大野威研究室ブログ

おもにアメリカの自動車産業、雇用問題、労働問題、労使関係、経済状況について、最近気になったことを不定期で書いています。

電気自動車でファブレス化の試みはじまる

2019年03月27日 | 経済

 電気自動車で、アップルと同じようにファブレス化(工場を持たず設計だけおこない、製造を他社に委託する方式)をはじめる企業が登場した。

 オートモーティブニュース(2019/3/19)によると、電気自動車製造のスタートアップ企業Evelozcity(カリフォルニア州)は、製造請負企業Magna Steyrと電気自動車の生産委託で合意した。

 アップルもかつては、米国の自社工場でコンピューターを生産していた。

 しかしコンパックから移籍してきたジム・クック氏(現CEO)がスティーブ・ジョブズ氏を説得して、鴻海(ホンハイ)などに製造委託することを決定。その後のアップル大躍進の基礎となった。

 製造過程が複雑な自動車産業はファブレス化とは無縁と思われてきたが、部品点数が少なく、汎用品の利用割合が大きい電気自動車でそうした常識にとらわれない試みがでてきた。

 こうした企業のなかから、自動車産業のアップルのようなものが出てくる可能性も皆無ではない(ちなみにテスラは徹底的な内製化をめざしており、ファブレス化とは正反対の方向を目指している)。

 

 なおオートモーティブニュースによれば、Magna Steyrは現在、オーストリア工場でベンツ、BMW、ジャガーの自動車を受託生産している。 


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