先週、読み終えていた伊坂幸太郎著・小説「チルドレン」です
以前、BSで放送された映画「重力ピエロ」が凄く面白く、原作者の
伊坂幸太郎も凄く気になっていて、その後、同じくBSで放送された
映画「アヒルと鴨のコインロッカー」も偶然見て、「重力ピエロ」とは
まったく感じが違うので、原作者が同じ伊坂幸太郎だったと知って
びっくりし、ますます気になる作家でしたが、他にも沢山読みたい
本があり、なかなか伊坂幸太郎まで辿り着かなかったのですが、
酔雲くんが「チルドレン」を買って読んだ後、「君が絶対に好きにな
る面白さやから読んだら
」と薦められていて、今回、伊坂幸太郎
作品を初めて読みましたが、見事に笑いの壷にはまりました
5つの物語からなる短編集かと思いきや、各篇に共通する登場人
物が出てきて連作し、著者曰く「短編集のふりをした長編小説」、
でも、背景となる年代にバラつきがあり、語り手もその都度変わる
という、変則だけれど、気がついたら見事に1本の話
「絶対」が口癖で、何でもかんでも断定をし、無茶苦茶な論理で
理詰めにまくしたて、それが誤っていても間違いを認めないという
強烈な個性の持ち主だけど、みんなから一目置かれていて憎めない
“陣内”という男が全物語に登場し、彼を中心にして起こる不思議
な事件の数々に、予想もしない奇跡が降り注ぎ、各篇共に最後は
フワッとした感覚の清々しい笑顔にしてくれます
それにしても、どの篇共、最後の終わり方が凄く“おしゃれ”で
“爽やか”で、いっぺんに伊坂幸太郎ファンになりました
因みに私が一番笑ったのは、表題作の「チルドレン」に登場する
“陣内”の仕事(家裁調査官)の後輩・“武藤”が、担当している少年の
お父さんと居酒屋で飲んだ帰り道に、そのお父さんを殴る場面で
それまでの話から、頭の中で何となくそうなるのでは?と予想して
いた事が的中し、その情景が鮮明に脳裏に焼き付いて笑いが止まら
なくなってしまい、今でも思いだしただけで笑ってしまいます
伊坂幸太郎著・小説「チルドレン」