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「すでに起こったことは、明らかに可能なことがらである」
在台日本語教師の東アジア時事論評あるいはカサンドラの眼差し

中華人民共和国による日本の常任理事国昇格への妨害工作

2005年03月23日 | 日本の安全と再建のために
 軍国主義の特徴の一つは、いつも外国から攻撃されるのではないかという被害妄想を煽動して、国民を動員するところにある。20世紀前半の日本帝国は確かにそうだった。しかし、半世紀が過ぎて、今度は、同じ過ちを中華人民共和国のマスコミが繰り返している。もちろん政府による強烈な言論統制は、輪をかけてすさまじいであろうが、それ以上に謀略に積極的に加担する中華人民共和国マスコミの意識は、司馬遷のような自分の国の史官のよき伝統すらも忘れはてている。
 
 今日(2005年3月23日)の中華人民共和国版yahoo新聞を見ると、興味深い、特別コラムがあった。いわば、「日本の安全保障理事会常任理事国昇格への妨害工作キャンペーン特集」である

 いくつか記事があるが、「人民網」では、得体の知れない「世界抗日戦争史実維護会」「南京大索偿連盟」などという団体が、日本の常任理事国入りに反対する署名を集め、40万あまりになったという。悪質なことに、インターネット上に署名ページを設け、100万人を集めるという(http://cn.news.yahoo.com/050322/346/2a649.html)。
 また、「民衆日報海外版」には、アナン事務総長の日本支持を非難する記事があり、「隣国」が日本の昇格に反対しているとして、北朝鮮と韓国の声明を取り上げている。悪辣な書き方で、もちろん、本家の言いたいことは、「虎視眈々」とか「日本軍国主義」という形容詞に隠れている。中華人民共和国は、それらの支持を受けて、仕方なく反対しているのだと言いたいのだろう。

 こうした記事の背景に、たとえば軍事欄の先頭に「日本が空母を建造」という記事がある。「近江」という新造の輸送艦あるいは強襲揚陸艦の進水の記事だが、記事は最初から「空母」と書いてあり、わずかに「欧米の公式の分類では輸送艦」と一行ほどあり、その後に、自衛隊がいかに強大な海軍力を持っているかが書かれている(http://cn.news.yahoo.com/050323/346/2a6gx_1.html)。垂直離着陸機3機が発着できる輸送艦を「空母」と強弁する熱意には呆れるが、そうしなければ、「日本が軍国主義」という前提が崩れてしまうから、記者も必死だ。現在の日本国が、戦前の「88艦隊」ならぬ「99艦隊」を建造という最後の解説は、ことばを自分の都合のいいように、いつも使っている中華人民共和国マスコミの「智惠」が感じられた。

 大陸のyahooを見ると、「中華人民共和国はいつ侵略されるか分からない」という危機感を煽る悪質な煽動が如実に浮かんでくる。


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