サンダー杉山blog

まあいろいろと。音楽主体かな。あと本とかアニメとか。

I LOVE Synthesizer #6_TR-808キック

2009-11-16 20:10:16 | 機材
いわゆる4つ打ちのキックというのがあるのですが、この音をどうするかで音楽のジャンルが決まってしまうといっても過言ではないでしょう。

実際に90年代、まずハウス・ミュージックがドンドンと4つ打ちのキックを鳴らし始めて、90年代中ごろからは、いわゆるテクノと言われている音楽が同じような4つ打ちのキックでドンドン鳴らしだしたわけです。

実際に、ハウスとテクノではグルーヴが違うわけですが、その話はまた別の機会に。今回は音色を中心にいろいろと考察をしてみようかと思います。

まずは実際に音を聴いてみましょう。
808の4つ打ちのキック
[VOON] 80801

909の4つ打ちのキック
[VOON] 90901

さすがにぼくも909の実機は持ってないんで、いろいろ手持ちの機材から一番、909っぽいKORG EMX-1の「BD_99」というプリセットとROLAND TR808実機の音を比べてみます。

おそらくほとんどの人が、808は軽い、909は重いと感じたのではないでしょうか。「重い」「軽い」というのは抽象的なんだけど、じゃあどっちが低域が出てるかっていうのを実際、スペクトラム・アナライザで見てみましょう。

808の波系。
808

909の波系。
909

比べてみると実は808のほうが低域はでているんです。だいたい100hzから200hzの間にピークがあるのが909で50hzから100hzの間にあるのが808なのです。

まあ、どっちが重い軽いというはなしは別にして、実際使うときに非常に大変なのが、いまどきのドンシャリ、超高音圧サウンドを作る場合です。だいたい人間の耳に聞こえる音はだいたい50hz以上。しかしデジタル・オーディオを扱ううえで、ピーキングしやすいのが50HZ以下の低い音なわけだ。そうなったときに808の個性を損ねず、音圧を上げるために、そこそこ工夫がいるわけです。

先日のボーマス10で発表した曲のキックを例に、まあ僕なりの処理を書きます。

まず完成形のキックとその波系。

[VOON] 808finish

808完成形

もと音よりややピークをあげ目にしてます。

実はこれは一つのキックからもう一つのコピートラックを作り、高めのキック、低めのキックの二つの混ぜ合わせで音を作りました。

808高め。
[VOON] 808hi

808高め波系

イコライザ処理はこんな感じです。ちなみにSSL Gシリーズの5バンドEQのエミュレータ(focusrite LiquidMix)を使っています。

808高めEQ設定

低めはこんな感じ。
[VOON] 808low

808低め波系

5バンドEQの設定はこんな感じ。

808低めめEQ設定

まあ、この二つの音をミックスして808らしさを生かしつつ、いまの音に仕上げるわけです。

めんどうくさいって??

そういう方は、どうぞサンプリングライブラリーをそろえてください。逆にぼくからすれば、何千、何万のキックの音から使える音を探すほうが苦痛何で、探すより作るってやり方でやってます。

あとは、その楽器に対する愛情かな……。








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