”というような主旨の授業やホームルームをしたという話しを聞いた。
 こうした実態は、インターネット時代の今、様々な形で、擁護派・批判派によって明らかにされている。

 尾道発:解放同盟フレーバーの「広教組クオリティ」をあなたへ
 教育再興】(68)広島の教育(8)教育長文書(上)「君が代は差別」を確認
 【教育再興】(69)広島の教育(9)教育長文書(下)「君が代」斉唱率は3割
 書評:『広島の公教育に再生の道はあるか』を読む
 広島の教育現場組合、解同に乗取られる
 広島県解放同盟

 この県の解放同盟のリーダーは、元社会党員だった以下の人物で、解放同盟の中央組織の実力者だった。
 小森龍邦
 解放同盟の歴史はWikipediaでも紹介されている。
 解放同盟
 批判は多いが、主に西日本地域に広く形成されたと言われている被差別の問題(注:Wikipedia:問題)は、そうした地域の大きな問題であることは当然のことであり、解放同盟などが主体となって真剣に本来の人権擁護に取り組んでいる活動が行なわれていることは当然のことである。

2.「人権」運動の変化の一側面
 しかし、戦前、宣言が出され、戦後、居住環境や就職・結婚などでの実質的な各種の差別を受けていた頃の解放運動とは異なり、現在の解放運動は、一部ですでにその質が変わってきている事実を、各種の事件が明らかにしている。
 同和事業をめぐる「汚職」としての、「飛鳥会」の事件は今年の7月のことである。
 解放運動の「負の遺産」としての「飛鳥会事件」-解放同盟は自己検証を
 それ以前からも、構造化した腐敗体質を批判する論調はネットで普通に見られる。
 ■「解放同盟」と「朝鮮総連」:不法占拠のお手並み拝見
 いろいろな立場での書き込みがある2chでも、様々な問題が指摘されている。
【解放同盟犯罪史】
 しかし、問題は、ここに指摘されている国内での関係予算や公共施設の使用とトラブルなどという国内問題にはとどまらない。

3.強まる海外政治勢力との関係
 特に、中国・朝鮮系の海外政治勢力との関係を強化している、その人権運動の方向性には大きな疑問を抱かざるを得ない。

①中国・朝鮮との政治的関係
 こうした人権運動を担っている解放・人権研究所のホームページを見ると、たとえば以下のように、中国・韓国の政治的立場だけを主張する講演を、2005年の反日暴動期に「国際人権学習」として企画している。
 中国からみた日本~「反日」とは何か~中国の若い人たちは何を訴えているか王 智新(宮崎公立大学教授)
 韓国からみた日本~日韓関係の現状をどう考えるべきか 朴一(大阪市立大学大学院教授)
 また、解放同盟の役員が特定の海外勢力と密接に関係している事実は、以下でも間接的に明らかにされている。
 『反差別国際運動』と『解放同盟』と『チュチェ思想国際研究所』の関係
 こうした海外勢力との結合は、今に始まったことではなく、解放同盟の紹介によると『国際反差別運動』が設立された、1980年代末に遡る。
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解放同盟とは
 「世界の水平運動」をめざして、世界の被差別者、反差別の人権団体と交流連帯を深めるとりくみをすすめています。その中から、1988年には、「反差別国際運動(IMADR)」が、解放同盟を中心に内外の反差別運動団体・個人によって結成され、1993年、国連NGO登録を果たし、日本ばかりではなく、全世界の人権確立を求め、差別をなくす運動の大きな支えとなっています。
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 『国際反差別運動』のページを見ると、さまざまな記事で不透明さが指摘される「ドゥドゥ・ディエン人種主義・人種差別に関する国連特別報告者」の報告などが掲載されている。
 人身売買反対は掲載されているが、北朝鮮による拉致事件や中国での人権抑圧への言及はない。

③中国政府機関との関係
 また、解放同盟は、中国政府機関の「中国人民対外友好協会」へ寄付の直接援助も行っている。
 日本解放同盟捐贈希望小學
 これは2005年に300万円を中国での小学校建設に寄付した記事である。
 また、中国共産党中央委員会機関紙『人民日報』には、解放同盟全国大会の記事が掲載されている。その記事は、2001年、現在の「人権擁護法案」や松井やより(誤り:松本やより)の「女性戦犯法廷」などが問題となりだした時期の記事で、中国『人民日報』のサイトには、googleで見る限り、他に解放運動の紹介や活動の具体的紹介などが見当たらない中で、これ一本だけが載っている。
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日本解放同盟今天召開全國代表大會(日本解放同盟今日全国代表大会を開催)
人民網3月3日專訊:日本解放同盟今天在大阪市浪速人權文化中心召開第58次全國代表大會。組坂繁之委員長就法務省審議會提出的設立新的人權救助機構的問題,強調了其「獨立於國家」的必要性,並表示(即使成立了新的人權機構),針對歧視的確認、譴責等鬥爭將繼續進行下去;(政府)必須制定具體的禁止歧視的法律。
大會針對目前日本國內「國權主義傾向」和「叫囂排斥外國人的勢力」抬頭的事態,指出這是在「加大歧視」、「有孕育侵略戰爭的危險性」,表示堅決反對修正憲法和教育基本法。大會還討論了在明年3月特別處置法到期之前,開創同和行政、人權行政新局面的新年度方針;並以去年實施的人權教育啟發推進法為基礎,以制定「歧視規則救助法」為目標而努力。(顧 韜)
(人民網3月3日報道:日本解放同盟は今日大阪市浪速人権文化センターで第58回全国代表大会を開く。組坂繁之委員長が法務省の審議委員会に提出した人権救済機関設立問題で、その「国からの独立」に必要性を強調し、新しい人権機関を設立させることで、差別を確認し、糾弾などの闘争を継続させ、政府は差別禁止の具体的法律を制定すべきだと述べた。
 大会は今の日本国内での「国家主義的傾向」と「外国人排斥の主張」が抬頭している事態に対して、「差別拡大」と「侵略戦争の危険性を孕んでいる」と指摘、憲法と教育基本法の修正に反対し、大会は来年3月の特別措置法切れの前に、同和行政と人権行政の新しい局面づくりを新年度の方針とした。また、人権教育推進法に基づいて、差別救済法を努力目標とした。(記者:顧韜)
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 この記事は、人権擁護法案成立へ向けた動きを伝えている。

③中国の「愛国主義」教育との関係
 また、解放同盟幹部は、以下の記事によると、共産主義青年団の手配で、2005年11月、南京林業大学を訪問している。
 日本解放同盟中央本部一行20餘人來我校進行友好訪問
 こうした訪問記録は、その他、多々見つかる。一行は、南京大紀念館も訪問している。
 9月17日 接待日本解放同盟代表團一行
 さらに、同じ時期、江蘇省外事事務所を訪問し、記事には以下の紹介がある。
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加強青年界交流 樹立正確歷史觀
 應我會邀請,日本解放同盟委員長組坂繁之先生為顧問,執行委員,青年部副部長赤井隆史為團長的日本解放同盟中央本部青年友好代表團一行20人於11月1日至6日對我國進行友好訪問。
解放同盟成立於1922年,初任委員長松本治一郎先生系日本著名政治家,是現在日本國內最大民間友好團體日中友好協會首任會長,曾多次來華,與我國老一輩領導者結下深厚的友誼。該組織對華友好,現任委員長組坂繁之被全國友協授予「中日友好使者」稱號,近年來,該組織與我會交流多,今年9月,向我省宿遷市捐贈350萬日元建立「松本治一郎希望小學」。解放同盟在歷史問題上立場鮮明,小泉首相參拜靖國神社後,該同盟機關報「解放同盟」發表社論,堅決抗議,此次組織青年代表團來華,旨在通過參觀戰爭紀念館,聽取倖存者證詞等活動,進一步瞭解日軍侵華真相,反擊國內右翼勢力。
(我々の招待に応じて、日本解放同盟委員長組坂繁之氏を顧問とし、青年部副部長赤井隆史氏を団長とする、中央本部青年友好代表団一行20名が11月1日から6日まで我が国を友好訪問した。解放同盟は、1922年に成立し、初任委員長松本治一郎氏は日本の著名な政治家で、初代の日中友好協会会長で、何度も中国を訪問し、指導者との友情も厚かった。解放同盟の中国友好により、組坂繁之氏は友好協会から「中日友好使者」の称号をもらっている。近年、交流は頻繁で、9月には350万円で「松本治一郎希望小学」を寄贈した。解放同盟の歴史問題上の立場は鮮明で、小泉首相の靖国神社参拝以後,同盟機関紙「解放同盟」は社説を発表して,断固として抗議している。今回の青年代表団の訪中は,戦争紀念館の見学と、生存者の証言の聞き取りが目的で、日本軍の中国侵略の真相を明らかにし,国内右翼勢力に反撃する。)
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 この他、訪問記事は多い。
 なお、今、改装中の南京大紀念館だが、訪問者リストを見ると、来客の目的は様々であろうが、海外からのお客に集中的に対応している様子が窺える。日本からの訪問も多い。  
 しかし、館内案内図を見れば分かるように、資料館としては、収蔵部分がほとんどなく、一見して、これが歴史資料館なのかという疑問を抱かせる。
 日本の見学者による、内部紹介は以下にある。
 南京大虐殺の館

4.21世紀を生き残るために
 ことばは道具であり命などないと、合理的な現代人は考えがちだが、ソシュール以来、明らかになったように、ことばは文化の体系そのものであり、その民族言語の認識や価値観の体系でもある。大日本帝国は「八紘一宇」などのことばを使って、国民を戦時体制に動員した。中華人民共和国は90年代から「愛国」ということばを使って、組織的な「反日」謀略を始め、今、対日開戦準備を始めている徴候が窺える(注:悪魔の帝国:中国で進む対日開戦準備(1))。
 日本国内で、”良心”派・”良識”派が使ってきた「人権」ということばが、そうしたことばと同じ使い方をされるようになったとき、私たちは、一単語だけでなく、自分の社会の中から、その言葉が持っていた大切な意味と価値をうしなうことになる。そして、その実質をうしなったとき、私たちの社会の方向性も重大な危機に立つだろう。


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2 コメント

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Unknown (kyouji)
2006-09-18 20:09:32
 これは弱りましたよねえ。

 解決の単純な方法がない。

 対処療法的に問題点をお金の方から潰すしかない訳で、安倍さんがこれまでの路線を押し進めてくれるように祈るしかないですね。
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仰るとおりです (蓬莱の島通信ブログ別館)
2006-09-19 11:33:29
仰るように、まずは北朝鮮関係から法の支配を復活させ、次に、日本国内での韓国・中国の謀略活動を・・・というように、段階的に周囲から輪を締めていくことで、枯れる部分は枯れ、本来生きていたもともとの部分だけを残せるかもしれません。他の組織の場合にも、これは言えることだと思います。
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